デジタルハーツHD、子会社アイデンティティーがMBOで独立 アイデンティティー代表取締役の今野力氏運営のユニバーサルに20億円で全株式を譲渡
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デジタルハーツホールディングス<3676>は、12月11日、連結子会社アイデンティティーの全株式をシステム開発、Web サイトの企画・開発・保守・運営を手掛けるユニバーサルに12月25日付で譲渡することを発表した。株式譲渡価額は20億円。
なお、ユニバーサルは、アイデンティティーの代表取締役である今野力氏が代表取締役を務める2024年11月21日設立の新会社となる。
アイデンティティーは、ハイスキルフリーランスエンジニアとプロジェクトのマッチングを行うエンジニア派遣事業を主に展開している。デジタルハーツHDは、テスト事業拡大の一環として、豊富なフリーランスエンジニア人材プールを獲得することを目的に、2021年6月に同社の株式を取得し連結子会社化した。
アイデンティティーが同社グループの傘下に入って以降、エンタープライズシステムのテスト・受託開発やゲームソフトのグラフィック制作などにおいてグループ連携を図るとともに、登録フリーランスエンジニア数を確実に増加することで、同社グループのみならず、ID アイデンティティー自身の成長を実現してきた。
このような状況のもと同社では、2023年5月にテスト事業の主要子会社AGESTの株式分配型スピンオフ及び上場の準備を開始した。このスピンオフ上場により、AGESTおよびその関連事業は、エンタープライズ分野における先端品質技術を用いたテスト(QA)領域やサイバーセキュリティ領域に特化し、一方で上場を継続する同社グループは、ゲーム・エンターテインメント業界におけるグローバル・クオリティ・パートナーとしてデバッグや翻訳・LQAなどのサービスに特化することで、両事業それぞれの成長を加速することを目指している。
このようにそれぞれの専門性に特化した経営戦略をより明確にする過程において、グループ各社の事業連携やシナジー創出に向けた取り組みを見直した結果、アイデンティティーについては同社グループから独立し、機動的な事業運営を行う方が企業価値を最大化できる
と判断した。これを受け、アイデンティティーの創業者かつ現代表取締役である今野氏と協議した結果、今野氏がMBOをすることで合意し、今回アイデンティティーの株式を同氏が運営するユニバーサルに譲渡することを決定した。
なお、今後デジタルハーツHDとアイデンティティーは業務提携契約を締結する予定であり、株式譲渡後も両企業の成長に向けた連携を図っていくとしている。
この株式譲渡により、アイデンティティーはデジタルハーツHDの連結対象から除外となる。
会社情報
- 会社名
- 株式会社デジタルハーツホールディングス
- 設立
- 2013年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 宮澤 栄一/代表取締役社長CEO 筑紫 敏矢
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高365億1700万円、営業利益30億円、経常利益31億5200万円、最終利益7億9900万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3676