円谷フィールズ、第3四半期決算は売上高20%減の977億円、営業利益23%減の93億円…下半期に重点的に販売する計画で
円谷フィールズホールディングス<2767>は、2月7日、2025年3月期 第3四半期累計の連結決算を発表し、売上高977億6400万円(前年同期比20.6%減)、営業利益93億9000万円(同23.8%減)、経常利益107億5900万円(同20.0%減)、最終利益64億2400万円(同32.6%減)だった。
・売上高:977億6400万円(同20.6%減)
・営業利益:93億9000万円(同23.8%減)
・経常利益:107億5900万円(同20.0%減)
・最終利益:64億2400万円(同32.6%減)
主力のパチンコ・パチスロ遊技機で下半期に重点的に販売する計画ということもあり、減収減益となった。同社によると、全国のパーラーでは、上半期は新紙幣発行対応の設備投資に重点を置き、新台購入投資を抑制する傾向が見られたという。
■コンテンツ&デジタル事業セグメント
売上高128億7100万円(前年同期比12.2%増)、営業利益は27億9400万円(同6.9%減)となった。
第3四半期累計においては、Netflix映画『ウルトラマン: ライジング』とTVシリーズ最新作『ウルトラマン アーク』2作品をグローバルで配信・放送し、IPの認知拡大と好感度向上に大きく貢献した。12月には『ウルトラマン: ライジング』が米国で「アニメーションのアカデミー賞」と称される第52回アニー賞の4部門にノミネートされる等、注目度が高まっている。
これら映像展開を通じたファン層の拡大を追い風に、日本・中国はもとよりアジア・北米での市場開拓を進めた結果、第3四半期累計のMD/ライセンス収入は67億1800万円(前年同期比32.0%増)となった。中でも中国において『トイ&ホビー』及び『ライフスタイル』カテゴリーの収入が伸長した。ブロック玩具や文具といった特に人気の高い商品に加えライセンシー企業数や商品アイテム数が着実に増加していることが両カテゴリーの伸長に繋がっている。
商品カテゴリー別の概況は以下の通り。
① トイ&ホビー:ブロック玩具のライセンス収入が引き続き伸長したほか、低価格帯玩具のライセンシーの幅が拡がり、前年同期比50.6%増の26億7900万円となった。
② ライフスタイル:引き続き文具、アパレル、日用生活雑貨において着実な増収を実現し、前年同期比33.2%増の13億9200万円となった。
③ FMCG※:食品分野で乳製品等の新たなライセンシーの増加に伴い業績は堅調に推移しており、前年同期比9.3%増の2億5200万円となった。※FMCG:日用消費財(食品、飲料等)
④ カードゲーム:『ウルトラマン カードゲーム』をグローバルに展開したほか、中国においては従来の蒐集型カードゲームの人気も根強く、前年同期比48.0%増の13億0600万円となった。
⑤ その他:ゲームや企業広告の収入が拡大した一方、前期は『シン・ウルトラマン』、グリッドマンシリーズによるライセンス収入の計上があったことから、前年同期比5.5%減の10億8700万円となった。
映像・イベント事業では、ファン向け大型イベント『ツブラヤコンベンション』の隔年開催の影響により、第3四半期累計の収入は21億7900万円(前年同期比13.0%減)となった。映像事業では、新規映像2作品の放送・配信に加えて、テレビ・映画等の過去作品の配信・番組販売、オウンドメディア展開等に注力した。
ライブ・イベント事業では、『ウルトラヒーローズEXPO(夏・冬)』において新たに大阪会場を追加して開催したほか、『ウルトラマンゼロ15周年イベント』を国内外で実施するなど企画展示等に積極的に取り組んだ。
デジタル・フロンティアは、最先端テクノロジーを活かした映像制作を武器にNetflix作品『シティーハンター』等におけるVFX制作の他、大型アニメ映画やゲームソフト用オープニングムービー制作の受託開発が順調に推移している。
以上の通りコンテンツ&デジタル事業では増収を実現しつつ5カ年中期計画実現に向けた基盤構築と投資に積極的に取り組んだ。
■PS事業セグメント
売上高841億1100万円(前年同期比24.2%減)、営業利益85億7000万円(同21.9%減)となった。
全国のパーラーでは、上半期は新紙幣発行対応の設備投資に重点が置かれたため新台購入投資を抑制した。フィールズではこれを踏まえ、上半期を商品のブラッシュアップ時期と位置付け、下半期の商品販売に向けた準備を着実に進めてきた。その結果、第3四半期(10月-12月)には、パチンコ3機種、パチスロ3機種の6機種を揃え、計8.3万台を予定通り販売した。
周辺設備機器および設置工事分野で高いシェアを有するエース電研では、旺盛な需要に積極的に対応するとともに、当期より同社グループ入りしたことによるパーラーからの信頼感向上も相俟って業績が好調に推移した。さらに、フィールズとの営業拠点の統合を進める等グループシナジー発現と効率化に向けた具体的施策に取り組んでいる。
■2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高1550億円(前期比9.2%増)、営業利益152億円(同28.5%増)、経常利益161億円(同24.3%増)、最終利益116億円(同0.4%増)、EPS177.29円を見込む。株価収益率は10.9倍となる。
・売上高:1550億円(同9.2%増)
・営業利益:152億円(同28.5%増)
・経常利益:161億円(同24.3%増)
・最終利益:116億円(同0.4%増)
・EPS:177.29円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:63.1%
・営業利益:61.8%
・経常利益:66.8%
・最終利益:55.4%
会社情報
- 会社名
- 円谷フィールズホールディングス株式会社
- 設立
- 1988年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 グループ最高経営責任者 山本 英俊
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1419億2300万円、営業利益118億2700万円、経常利益129億4700万円、最終利益115億5100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2767