ProgmatおよびDMMグループ、新たなステーブルコインの共同検討を開始

ProgmatとDMM.com、DMM Cryptoは、ステーブルコイン(以下SC)の発行・管理基盤である「Progmat Coin(プログマコイン)」基盤を活用し、改正資金決済法に準拠した新たなSCの発行に向けた共同検討を開始した。DMMグループが構想するデジタル経済圏「Seamoon Protocol」において、独自トークン(暗号資産)「Seamoon Protocol(以下SMP)」と合わせて独自SCを発行し一体的に活用することで、トークン経済圏拡大(および「SMP」の価値上昇)に寄与することを目指す。

 

■背景と目的

Progmatは、2023年6月施行の改正資金決済法に即した形でSCを発行するためのインフラとして、パーミッションレス(パブリック)ブロックチェーン利用を前提とした「Progmat Coin」基盤の開発を主導している。「Progmat Coin」基盤を用いた様々なブランドのSCは、取り扱う仲介者が必要なライセンス登録を完了し次第、発行・流通が可能になる予定。

DMMグループでは、独自トークンを軸としたweb3経済圏の構築を目的にDMM Cryptoを設立し、2023年12月にはweb3プロジェクト「Seamoon Protocol」のホワイトペーパーを公開している。「Seamoon Protocol」は、DMMグループの特長である広範なエンタメサービス群をラインナップするプラットフォームを特色として、本経済圏内の決済手段であるトークン「SMP」のユースケースを段階的に拡張していく想定。

一般的に、暗号資産は柔軟な発行や流通が可能で拡大がしやすい一方、価値の安定が難しいという特性(トリレンマ)を有している。「Seamoon Protocol」では、本共同検討を通じてこの安定性をカバーし、経済圏の発展と安定を同時に実現することを目指している。

 

より具体的には、「SMP」の価格安定化施策として、発行体であるDMM Cryptoの事業収益のうち一定割合を用いてそのまま実施する場合、事業収益額と「SMP」価格が直接的に連動し、価格が安定化しづらいというデメリットがある。他方で、事業収益のうち一部を価格安定化のための資金として銀行預金にプールしておく場合、第三者は外部から残高を検証することができない。銀行預金ではなく他の暗号資産や海外のステーブルコインのトレジャリープールにプールしておく場合、ブロックチェーン上で残高の検証は可能になるものの、相応に価格変動リスクや信用リスクを負うことになる。

そこで本共同検討のフェーズ1では、売上を基にした資産をブロックチェーン上のトレジャリープールにプールしておく手段として、「Progmat Coin」基盤を用いて新たなSCを発行し、国内規制に基づきより利用者保護が図ることが可能な方式で、「SMP」の価格安定化および「Seamoon Protocol」経済圏の発展に貢献することを目指す。

 

【フェーズ1】

 

さらにフェーズ2では、DMM Cryptoに加えてDMMグループ企業間の決済手段としての活用、DMM Cryptoと取引先企業間の決済手段としての活用、DMM Cryptoから取引先企業への「SMP」貸与の返済手段としての活用等により、利用シーンを拡大する。

最終的なフェーズ3では、ホワイトリスト登録済みの取引先企業間の決済手段としての活用や、本人確認済みのユーザー(ゲームプレイヤー等)による決済手段(クレジットカード決済の代替)としての活用等により、決済手段としての普及まで視野に入れている。

 

【フェーズ2・フェーズ3】

 

 

■具体的なスキームの全体像

具体的なスキームとして、以下のように想定している。

【電子決済手段類型】3号電子決済手段(特定信託受益権)
【発行依頼者(委託者)】DMM Crypto
【発行者(受託者)】別途公表
【裏付資産(預金)運用先】任意の金融機関
【裏付通貨種類】円貨建てステーブルコイン及び外貨建てステーブルコイン
【接続ブロックチェーン】Ethereumのほか、複数チェーンへの拡張を想定

  

■今後の予定

独自SCを2024年度内に発行することを目標に、テストネット上で発行・検証を開始する。

 

■補足情報

◆各社の役割・概要
(1)プラットフォーム「Progmat Coin」開発者
商号 :Progmat, Inc.
代表者:代表取締役 Founder and CEO 齊藤達哉
(2)発行依頼者(委託者)
商号 :DMM Crypto
代表者:代表取締役 加嵜長門
(3)発行者依頼者の関連事業者
商号 :DMM.com
代表者:会長兼CEO 亀山敬司