7~9月決算発表シーズン間近 カプコンの4~6月決算を説明会から振り返る 全セグメント利益が計画上回る順調な滑り出し 今期は下期重点の予算

2024年7〜9月の決算発表シーズンが始まるが、それに先立ち、いくつかの企業の前回4〜6月の決算発表を振り返っておきたい。今回は、カプコン<9697>の2025年3月期第1四半期の決算発表会を取り上げる。

第1四半期の決算は、全てのセグメントが計画を上回る利益を計上し、順調な滑り出しとなった。デジタルコンテンツ事業では、ゲームの販売本数が953万4000本となり、通期計画に対して約20%の進捗となった。アミューズメント施設事業では新業態店舗の推進や出店により、アミューズメント機器事業ではスマート機器の導入やIPの活用により、それぞれ計画を大きく上回る利益を上げることができた。『モンスターハンターワイルズ』など下期に大型タイトルを発売する予定で、今期は8期連続の最高益更新、12期連続の増益、10%増益を目指している。

 

<以下、決算説明会より※>

 

本日はお忙しい中、ご参加いただきまして誠にありがとうございます。株式会社カプコンの2025年3月期第1四半期の決算を発表させていただきます。

 

■概況

第1四半期の決算は一言で言いますと、計画通りに進展し、経営としては期待通り、予定通りの決算だったと考えております。主力のデジタルコンテンツ事業、アミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業の全てのセグメントにおきまして、計画を上回る利益を計上しまして、順調な滑り出しだったと思っております。

デジタルコンテンツ事業におきましては、2025年3月期は新作タイトルの販売を下期に重点を置いており、この第1四半期は現行移植向けの新作タイトルの販売、それから前期に発売しました大型タイトルの販売、そしてモンスターハンターシリーズ等のリピートタイトルの販売による商戦でした。

その結果、この第1四半期ではゲームの販売本数が953万本ということになりました。デジタル販売の推進によりまして、引き続きリピートタイトルがグローバルで伸長し、通期計画に対しては計画通りに進展しました。

このデジタルコンテンツ事業におきましては、デジタルコンテンツを映像作品やライセンス商品、eスポーツと提携してIPの持つブランド力の強化に取り組んでおりますが、この四半期もしっかりできたと思っております。

アミューズメント施設事業におきましては、新業態店舗の推進、出店によりまして、コロナ前以上の利益水準、そして計画を上回る利益をしっかり達成できました。

アミューズメント機器事業におきましても、スマート機器の導入あるいは当社グループの人気のあるIPの活用等によりまして、こちらも計画を大きく上回る利益を計上できました。

2025年3月期は引き続き経営としては、8期連続の最高益の更新、12期連続の利益の増益、あるいは10%増益を計画しているわけですけれども、全てのセグメントでしっかりやっていって達成していきたいと思っております。

それでは2025年3月期 第1四半期の経営成績です。売上高295億9700万円で、前年同期比で32.5%の減収、営業利益が128億8900万円、経常利益は134億8700万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は99億7500万となりました。

利益面はいずれも45%をちょっと超えるほどの前年同期比のマイナスとなっておりますが、ご案内の通り、前期の第1四半期は『ストリートファイター6』等の大型タイトルがありましたので、前年同期という比較という意味ではあまり参考にならない数字かと思っております。今年度はもともと下期に収益が偏重する計画の中で、この第1クォーターはしっかり計画を上回る進捗であったと思っております。

 

次に 連結財政状態です。総資産2407億9500万ということで2024年3月末比で約26億ほどのマイナスとなっております。後ほどバランスシートをご覧いただきますとおわかりになりますが、今回は売掛金に変化がありました。これは3月の終わりに発売した『ドラゴンズドグマ 2』などの売掛の回収が進んだことが中心となり、若干の減少となっております。一方、純資産の方は35億円ほど増えており、1986億1000万円です。その結果、自己資本比率は82.5%という状況です。

 

配当は期初に発表した内容から変更はございません。上期18円、下期18円の合計36円です。24年3月期の70円というのは株式分割前の数字ですので、分割後で引き直すと35円ということで、今年度も増配を予定している状況です。

通期の連結業績予想も期初の発表から変更しておりません。売上高1650億円、営業利益640億円、経常利益630億円、当期純利益が460億円、1株当たりの当期純利益は109.98円ということで、繰り返しになりますが、この通期の計画に対して、この第1四半期は計画を上回る進捗でありました。

 

経営成績の概況は、セグメント別で冒頭に申し上げた内容について詳細をお話させていただきたいと思います。

 

■デジタルコンテンツ事業

まず主力のデジタルコンテンツ事業ですが、売上高が214億1600万円で、セグメント損益が128億2100万円ということで、この第1クォーターは中型タイトルの『モンスターハンター ストーリーズ』と『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』という移植タイトルで、 通常価格よりも安い価格帯での販売となりました。

 

昨年比ということでは、先ほど申し上げましたように『ストリートファイター6』や『ロックマンエグゼ』が去年の第1四半期にありましたので、あまり参考になりませんが、セグメント損益で128億円というのはこのデジタルコンテンツの通期のセグメント損益計画669億円に対しまして、ほぼ20%という進捗で、これは計画を上回る内容となりました。

 

販売本数の詳細は953万4000本ということで、通期の目標である販売本数5000万本に対してほぼ20%ぐらいの進捗ということで、計画通り進捗しております。我々の一番ビジネスのコアになっております、2年前のいわゆる旧作タイトルという意味でいきますと、昨年の第1四半期と比べますと10%以上成長していることが確認できました。

  

■アミューズメント施設

次にアミューズメント施設です。売上高48億6400万円、セグメント損益5億1600万円ということで、前年同期に比べて大変伸びているという状況です。この第1クォーターは、富山県の小矢部市に1店舗新設いたしまして、合計で51店舗で展開をしております。

従来からのクレーンゲームに加えまして、カフェや物販、ガチャガチャ等の店舗の多様化あるいは効率化を図る内容の中で進めてまいりました。この第1クォーターは、来店客数の増加に加えて、1人当たりの単価の上昇、インバウンドの効果等もあり、引き続き拡大しているという状況です。通期についても増収増益を見込んでいる状況です。

  

■アミューズメント機器

アミューズメント機器の事業ですが、売上高22億2000万円、セグメント損益が10億8300万円でした。こちらも前年同期では大きく伸長している状況です。第1クォーターは『ストリートファイター5』という新筐体を投入しており、約5500台を販売できました。

加えまして、部材の様々な調達の効率化を図っており、中古部材の流用などを行った結果です。損益については大きく伸びてきたという状況で、この事業分野は今年度は3筐体、通期で4筐体の新台の投入を予定しております。ライセンス事業ですので、変更等がありましたら、またご連絡をさせていただきたいと思います。

 

個別の事業分野は以上です。繰り返しになりますが、この四半期は128億円の営業利益ということで、下期に営業利益が偏重する内容にはなっております。私ども上半期では大体200億円程度の営業利益を計画しておりますので、そういう観点でも第1クォーターは大変好調に滑り出したと考えております。

以上です。引き続き通期の目標達成に向けて全社挙げて努力してまいります。よろしくお願い申し上げます。

※読みやすくするため、論旨を変えない範囲で一部編集しております。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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