ドリコム、日本政策投資銀行から『Wizardry Variants Daphne』に5億円の投資を受け入れ

ドリコム<3793>は、この日(8月30日)、開発中のスマートフォン向け3DダンジョンRPG『Wizardry Variants Daphne』に対し、日本政策投資銀行から5億円の投資を受入れることを明らかにした。調達した資金5億円は、『Wizardry Variants Daphne』のゲームプロジェクトへの投資資金として充当するとのこと。リリースが間近に控えた段階で、会社への出資ではなく、プロジェクトへの投資を受け入れる取り組みはスマホゲーム業界では非常に珍しい。

 

■政府系金融機関によるコンテンツ産業への投資促進の一環として『Wizardry Variants Daphne』を位置づけ

ドリコムの開発するゲームタイトル『Wizardry Variants Daphne』は、政府系金融機関であるDBJが行う、コンテンツ産業におけるIP活用促進に向けた投資の一環として投資受入れを実施した。

近年、モバイルゲーム市場は成長期から成熟期への移行が進む中、外資系企業の国内市場参入により競争が激化、新規タイトルに求められるクオリティレベルが上昇し、それに伴い開発期間が長期化・開発規模が拡大している。

さらに、コンテンツ産業全体においても有力なIPの創出・育成及び収益化に向けた投資の国際競争が激化しており、同社にとっても資金及びリスク両面の負担の増大が課題となっている。

DBJは、コンテンツ産業におけるIPに加え、特許やブランド等、広義の無形資産への投資を通じた日本企業の国際競争力強化に向けた取り組みを積極的にサポートする取り組みを推進しており、今回、両社の目的が合致したため、『Wizardry Variants Daphne』に対する投資への合意に至った、としている。

『Wizardry Variants Daphne』は、昨年実施したユーザーテストで好評を得た。現在は、2024年10月のリリースに向けて最終開発を行っている。

 

■同社にとってリスクを軽減でき、コンテンツへの投資を継続できる取り組み

本件はゲーム事業の個別プロジェクトの収益にリターンが連動する投資スキームを採用している。これは、同社にとってエンターテインメント・コンテンツ開発というボラティリティの高い事業におけるリスクを軽減でき、挑戦を継続できる取り組みとなっている。

【調達の概要】
(1)調達先:日本政策投資銀行(DBJ)
(2)調達金額:5億円(上限)
(3)調達方法:同社は、DBJのために同社が今後配信する当該ゲームプロジェクト『Wizardry Variants Daphne』に対して収益分配請求権を設定し、DBJより当該収益分配請求権の対価の支払いとして5億円を受ける。
(4)収益分配方法:同社はDBJに対して、当該ゲームプロジェクト『Wizardry Variants Daphne』から生じるキャッシュ・フローのうち一部を、収益分配金として支払う。
(5)担保の有無:無担保

 

■日本のコンテンツ産業におけるチャレンジ促進のきっかけに

本件の実施に伴い、各社によるコメントを掲載する。

▼株式会社ドリコム 代表取締役 内藤 裕紀氏のコメント
今回の資金調達について、DBJ様と合意に至ることができ、大変心強く感じております。昨今、日本のコンテンツ産業は勢いを増しており、政府より発表された「知的財産推進計画2024」および「新たなクールジャパン戦略」においても、コンテンツ産業の推進が重要な戦略の一つとして挙げられています。このような社会傾向の中で、本件のような投資の取り組みは、コンテンツ開発における大きな助力となり得るものです。今回の取り組みがこれからのエンターテインメント・コンテンツにとってポジティブな先行事例となり、投資のあり方の多様化や、国内のコンテンツ産業におけるチャレンジングな取り組みが促進されるきっかけとなることを期待しています。

▼株式会社日本政策投資銀行のコメント
日本の産業競争力強化のために無形資産への投資の重要性が増している中、コンテンツ産業はIP(知的財産)の獲得及び活用等、積極的な投資による成長が期待されています。本件はIP「Wizardry(ウィザードリィ)」を活用して国内外へ事業展開を目指すものであり、ドリコム様の「IPを軸としたエンターテインメント・コンテンツ企業への転換」を後押しするお取組としてご支援させて頂くべく、投資を決定いたしました。当行は、今後もコンテンツ産業における投資促進に向けた取り組みをリスクマネーの供給により支援してまいります。

株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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