クシム、第3四半期決算は62%増収もブロックチェーンの赤字拡大や暗号資産評価損で営業赤字17億円に拡大

クシム<2345>は、この日(9月17日)、2024年10月期 第3四半期累計の連結決算を発表し、売上高11億6800万円(前年同期比61.9%増)、営業損失17億4000万円(前年同期は4億6500万円の損失計上)、経常損失18億7500万円(同5億円の損失計上)、最終損失19億1200万円(同1億4700万円の損失計上)だった。

・売上高:11億6800万円(同61.9%増)
・営業損失:17億4000万円(同4億6500万円の損失計上)
・経常損失:18億7500万円(同5億円の損失計上)
・最終損失:19億1200万円(同1億4700万円の損失計上)

セグメント別に見ると、Zaifを連結対象に含めたことでブロックチェーンサービス事業の赤字幅が拡大したほか、インキュベーション事業で暗号資産評価損11億3200万円を計上したことが影響し、営業・経常・最終損失がぞれぞれ大きく拡大した。売上は62%伸びたが、主に暗号資産交換業を行うZaifを連結対象に入れたことによる。

■ブロックチェーンサービス事業
・売上高:5億4100万円(前年同期比331.6%増)
・営業損失:5億8700万円(前年同期は2億4500万円の損失)

■システムエンジニアリング事業
・売上高:3億6700万円(同16.1%減)
・営業損失:3600万円(同1000万円の利益)

■インキュベーション事業
・売上高:2億8900万円(同52.2%増)
・営業損失:15億3600万円(同8300万円の損失)

ブロックチェーンサービス事業の概況は以下の通り。

チューリンガムにおいては、ブロックチェーン技術や暗号理論を用いたR&Dをベースとしながら、ブロックチェーン開発支援や受託開発、トークンエコノミクスと言われる暗号資産をどのようにサービスやプロジェクトの中で利活用するのかという、トークンのデザインやマーケットへの供給を行う際に誰にどのように分配を行っていくかといった暗号資産開発に関わる包括的なサービスを提供している。

第3四半期累計においては、ギグワークスの子会社であるGALLUSYSとの共同事業であるGameFi「SNPIT」のSNPITトークンが海外主要暗号資産取引所への上場を果たし、順調にユーザー数を伸ばしている。

また、第1四半期から進めている営業体制の刷新については、暗号資産・Web3業界に参入する大手企業の新規事業系コンサルティングを中心に、これまでの暗号資産・Web3事業創出に携わってきた経験を基に取引先を増やしている。

Zaifにおいては、暗号資産交換業者として顧客へ暗号資産の売買に係るサービスを提供している。11月(みなし取得日は9月30日)より同社グループの一員となり、新経営体制の下『赤字体質からの脱却』を目標と据えて、預り残高を活用した安定収益源の創出、コスト最適化、新規暗号資産の上場、の3つの施策を中心に事業を推進している。

預り残高を活用した安定収益源の創出については、長期保有を志向するユーザーを多く抱えていることから、ユーザー志向に合致するステーキングサービスを4月より開始した。具体的には、EthereumネットワークのProof of Stakeというコンセンサスアルゴリズムを活用したステーキングサービスとなり、第3四半期累計から売上に計上され、安定的な収益の獲得に寄与している。また、ステーキングサービスの対象通貨としてXYM(シンボル)が7月から追加され、第4四半期累計以降の売上に計上される見込み。

コスト最適化については、今期の開発計画を大幅に見直し、収益面もしくは費用面において高い確率で効果が期待できる施策及び法令やルールに準拠するための施策に絞り、あわせてインフラ費用の見直しを進めた結果、前事業年度比約50%のコスト削減を実現している。

新規暗号資産の上場について、グループ会社であるチューリンガム及び暗号資産の発行体との連携により有望な暗号資産の新規上場に取り組み、収益の強化を目指していく。

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