ユニバーサルエンターテインメント、経常損失55億円と赤字転落 遊技機の新製品が型式試験適合率の低迷で期ズレ IR事業もVIP落ち込み

ユニバーサルエンターテインメント<6425>は、2月13日、2024年12月期の連結決算を発表し、売上高1263億2800万円(前の期比29.4%減)、営業利益30億2400万円(同90.1%減)、経常損失55億9900万円(前の期は380億8000万円の利益計上)、最終損失155億6900万円(同284億3900万円の利益計上)だった。

・売上高:1263億2800万円(同29.4%減)
・営業利益:30億2400万円(同90.1%減)
・経常損失:55億9900万円(同380億8000万円の利益計上)
・最終損失:155億6900万円(同284億3900万円の利益計上)

売上については、同社グループ製品の型式試験適合率の低迷により、新機種販売に期ずれが生じたため、下期において4万9106台の販売に留まり、前期のパチスロ・パチンコ機総販売台数は9万2150台となった。統合型リゾート(IR)事業において、フィリピンのカジノマーケット全体でVIP客数の落ち込みが続いたことも響いた。

費用面では、オカダ・マニラにおける人件費の増加もあり、営業利益は30億2400万円(前期比90.1%減)となった。加えて、前年同期同様、円安ドル高の進行による為替差益の計上があった一方、前年同期にあった賃貸借契約解約益・リース解約益といった多額の営業外収益はなかったため、経常利益と最終利益は赤字となった。

①遊技機事業
前期における遊技機事業の売上高は435億0400万円(前期比46.3%減)、営業利益は73億1200万円(前期比69.6%減)となった。

遊技機業界では、スマートパチスロが継続的に市場に導入され、パチンコホールの期待に応える好調な稼働を維持しており、パチスロ機の市場環境は良好。パチンコ市場にはゲーム性の幅が広がったラッキートリガー搭載機やスマートパチンコが普及し始め、一定の評価を得るヒット機種も出てきており、市場環境の活性化に期待が持てる状況となった。

同社は、パチンコホールから高評価されている沖ドキ!シリーズから、『沖ドキ!BLACK』、新規則6.6号機に対応した『沖ドキ!ゴージャス』、カプコンとの業務提携による遊技機『スマスロ 鬼武者3』、パチンコ機においては、『Pメイドインアビス 虹の黄金域』、ラッキートリガー搭載機『Pドラムだ!金ドン花火外伝』等の販売を行った。

②統合型リゾート(IR)事業
前期における統合型リゾート(IR)事業の売上高(1)は819億8100万円(前期比15.4%減)、営業利益は28億7100万円(前期比80.0%減)となった。また、調整後EBITDA(2)は195億6000万円(前期比34.8%減)となった。

同社グループが運営する統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」では、年間を通じて前年を下回る業績となった。ゲーミング事業においては、施設への来訪者は前年に比べて増加したが、フィリピンのカジノマーケット全体がジャンケット(3)ビジネスの停滞に直面する中で、オカダ・マニラにおいても年間を通じてVIP客数の落ち込みが続いた。マスマーケット、ゲーミングマシンの売上高については、コロナ禍前のピークであった2019年と比べて着実に伸びてはいるものの、コロナ禍後の反動需要があった前年を下回った。ホテル・飲食事業においては、顧客数、売上高ともに堅調に推移している。

 

■2025年12月期の業績見通し

2025年12月期の業績は、売上高1500億円(前期比18.7%増)、営業利益160億円(同429.1%増)、経常利益10億円(前期は55億9900万円の損失計上)、最終利益8億円(同155億6900万円の損失計上)、EPS10.32円を見込む。株価収益率は115.5倍となる。

・売上高:1500億円(同18.7%増)
・営業利益:160億円(同429.1%増)
・経常利益:10億円(同55億9900万円の損失計上)
・最終利益:8億円(同155億6900万円の損失計上)
・EPS:10.32円