成長続く2024年のAIアプリ市場…年間収益は33億ドルに達する見通し 北米市場が総収益の47%を占める 若年層から支持を得る「AIコンパニオン型アプリ」 Sensor Tower調査

Sensor Towerは、「[レポート]2024年AIアプリ市場インサイト」を公開したことを発表した。

2023年は、世界のAIアプリが爆発的に成長した1年となった。2024年は、トップAIアプリが力強く牽引したことにより、最初の8ヵ月の総収益が前年同期比+51%と急増し、2024年の年間収益は33億ドルに達する見通しだ。

本レポートでは、AIアプリの世界ダウンロード数と収益推移、市場分布、さらに人気のAIカテゴリーとトップアプリの実績を紹介する。また、ケーススタディを通じて、人気AIアプリ「ChatGPT」の成功事例について紹介している。

※本レポートではアプリストアにおける収益のIAP推定値のみを集計しており、広告収益および中国本土におけるサードパーティのAndroidマーケットでの収益は含まれていない。

■2024年AIアプリ収益の急速な上昇

2023年の爆発的増加を経て、2024年のAIアプリ市場はさらに成熟した。トップアプリの力強い成長によって、2024年1月から8月の世界AIアプリ収益は前年同期比+51%と急増、20億ドルに達し、2024年の年間収益は33億ドルに達する見通しだ。

AIアプリは世界各地でダウンロードされて使用されているが、主な収益源は北アメリカ市場だ。ダウンロード数を見ると、インドは2024年AIアプリのダウンロード数が最大の市場で、総ダウンロード数の21%を占めている。北アメリカ市場は世界AIアプリ総収益の47%を占めており、AIアプリで最高の収益を誇る市場となっている。

■「ChatGPT」が世界のAIアプリ市場をリード

2024年における世界のAIアプリダウンロード数ランキングトップ30は、ほとんどChatbotアプリと画像編集ジャンルのアプリが独占している。

ダウンロード数、収益、アクティブユーザー数の規模のいずれから見ても、OpenAIがリリースした「ChatGPT」がAIアプリ市場のトップとなっている。2024年1月から8月の期間に、「ChatGPT」のダウンロード数は1億6000万を超え、2億3000万ドルに迫る収益を達成した。2024年8月末時点で、「ChatGPT」の累計収益は2億7000万ドルを突破し、MAUは1億9000万を超えた。

Bending Spoons傘下のAI画像編集アプリ「Remini」は、AIアバター生成機能と「粘土加工」AIフィルターでSNSで人気に火がつき、2024年1月から8月のダウンロード数は1億2000万を超え、ダウンロード数ランキングでは2位にランクインした。2024年8月現在、「Remini」の世界累計ダウンロード数は4億5000万に達し、IAP収益は2億ドルを突破した。

新しく登場した3種類のAIアプリについては、「Google Gemini」が4位、「Microsoft Copilot」が8位、「Chatbot AI & Smart Assistant」は9位にランクインした。

ByteDanceのChatbotアプリ「豆包」は、ダウンロード数ランキングで5位となり、ランキング内で唯一の中国語AIアプリとなった。

ダウンロード数ランキングトップ30にランクインしたByteDance系AIアプリにはほかにも、画像編集アプリの「Hypic」とAI教育アプリ「Gauth」がある。

トルコのモバイルアプリパブリッシャーである Codespace Dijitalからは、「Chatbot AI & Smart Assistant」「Chat & Ask AI by Codeway」「Retake AI: Face & Photo Editor」「Face Dance: AI Photo Animator」の4種類のAIアプリがダウンロード数ランキングにランクインした。

■2024年1月から8月における世界のAI+Chatbotアプリ収益は、2023年の年間収益の1.5倍をすでに超えている

2023年は世界のAI+Chatbotアプリが爆発的な成長を遂げた年であり、ダウンロード数は2022年と比べて14倍増加して、6億に迫っている。2024年1月から8月に、AI+Chatbotアプリのダウンロード数は6億3000万を突破し、2023年の年間水準を超えた。

2024年8月時点で、世界のAI+ChatbotアプリのIAP収益は5億8000万ドルに達しており、すでに2023年の年間収益の1.5倍を超える高い水準となっている。

■AIコンパニオン型アプリは若年層ユーザーからの高い支持を受けている

AI+Chatbotアプリの発展に伴い、感情型AIコンパニオンが徐々に台頭している。トップアプリである「Character AI」は、2024年8月にMAUが史上最高となる2200万人を記録し、2024年1月~8月のダウンロード数は1900万に達し、この市場のトップランナーとなった。世界を見ると、「Talkie AI」のダウンロード数が「Character AI」をすぐ後から追いかける形となっている。しかし、アメリカ市場では、ダウンロード数はすでに「Character AI」を超えている。

AIコンパニオン型アプリは若年層ユーザーから人気があり、「Character AI」「Talkie AI」「Linky AI」「HiWaifu」などのトップアプリでは18歳~34歳のユーザー比率がいずれも70%を超えている。中でも、「Character AI」では18歳~24歳のユーザー比率が66%に達している。

AIコンパニオンによってユーザーの性別分布にも違いがあり、「Character AI」と「Talkie AI」は女性ユーザーが多く、「Linky AI」と「HiWaifu」は男性ユーザーの人気を集めている。

▼レポート全文を無料ダウンロード
https://sensortower.com/ja/state-of-ai-apps-2024-report-japan