ロブロックス、安全システムと保護者コントロール機能の大幅なアップデートを発表

 

Robloxは、11月18日(現地時間)、保護者コントロールやコンテンツ分類表示、13歳未満のユーザー向けの新しい初期設定などの大幅なアップデートを含む、事前設定の安全機能の強化を発表した。

本アップデートにより、以下の新機能が追加となった。

・保護者は、紐づけた認証済みアカウントから、子供のロブロックスアカウントを遠隔で管理できるようになる。これにより、子供の友達リストの閲覧、課金制限の設定、およびスクリーン時間の管理が可能になる。
・13歳未満のユーザーには、新しい通信設定が初期設定で適用され、特定のチャット機能へのアクセスを有効にするには、保護者の同意が必要になる。
・「バーチャル空間ガイドライン」は「コンテンツ分類表示」に名称が変更され、ユーザーが接すると予想されるコンテンツの種類に基づいて、個々のゲームやバーチャル空間にコンテンツが分類表示される。9歳未満のユーザーは初期設定で「極少」または「軽度」のコンテンツと分類表示したゲームやバーチャル空間にしかアクセスできないようになっており、「中程度」のコンテンツにアクセスするには、保護者による同意が必要となる。

これらの機能変更は、インタビューやユーザビリティ調査、親子を対象とした国際的な調査および子供の安全とメディアリテラシーに関する専門機関の専門家との協議を含む、複数回にわたる社内調査を経て開発、導入した。今回発表のアップデートは、全米メディアリテラシー教育協会(NAMLE)やファミリー・オンライン・セーフティ・インスティチュート(FOSI)などのパートナーから高い評価を受けている。

▼ロブロックス 最高安全責任者 マット・カウフマン氏
「当社は、強固な安全システムの構築に約20年を費やしてきましたが、常にさらなる改善の余地があると認識しています。前四半期には、ロブロックスの1日あたりの平均アクティブユーザー数が8,800万人超を記録しました。当社のプラットフォームが規模を拡大するにつれ、当社の安全性への取り組みもそれに応じて進化する必要があることを常に感じています。今回の発表は、そうした進化の次の段階といえます。本機能変更は、数カ月にわたる製品開発やオンラインセーフティ専門家の協議の集大成であり、今年だけでも30以上展開された新しい安全機能強化に続き、世界中の何千万人もの人々にとっての、遊び、学習、制作のための安全性とマナーを基盤とした環境を構築するという使命を継続していくものです」

▼全米メディアリテラシー教育協会(NAMLE)エグゼクティブ・ディレクター のミシェル・シューラ・リプキン氏(Michelle Ciulla Lipkin)
「安全対策の向上やリスク軽減に努め、プライバシーやセキュリティといった重要な内容について一緒に考える機会を保護者の方々や子どもたちに提供する取り組みをメディアリテラシーの専門家として評価したいと思います。NAMLEは、ロブロックスと提携し、青少年にとってより安全でより良いマナーを基盤としたオンライン環境を実現するという同社の取り組みを支援できることを喜ばしく思います」

▼ファミリー・オンライン・セーフティ・インスティチュート(FOSI)CEO スティーブン・バルカム氏(Stephen Balkam)
「保護者が子供のデジタルライフについて情報を得て関わる方法を模索する中、ロブロックスの保護者コントロールの機能強化は大きな前進です。 ユーザーへの干渉が少ない監視方法やプライバシー保護のための強力なツールを提供することで、ロブロックスは安全で充実したオンライン環境を確立しようとするユーザーの家族を手厚くサポートすることとなります」

 

■新しい保護者コントロール

ロブロックスはすでに、課金管理 を含む 保護者コントロール を提供しており、これまで子供のアカウントを通じて保護者がこのような機能にアクセスすることができた。

今回発表の新しい「保護者コントロール」機能では、保護者は、子供のアカウントに紐づけた自身のアカウントから、より簡単に管理を行うことができ、子供の使用状況を遠隔で確認できるようになる。保護者権限つきのアカウントは、有効な政府機関発行の本人確認書類またはクレジットカードで年齢認証を行う必要がある。

子供のアカウントを遠隔で管理する機能の導入により、ロブロックスは、保護者がこれまで以上に子供のプラットフォーム上での使用状況を把握できるようにしている。

今回の変更により、保護者権限つきのアカウントは、過去1週間の子供が画面を見て過ごしたスクリーン時間の表示、1日のスクリーン時間制限、友達リストの閲覧が可能になる。さらに、保護者権限つきのアカウントでは、課金制限の設定や特定のチャット機能の制限または有効化が可能で、さらに、子供がアクセスできるコンテンツの種類を決定するための既存のロブロックスツールにアクセスできるようになる。

これらのアップデートにより、保護者は子供がアクセスできる機能や他のユーザーとの交流方法、子供が閲覧できるコンテンツの種類をさらにきめ細かく管理できるようになる。

 

■通信機能の初期設定についての更新

今後数カ月の間に、ロブロックスは13歳未満のユーザーのプラットフォーム上での通信機能の使用方法について以下の変更を行う。

1.13歳未満のユーザーは、ロブロックス上においてゲームやバーチャル空間の外で他のユーザーに直接メッセージを送ることができなくなる(当機能はプラットフォームチャットと呼ぶ)。
2.さらに、ロブロックスは、13歳未満のユーザーがゲームやバーチャル空間内での公開メッセージのみに制限されるようにする事前設定を導入する。初期設定では、13歳未満のユーザーは他のユーザーに直接メッセージを送ることができなくなる。保護者は、保護者コントロールでこの設定を変更できるようになる。

