エイシスは、10年にわたる違法アップロードへの対策活動を成果を発表し、GoogleへのDMCA申請は428万1669件、違法アップロードサイトへの削除要請は328万1049件、クリエイターの情報提供は22万5852件、ユーザーの情報提供は7576件になったとのこと(いずれも累計)。
同社では、コンテンツビジネスに取り組む企業の立場から、コンテンツが適切に流通しクリエイターに利益が還元される社会の実現を目指して、違法アップロード問題に取り組んでいる。
2014年7月より、自社のサービスに関わるコンテンツの違法アップロードについてクリエイター及びユーザーの申請をもとにした無料の削除要請代行サービスを行うとともに、独自の「違法アップロード監視システム」の運用を通して24時間のインターネット上の巡回と削除要請を行ってきた。
GoogleへのDMCA申請や、サイトへの削除要請を行う際には、申請や要請を行うもの自身の情報開示が伴うが、作品権利者の代理として同社が対応を行うため、クリエイターの個人情報がGoogleや違法アップロードサイトに伝わることはない。
特に個人のクリエイターの方が違法アップロードのトラブルに巻き込まれた場合、手続きに戸惑われたり、対応の煩雑さから、そのまま泣き寝入りをされるケースが多くある。
同社が対応を代行することで、1人1人にかかる負担を軽減しながら継続的な対策・対応を引き続き実施したい、としている。
●未然に防ぐ。動機に注目した活動――『みんなで翻訳』
「違法アップロードを行う動機」に着目し、違法アップロードを未然に防ぐ取り組みも行っている。
日本産コンテンツの海賊版が海外で流布・利用される動機として「早く作品を楽しみたい」、「無料で楽しみたい」という回答以上に、「楽しみたい作品が公式で翻訳されていない」が多くを占めているという。
正規の流通ルートで迅速に公式の翻訳作品を流通することが海賊版流布の抑止に繋がると考えられるとし、作品の多言語翻訳・販売サービス『みんなで翻訳』を立ち上げた。
作者が翻訳を許諾した日本語のマンガや音声作品を、サービスに登録した翻訳者が他言語に訳し、翻訳作品として世界に向けてダウンロード販売を行うっていkる。
グローバルな作品販売をとおしてクリエイターの海外進出を応援するのと同時に、海賊版対策を実現することにもつながる。
翻訳者は翻訳を介して好きな作品を手掛けた原作者への応援をすることもでき、世界中のユーザーがより多彩な作品を楽しむことができるようになる。
●エイシス 代表取締役 藤井純氏のコメント
『DLsite』では作品の違法アップロードを阻止するべく、2002年にいち早く作品のプロテクトシステム(DRM……Digital Rights Management。デジタルコンテンツにおいてコンテンツホルダーが持つ著作権などの権利が不当に侵害されることを防ぐために、コンテンツの利用・複製をコントロールする仕組み)を導入し、 長年にわたって保護に努めてまいりました。
しかしながら、ご購入いただいた作品の閲覧における利便性と作品の保護は両立が難しく、すべての作品を保護できる状況には至りませんでした。
2014年からは違法アップロード監視システムの構築や削除要請代行サービスを通じて、多くの取り下げ対応を行ってまいりました。
10年に渡る活動の成果はこの度の報告に記載の通りです。
今日まで活動を継続し対応を行ってまいりましたが、まだまだ私共が理想とする環境には遠い状況です。
『みんなで翻訳』をはじめとした新しい取り組みも行い、この状況を根本から変えられるよう、引き続き邁進してまいります。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイシス
- 設立
- 1994年11月
- 代表者
- 代表取締役 藤井 純
- 決算期
- 3月