【決算まとめ②】ゲーム関連企業37社の24年1~3月期は5社が営業黒字転換、2社が赤字転落 コンテンツ開発方針の転換進めるスクエニHD アエリアは新作ラッシュの助走時期に

柴田正之 編集部記者
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主要モバイルゲーム企業の2024年1~3月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。

この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の37社中、12社となった。前四半期の15社からは3社の減少となる。なお、この四半期は5社が営業黒字転換を果たした一方で、新たに2社が営業赤字に転落している。

この四半期に営業黒字転換を果たしたのは、モブキャストHD<3664>とコロプラ<3668>、アカツキ<3932>、coly<4175>、ギークス<7060>の5社だ。ゲーム事業を手放す事業再編を進めるモブキャストHDとギークスがここに含まれるのは、ある意味象徴的な出来事と言えそうだ。

半面、赤字転落となったのは、アエリア<3758>とスクエニHD<9684>の2社だ。特にスクエニHDは、HDゲームで開発費の償却や広告宣伝費の増加、コンテンツ評価損の拡大で営業赤字が拡大した格好だ。こうした状況を受けて、新たな開発方針に合わないデジタルエンタテインメント事業の一部の主要コンテンツの開発を中止するなど、大幅な方針転換を進めており、コンテンツ等廃棄損220億8700万円を特別損失として計上している。

また、アエリアについては、子会社リベルの係わる新作3作品がいずれも開発の佳境に入り、開発費負担が先行した。これら新作は4~6月期で無事にリリースを果たしており、次の四半期からどのように業績面で寄与してくるのか、じっくりとその成果を見極めたいところだ。

株式会社アエリア
http://www.aeria.jp/

会社情報

会社名
株式会社アエリア
設立
2002年10月
代表者
代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
決算期
12月
直近業績
売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3758
企業データを見る
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高3432億6700万円、営業利益443億3100万円、経常利益547億0900万円、最終利益492億6400万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
企業データを見る