ロブロックスに組み込まれている チャットフィルタ機能と通信機能を使用する際の内容規制ルール は、13歳以上のユーザーを含むすべての年齢のユーザー向けのあらゆるチャット機能に引き続き適用される。ロブロックスのテキストチャット用の伏字処理は、ロブロックスコミュニティ基準に従って不適切な単語やフレーズを検知しブロックするように設計されている。13歳未満のユーザーに対しては、伏せ字処理により、ロブロックス外へ誘導しようとする他のユーザーによる試みをブロックし、電話番号や住所などの個人情報の共有を防止するようにも設計されている。

これらのアップデートの多くは本日より実装される。その他のアップデートについては、同社はクリエーターコミュニティと協力し、すべてのバーチャル空間に実装するため注力して取り組んでいる。これらの機能変更はすべて、2025年第1四半期までに実施される予定。

 

■コンテンツ成熟度設定についてのアップデート

今回の変更により、ロブロックスでは、プラットフォームで利用可能なコンテンツの種類について、より簡潔な説明を導入する。これまでは保護者に個々のゲームやバーチャル空間の推奨年齢を提供していた 「バーチャル空間ガイドライン」は、今後は「コンテンツ分類表示」と名称が変更され、年齢層を使った分類表示は行われなくなる。代わりに、ユーザーが該当のバーチャル空間で接する可能性があるコンテンツの種類に基づいてゲームやバーチャル空間が分類表示されることになる。

▼ロブロックスの最高安全責任者、マット・カウフマン氏
「当社は、子供たちや保護者と緊密に協力し、ロブロックスのプラットフォームについての知識や皆さんが求めている情報や制限の仕方、当社のプラットフォーム上での安全や使用状況、通信に関する懸念について理解するよう努めてきました。子供たちの成長のペースはそれぞれ異なり、当社の調査と 外部の調査 の両方から、子供たちが接するコンテンツの種類について、保護者が感じる適正レベルには違いがあることが分かりました。年齢だけに基づいてバーチャル空間を分類することは、さまざまな背景を持つご家族のさまざまな期待にお応えできるものではありません。こうしたことから、当社はこの度、利用可能なコンテンツの種類の簡単な説明の提供を開始いたしました。保護者の方がお子様に何が適切かについて十分な情報に基づいた決定を下せるように内容を明確化してあります」

新しいコンテンツ分類表示は以下の通り。

・極少(たまにある軽度の暴力、リアルではない少量の流血、たまにある軽度の怖い内容が含まれる可能性があるコンテンツ)
・軽度(頻繁な軽度の暴力、リアルではない大量の流血、軽度の下品なユーモア、頻繁な軽度の怖い内容を含む可能性があるコンテンツ)
・中程度(頻繁な中程度の暴力、リアルな少量の流血、中程度の下品なユーモア、プレイ不可能なギャンブルコンテンツ、中程度の怖い内容を含む可能性があるコンテンツ)
・R指定(激しい暴力、大量のリアルな流血、中程度の下品なユーモア、恋愛表現、プレイ不可能なギャンブルコンテンツ、アルコール関連コンテンツ、強烈な表現、中程度の怖い内容を含む可能性があるコンテンツ)

アップデートした「コンテンツ分類表示」の導入に伴い、今回の変更により、ロブロックスの年齢が低いユーザーには、初期設定で アップデートしたコンテンツ成熟度設定 が適用され、この設定は紐づけ済みの保護者権限つきのアカウントからしか変更できない。

初期設定では、9歳未満のユーザーは、分類表示が「極少」または「軽度」のゲームまたはバーチャル空間のみにアクセスできる。13歳未満のユーザーは、分類表示が「極少」、「軽度」、または「中程度」のバーチャル空間のみにアクセスできる。保護者権限を持つアカウントでは、子供に最も適していると思われるコンテンツ分類表示を選択することができる。

今後数カ月の間に、ロブロックスは13歳未満のユーザーが、コンテンツ分類表示が割り当てられていないバーチャル空間を検索、発見、プレイできないようにする新たな制限も導入する予定。

「R指定」ラベルのコンテンツは、ユーザーが少なくとも17歳に達し、自撮り写真と有効な政府発行の本人確認書類の写真をアップロードして 年齢認証 をしない限りブロックしたままになる。

年齢制限つきバーチャル空間: 先週、ロブロックスは、特定のバーチャル空間でよく見られるユーザーの言動の種類に基づいて、13歳未満のユーザーによるアクセスを制限することを発表した。この新しい制限には、主に友達リストに入っていないユーザーとの交流を目的としたバーチャル空間や、黒板やホワイトボードなど、自由に書き込みや絵を描くことができるバーチャル空間に適用される。

年齢に応じた設定: ロブロックスは、子供の成長に応じて利用方法を変えることができるため、子供のアカウント事前設定は、年齢が上がって該当する年齢グループが変わるごとに自動的に更新される。ロブロックスは、子供の年齢に基づく設定の今後の変更について、変更が有効になる30日前に子供と、紐づけ済みの保護者のアカウントに通知する。