コロプラ、第1四半期は既存ゲーム逓減や新作広告費で営業損失に 「Brilliantcrypto」収益改善、タイミー株の一部売却益は次四半期に計上

コロプラ<3668>は、第1四半期の決算説明会を開催し、既存ゲームタイトルの売上逓減に加えて、新作などの広告宣伝費などが発生し、営業損失となったと説明した。こうしたなか、ブロックチェーンゲーム「Brilliantcrypto」は、売上が伸びたことやコスト効率化などが寄与し、営業損失が大きく縮小したことも明かした。今後、事業拡大を行い、収益貢献を目指していく。また出資したタイミー株については、一部EXITを実施しており、第2四半期の業績に寄与する見込み。

・売上高:53億1400万円(前年同期比5.6%減)
・営業損失:7億3000万円(前年同期は3億2400万円の損失計上)
・経常利益:5600万円(同3億7100万円の損失計上)
・最終利益:4400万円(同4億5400万円の損失計上)

 

■第1四半期の決算説明

代表取締役社長の宮本でございます。株式会社コロプラの2025年9月期第1四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

こちらが全体のハイライトとなっております。当第1四半期の業績については、営業利益はマイナスとなりましたが、経常利益はプラスで着地いたしました。なお、第2四半期以降は、新作タイトルのリリースと投資育成事業のEXITが業績に寄与する見込みとなっております。決算概要や各事業の詳細は順を追ってご説明させていただきます。 

 

【決算概要】
まず、決算概要についてご説明いたします。こちらが四半期業績推移でございます。当第1四半期の連結売上高は53億円、営業利益はマイナス7億円となりました。

 

次に、セグメント別業績でございます。エンターテインメント事業は、売上高52億円、営業利益はマイナス6億円となりました。売上高は、前期にリリースしたタイトルが寄与したものの、既存タイトルの逓減により前年同四半期と比較し減収となりました。営業利益については、新作タイトルなどの広告宣伝費の増加により減益となりました。

投資育成事業は、売上高0.7億円、営業利益はマイナス0.8億円となり、前年同期並みの業績となりました。

 

連結損益計算書はご覧のようになっております。経常利益は為替差益などを計上し0.5億円、当期純利益は0.4億円と、プラスで着地いたしました。

 

次に、連結貸借対照表です。配当金の支払いにより、現金及び預金が前期末から減少いたしましたが、自己資本比率は90.5%と、引き続き盤石な財務基盤を維持しております。決算概要に関するご説明は以上となります。

 

【エンタメ事業】
続きまして、エンターテインメント事業についてご説明いたします。エンターテインメント事業における四半期売上推移でございます。当第1四半期の売上高は52億円となりました。前期にリリースした「フェスティバトル」や「Brilliantcrypto」が寄与したものの、既存タイトルの逓減により前年同四半期と比較して減収となりました。

 

エンターテインメント事業の主なトピックスについて順にご説明いたします。まず「白猫プロジェクト」についてご説明いたします。メインストーリーの新章をスタートしたほか、新たなコンテンツを追加いたしました。ユーザーコミュニケーションをより重視し、これまで以上にゲームを楽しんでいただけるような運営に注力いたします。

 

次に「ドラゴンクエストウォーク」についてです。昨年9月から開催していた5周年イベントが引き続き業績に貢献いたしました。新機能として、ウォーキングアプリと親和性のある、健康を意識した睡眠機能を追加いたしました。また、カジュアルゲームの「なぞり ドラけし!」も追加しております。今後も遊び方の幅を広げ、ユーザー層の裾野拡大を図ってまいります。

 

その他タイトルでは、それぞれのユーザー層に合わせたコラボを実施いたしました。「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」では、著名クリエイターとのコラボイベントの続編を、「フェスティバトル」では、バーチャル・シンガー「初音ミク」とのコラボイベントを開催いたしました。「初音ミク」とのコラボ内で行ったスペシャルライブの配信は、多くのユーザーさまに同時視聴いただき、大きく盛り上がりました。

 

次に、ブロックチェーンゲーム「Brilliantcrypto」についてご説明いたします。当第1四半期は、ユーザー数が順調に推移いたしました。業績については、売上高は1.7億円、営業利益はマイナス2億円と、コスト効率化により、営業損失幅が縮小いたしました。引き続き、事業拡大と収益性向上を図り、今期中の業績貢献を目指してまいります。

