コナミG、第3四半期決算は売上高、事業利益、最終利益が過去最高…「eFootball」や「SILENT HILL 2」などゲーム事業けん引、AM事業も押し上げ
コナミグループ<9766>は、1月31日、2025年3月期 第3四半期累計の連結決算(IFRS)を発表し、売上高3108億2900万円(前年同期比22.8%増)、事業利益871億4300万円(同38.7%増)、営業利益867億円(同45.5%増)、最終利益631億1000万円(同41.8%増)だった。
同社では、主にデジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツが引き続き好調に推移し全体の伸びをけん引した。メダルゲームやプライズゲーム、遊技機を展開するアミューズメント事業も2ケタ増益を達成して収益を押し上げた。第3四半期会計期間、累計期間双方で売上高、事業利益、営業利益、最終利益が過去最高を更新した、としている。
■デジタルエンタテインメント事業
売上高は2288億8200万円(前年同期比32.0%増)となり、事業利益は808億1700万円(前年同期比44.6%増)となった。
家庭用ゲームにおいては、世界中で人気を博したサイコロジカルホラーゲーム「SILENT HILL 2」のリメイク版を発売した。世界累計出荷本数が100万本を突破し、引き続き出荷本数を伸ばしている(1月時点では200万本を突破)。最先端の技術によりグラフィックスとサウンドを進化させたことで没入感のあるプレーを体験できる。
大谷翔平選手がKONAMI野球アンバサダーを務める野球ゲームでは、「プロ野球スピリッツ」シリーズの20周年記念作品「プロ野球スピリッツ2024-2025」を発売した。さらに、メジャーリーグ(MLB)全30球団とそのホーム球場、大谷翔平選手をはじめとした実在選手たちをリアルなグラフィックスで搭載した「eBaseball: MLB PRO SPIRIT(イーベースボール エムエルビー プロ スピリット)」を日本・アメリカを含む10の国と地域で配信開始した。いつでもどこでもMLBの世界を体感できる全く新しいモバイルゲーム。
継続した取り組みとしては、家庭用・PC・モバイルで配信中の「eFootball」が世界累計8億ダウンロードを突破し、引き続き好調な推移となっている。リオネル メッシ選手、ネイマール選手に加えて、ルイス スアレス選手が新たに「eFootball」アンバサダーに就任し、かつてFC バルセロナの黄金時代を築いた3選手がゲーム内で再集結した。
モバイルゲームでは、「プロ野球スピリッツA(エース)」、「実況パワフルプロ野球」がそれぞれ配信開始9周年、10周年を迎え、記念したイベントやキャンペーンなどを実施した。また、遊戯王カードゲームでは引き続き25周年記念プロジェクトを展開し、多くのユーザーに好評を得ている。
eスポーツにおいては、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)公式野球ゲーム「WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球」を競技タイトルとする「WBSC eプレミア12 2024」の決勝戦が東京ドームで行われた。
また、「eFootball」を競技タイトルとした国際サッカー連盟(FIFA)主催のeスポーツ世界大会「FIFAe World Cup 2024」がサウジアラビアで開催した。1400万人以上のプレーヤーが参加したオンライン予選を勝ち抜いた各国の代表選手が、初代チャンピオンの座をかけて白熱した戦いを繰り広げた。さらに、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA」で行われた「eFootball」部門の決勝戦や、モバイルゲーム「プロ野球スピリッツA(エース)」を競技タイトルとした「プロスピA プロリーグ」のe日本シリーズを開催した。
■アミューズメント事業
売上高は169億1200万円(前年同期比3.6%増)となり、事業利益は25億8200万円(前年同期比16.2%増)となった。
メダルゲームにおいては、「桃太郎電鉄 ~メダルゲームも定番!~」、「パワフルプロ野球 開幕メダルシリーズ!」が引き続き販売台数を伸ばしている。アミューズメント施設向けビデオゲームでは、「モンスター烈伝 オレカバトル2」を市場に投入した。ゲーム内で作成した自分だけのオリジナルカード「オレカ」を使い、個性豊かなモンスターを収集し育成を楽しめる「モンスター烈伝 オレカバトル」の最新作。
さらに、「beatmania IIDX」シリーズの最新作「beatmania IIDX 32 Pinky Crush(ビートマニア ツーディーエックス サンジュウニ ピンキー クラッシュ)」が稼働を開始した。音楽が持つ「はじけるような明るさ」をイメージしたテーマへ刷新し、新たなビジュアルと個性豊かなキャラクターにより、ゲームの世界へ引き込まれる演出が展開される。
また、幅広い世代に愛される「Minecraft」の世界観を再現した「MINECRAFT DUNGEONS ARCADE(マインクラフト ダンジョンズ アーケード)」の販売を開始した。
プライズゲームにおいては、アニメ「遊☆戯☆王」シリーズや「メタルギア」シリーズなどの多彩なグッズをアミューズメント景品として新たに投入した。オンラインくじ「コナミ プレミアムくじ ONLINE」では、ここでしか手に入らない「ボンバーガール」や「クイズマジックアカデミー」などのプレミアムなグッズを展開し、好評を得ている。
ぱちんこ・パチスロにおいては、人気漫画「今日から俺は!!」を題材にした「今日から俺は!! パチスロ編」を市場に投入した。また、家庭用ゲームとして累計販売本数400万本を突破した国民的すごろくゲーム「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」をスマスロで再現した「桃太郎電鉄 ~パチスロも定番!~」が稼働を開始した。
