みずほ銀行とサイバーエージェント、フライウィールは、法人顧客に対するマーケティングプラットフォーム事業に関する戦略的業務提携契約を締結した。今後、3社は、法人の顧客のマーケティング支援に向け、広告事業の創出やプラットフォームサービスの提供、データサイエンスの取り組みを通じた分析の高度化等に取り組んでいく。
■取組内容
(1)広告事業の創出
みずほ銀行がお預かりしている顧客情報※1や、サイバーエージェントのAI技術を活用した広告配信モデル等を活かし、顧客一人ひとりに適したタイミングで、最適な情報をお届けすることを検討していく。
※1広告事業を行うにあたり氏名などの個人特定性の高い情報は含まず、また提携先2社及び広告主である法人顧客に個人情報の提供は行わない。
(2)マーケティングプラットフォーム事業の構築
今後創出する広告事業とみずほ銀行が提供している法人向け統計データ販売サービス「Mi-Pot」等のサービスを連携させることで、広告配信から分析まで取り組むことのできるプラットフォームの構築を検討していく。また、そのプラットフォームの提供を通じ、データを保有する事業者さまのマーケティング支援事業の確立に向けたDX支援を行うことで、産業の生産性向上も目指していく。
(3)データサイエンスの取り組みを通じた分析の高度化
みずほ銀行とサイバーエージェントでは、それぞれデータビジネスやAI事業の拡大を通じてデータサイエンスの活用領域を広げている。今回の提携を通じて、両社の知見を活かして、顧客一人ひとりに最適な情報がお届けできるよう分析・予測精度の向上に取り組み、広告配信のモデル構築等を行う。
(4)個人情報保護への対応
みずほ銀行では、今回の新規事業の創出を行うにあたり、個人の顧客から預かる個人情報の保護にしっかりと取り組んでいく。具体的には、高度なデータマネジメント技術・個人情報保護の知見を有するフライウィールと連携し、顧客から事前に同意した情報の利活用など、更なる安心・安全な枠組みを構築していく。
なお、事業を開始する際、情報の利活用を望まない顧客へ、改めて情報の利活用を停止する枠組みを発表した。
■各社の紹介・役割
【みずほ銀行】
みずほ銀行はこれまで、多くの法人の顧客のマーケティング課題に対して、データビジネスの取り組みや邦銀初となる法人向け統計データ販売サービスMi-Potを通じて、様々なソリューションを提供してきた。
今回の事業の創出に向けて、〈みずほ〉の事業基盤やこれまで蓄積してきたデータビジネスに関する知見を活用することに加え、戦略的提携先であるソフトバンクの協力を得て、同社パートナー企業であるトレジャーデータの保有するソリューション活用を通じて、顧客に付加価値の高いサービスを提供していく。
【サイバーエージェント】
サイバーエージェントは、デジタル広告市場において国内トップクラスの「販売力」「運用力」「広告プロダクト開発力」を有している。近年では、AIを活用したデジタル広告事業開発の強化ならびにAI事業の創出を目的として「AI事業本部」を発足するなど新たな事業領域を拡大している。一例として、デジタルマーケティング全般に関わる幅広いAI技術の研究開発を目的とした組織「AI Lab」では、ビジネス課題の解決だけでなく、大学や学術機関との産学連携を通じて学術的貢献にも力を入れるなど、社会課題の解決にも取り組んでいる。
今回の取り組みでは、AI事業本部が強みとするAIを活用した適切な広告配信モデル構築などのソリューション開発力とマーケティング業界での豊富な知見を活かして、本事業の技術的な支援を行う。
【フライウィールについて】
フライウィールは、データ活用を推進する顧客の挑戦に伴走し、成長をサポートするデータ専門のプロフェッショナル集団。顧客のニーズに応じて、データ戦略立案からシステム構築・導入支援、活用・活性化支援など、フルラインでサポートする。
今回の取り組みでは、高度なデータマネジメント技術・個人情報保護の知見を基に、みずほ銀行の顧客情報を保護するべく、更なる安心・安全な枠組みを構築する。具体的には、フライウィールが保有するデータ活用プラットフォームConata(コナタ)TMを活用して、個人の顧客が自身でデータ利活用の同意/非同意をコントロールできる仕組みを提供していく。
▼今回の戦略的業務提携の枠組み
今回創出する広告事業や各社の強みを組み合わせて、法人の顧客のマーケティングを高度化、およびマーケティング支援事業への参入をサポートすることで、個人の顧客一人ひとりに適したタイミングで、最適な情報を発表したことが可能となる。
■今後について
今後、3社は、マーケティングプラットフォーム事業における多様なサービスの開発等の検討を行っていくとともに、各社の取り組みや強みを活かしていくことで、顧客の多様な価値観に応えることのできる、マーケティング関連の新規事業の創出も検討していく。