スクエニHD、24年3月期決算は最終益69.7%減の149億円と大幅減益 HDゲームの開発費や広告宣伝費の増加響く コンテンツ廃棄損220億円も特損計上
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>は、5月13日、2024年3月期の連結決算を発表し、売上高3563億4400万円(前年同期比3.8%増)、営業利益325億5800万円(同26.6%減)、経常利益415億4100万円(同24.1%減)、最終利益149億1200万円(同69.7%減)だった。
・売上高:3563億4400万円(同3.8%増)
・営業利益:325億5800万円(同26.6%減)
・経常利益:415億4100万円(同24.1%減)
・最終利益:149億1200万円(同69.7%減)
HDゲームの販売状況が想定より弱含んだことに加えて、パイプラインを精査した結果、コンテンツ制作勘定の評価損及び廃棄損を計上したことにより業績予想を下回る着地となった。
主力のゲーム事業において、HDゲームで開発費の償却や広告宣伝費の増加、コンテンツ評価損の拡大で営業赤字が拡大したことに加え、MMOゲームとスマホゲームも減収減益となったことが響いた。
また、HDゲームにおけるマルチプラットフォーム開発と内製開発力強化等を企図した開発方針の見直しを行い、個々のプロジェクトについて開発継続可否を検討した結果、新たな開発方針に合わないデジタルエンタテインメント事業の一部の主要コンテンツ開発を中止したことに伴いコンテンツ等廃棄損220億8700万円を特別損失として計上したことも最終利益に影響した。
■デジタルエンタテインメント事業
売上高は2481億0900万円(前期比1.0%増)となり、営業利益は254億6800万円(前期比38.3%減)となった。
HD(High-Definition)ゲームにおいて、「FINAL FANTASY XVI」、「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」、「FINAL FANTASY VII REBIRTH」等を発売したことにより、前期比で増収となった。一方で、開発費の償却負担や広告宣伝費の増加に加えて、コンテンツ評価損が前年比で増加したこと等により、営業損失が拡大した。
MMO(多人数参加型オンラインロールプレイングゲーム)においては、前期比で減収減益となった。
スマートデバイス・PCブラウザ等をプラットフォームとしたコンテンツにおいては、2023年6月に「ドラゴンクエスト チャンピオンズ」、同年9月に「FINAL FANTASY VII EVER CRISIS」のサービスを開始したものの、既存タイトルの弱含み等により、前期比で減収減益となった。
■アミューズメント事業
売上高は615億6900万円(前期比9.2%増)となり、営業利益は75億6600万円(前期比43.2%増)となった。既存店売上高が前年を上回ったことにより、前期比で増収増益となった。
■出版事業
売上高は310億8900万円(前期比6.6%増)となり、営業利益は119億8400万円(前期比2.9%増)となった。2023年10月よりTVアニメ放送を開始した「薬屋のひとりごと」の大ヒット等により、紙媒体及びデジタル販売が前年を上回り、前期比で増収増益となった。
■ライツ・プロパティ等事業
売上高は189億2400万円(前期比20.8%増)となり、営業利益は56億5800万円(前期比52.0%増)となった。有力IPにかかる新規キャラクターグッズの販売が好調だったこと等によって、前期比で増収増益となった。
■2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高3100億円(前期比13.0%減)、営業利益400億円(同22.9%増)、経常利益400億円(同3.7%減)、最終利益280億円(同87.8%増)、EPS233.52円を見込む。
・売上高:3100億円(同13.0%減)
・営業利益:400億円(同22.9%増)
・経常利益:400億円(同3.7%減)
・最終利益:280億円(同87.8%増)
・EPS:233.52円
【グラフ追記】
業績推移は以下のとおり。
会社情報
- 会社名
- 株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
- 設立
- 1975年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 桐生 隆司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3563億4400万円、営業利益325億5800万円、経常利益415億4100万円、最終利益149億1200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9684