e スポーツでは、「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 4-」において、「beatmania IIDX」、「DanceDanceRevolution」のファイナルが行われ、それぞれの試合後には「BEMANI」シリーズでおなじみの豪華アーティストによるDJライブを開催した。「esports×音楽」の新感覚エンタテインメントをお楽しみし、大いに盛り上がった。
■ゲーミング&システム事業
売上高は304億4400万円(前年同期比2.8%増)となり、事業利益は47億2300万円(前年同期比3.2%減)となった。
49インチ高解像度ディスプレイを搭載した「DIMENSION49(ディメンション フォーティーナイン)」や、27インチモニターを3台組み合わせた「DIMENSION 27(ディメンション トゥエンティーセブン)」が当事業のスロットマシン販売をけん引した。大型ディスプレイを組み合わせた「DIMENSION 43x3(ディメンション フォーティースリーバイスリー)」も着実に販売台数を伸ばしている。パーティシペーション(レベニューシェア)向け筐体では、湾曲した49インチディスプレイが特徴の「DIMENSION 49J(ディメンション フォーティーナイン ジェー)」等の設置台数が拡大している。
ゲーミングコンテンツでは、北米市場において人気タイトル「Lucky Honeycomb(ラッキー ハニーコーム)」や今期市場に投入した「Charms Full Link(チャームズ フル リンク)」シリーズが販売に貢献した。また、10月に米国ラスベガスで開催した業界最大のイベント「Global Gaming Expo」で話題となった「Bingo Frenzy Stampede(ビンゴ フレンジー スタンピード)」シリーズが高稼働を記録している。豪州市場においては、新たなボーナス機能を搭載した新シリーズ「Fortune Hearts(フォーチュン ハーツ)」が市場で人気を博し、販売数を伸ばしている。
カジノマネジメントシステムにおいては、米国ニュージャージー州の「Ocean Casino Resort」、オハイオ州の「JACK Cleveland Casino」及び「JACK Thistledown Racino」等の大型カジノ施設に「SYNKROS(シンクロス)」が導入され、その後も導入施設数が拡大している。稼働率99.9%という高い信頼性がオペレーターより評価されている。
なお、前第3四半期累計においてはアジア市場でのコロナ禍後の回復による売上拡大があったが、第3四半期累計においては需要が正常化した。
■スポーツ事業
売上高は364億1500万円(前年同期比2.4%増)となり、事業利益は18億7700万円(前年同期比9.7%減)となった。
スポーツクラブ運営においてはスタジオプログラムの大規模イベント「UNITED FEEL 2024」を引き続き全国各地のコナミスポーツクラブで開催している。人気インストラクターが登場し、より多くに楽しめるプログラムとなっている。
こども向け運動スクール「運動塾」においては、子供の心と体の成長をサポートするため、スイミング、体操、ダンス、サッカー、テニス、ゴルフなど様々な種目を展開している。定期的なレッスンに加え、「運動塾」に通う子供が日頃の練習の成果を発揮する場として大会やイベントを企画し、好評を得ている。大人向けスクールにおいてもユーザーの技術の向上をサポートする取り組みを実施している。テニススクールでは、日本国内では数少ない「S級エリートコーチ」の資格を持つプロ選手によるレッスンイベントを開催した。
天井にミラーを設置したマシンピラティススタジオ「Pilates Mirror(ピラティスミラー)」においては、東京都、神奈川県に25店舗を新たにオープンしたほか、関西初出店となる「Pilates Mirror 高槻」を大阪府高槻市にオープンし、合計49店舗となった。引き続き入会待ちとなる施設があるなど、多くのユーザーから好評の声を得ている。また、短時間で効率の良いトレーニングを行う30分集中のパーソナルジム「Personal 30(パーソナルサンジュウ)」の1号店を東京都の経堂にオープンした。
資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進している。新たに東京都町田市、神奈川県相模原市、石川県かほく市、大阪府大阪市のスポーツ施設の運営受託を開始している。
学校水泳授業の受託では学校側のニーズがより高まっており、日本全国の小中学校で対象校を拡大している。
コナミスポーツが日本総代理店として全国展開している世界最大級のダンスフィットネスプログラム「ジャザサイズ」においては、国内活動40周年を記念した大規模イベント「40th celebration Dance Party」を開催した。「ジャザサイズ」の創始者をはじめとしたスペシャルゲストをアメリカから迎え、大きな盛り上がりを見せた。
なお、昨今の諸物価の高騰やエネルギーコストの高止まりによる影響を受けていたが、2024年8月より会費改定を実施した。
■2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高4120億円(前期比14.3%増)、事業利益1080億円(同22.4%増)、営業利益1000億円(同24.6%増)、最終利益700億円(同18.3%増)、EPS516.39円を見込む。株価収益率は27.7倍となる。
・売上高:4120億円(同14.3%増)
・事業利益:1080億円(同22.4%増)
・営業利益:1000億円(同24.6%増)
・最終利益:700億円(同18.3%増)
・EPS:516.39円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:75.4%
・事業利益:80.7%
・営業利益:86.7%
・最終利益:90.2%
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766