クシム<2345>は、この日(11月25日)、同社取締役CTOの田原 弘貴氏に対する辞任勧告を行うとともに、取締役監査等委員と外部弁護士を中心とした社内調査委員会を正式に発足したと発表した。特定の株主に対して重要事実の漏洩を行った疑いがあるとし、全取締役の一致で辞任勧告を取締役会で決議したという。正式な調査報告書については、あらためて開示する、としている。
発表によると、24年11月上旬、田原氏より、代表取締役の中川 博貴氏に同社に関心のある株主を紹介したい旨の打診があり、意見交換会を実施したところ、田原氏から取締役会の承諾なく、株主を前にして同社に関する未公表の会社情報への言及があったという。また、その株主より意見交換会前から田原氏より同社の重要事実が情報共有されていることを示唆する発言もあったという。
これを受け、同社は重要事実の継続的な漏洩や不適切行為の可能性に対する重大な懸念があると判断し、田原氏の情報漏洩、不適切行為への関与の有無の確認を目的として、2024年11月下旬に同社とは利害関係のない外部弁護士による田原氏に対するヒアリング等の事前調査を行ったところ、田原氏が情報漏洩を継続的に行った可能性が非常に高いと判断したとのこと。
詳細な調査については、取締役監査等委員と外部弁護士を中心とした社内調査委員会で行うものの、会社法に定める取締役としての善管注意義務と忠実義務に違反し、取締役規程にも違反する重大な背任行為になるという。そこで田原氏に取締役の職務を継続させることは適切ではないと判断し、今回の取締役決議に至ったとのこと。