 

続いて、「Brilliantcrypto」におけるデジタル宝石の取引状況についてです。12月末時点のデジタル宝石の累計取引件数は、30万件を突破いたしました。グローバルマーケティングによる成果に加え、Phase2に掲げる「ジュエリー工房」機能の情報公開により、取引がさらに活性化いたしました。

 

エンターテインメント事業の最後のトピックスは、グループ会社の360 Channelを通じて取り組んでいる「XR」でございます。当第1四半期では、株式会社NTTコノキューが発売するXRグラス「MiRZA®」のソリューションパートナーとして提携いたしました。今後も、最新デバイスやXR技術に対応しつつ、シナジーのある新規事業の立ち上げも推進してまいります。

エンターテインメント事業については以上となります。

 

【投資育成事業】
次に、投資育成事業についてご説明いたします。こちらが投資育成事業における四半期売上推移でございます。当第1四半期の売上高は0.7億円と、前年同期並みの業績となりました。

 

次に営業投資有価証券の残高でございます。当第1四半期末の営業投資有価証券残高は109億円となりました。新規投資の増加や為替の影響により、前四半期末と比較して増加いたしました。投資育成事業については以上となります。

 

【エンタメ事業の今後の見通し】
続きまして、足元の状況・今後の見通しについてご説明いたします。当社のエンターテインメント事業における2025年9月期の方針はご覧の通りでございます。各ビジネスの詳細について、ご説明いたします。

 

まず、昨年8月にリリースした「フェスティバトル」についてです。以前より多くのご要望をいただいていた、Steamへの対応が決定いたしました。リリースは、春頃を予定しております。足元では「フェスバ+(フェスバプラス)」としてリニューアルもしており、「誰もが必ず楽しめる場所があるゲーム」を目指した運営に、より一層努めてまいります。

 

次に、新作タイトルについてです。1月27日に新作「異世界∞異世界」をリリースいたしました。本作は、異世界ジャンルをはじめとする人気アニメ作品が次々と登場するゲームです。好きなキャラクターを集めたり、眺めたり、ファン同士でつながったりと、様々な楽しみ方で遊べる、未知のUXを実現しております。マルチプラットフォームに対応しており、2月にはSteamでもリリースいたします(編集部注:すでにリリース)。事前登録数は約2週間で30万人を超え、足元の初動も順調に推移しております。引き続き、多くのユーザさまに楽しんでいただけるよう、今後の運営に注力してまいります。

 

続いて、各ゲームのパイプラインについてです。「異世界∞異世界」のリリースにより、スマートフォンゲームのパイプラインは3本となりました。今期2本目の新作となる「project MASK」は、リリースに向け鋭意開発中です。

 

コンシューマーゲームのパイプラインは8本となっております。そのうち2タイトルのリリース情報を発表いたしました。引き続き、グループ会社のMAGESの強みである、アドベンチャーゲームの開発に注力してまいります。

 

次に、ブロックチェーンゲーム「Brilliantcrypto」についてです。海外取引所の「Nami Exchange」とトークン上場に向けたパートナーシップを締結いたしました。「Nami Exchange」はベトナムで160万人以上の登録者を持つ取引所です。日本に次ぐユーザー数を誇るベトナムでの上場により、更なる事業拡大へ繋げてまいります。

 

続いて、デジタル宝石に関する取り組みについてご説明いたします。世界的なジュエリーデザイナー10名がデザインしたNFTジュエリーを、全世界へ発売いたします。それを記念し、ヨーロッパ最大級のWeb3イベント「NFTパリ」にて展覧会を実施いたします。Phase2で掲げる「デジタル宝石の付加価値向上」に対する取り組みが着実に進展しております。今後も、デジタル宝石の価値最大化を目指した取り組みを進めてまいります。

 

次に、ブロックチェーンゲーム業界に関する取り組みについてです。日本暗号資産ビジネス協会が設立する「ブロックチェーンゲーム部会」への参画と、当社取締役 原井の幹事就任を発表いたしました。当部会は、ブロックチェーンゲームという新しいエンターテインメントを適切かつ健全に広めていくために発足されました。各社がこれまで蓄積してきた経験や知識を共有し学び合うことで、業界の認知向上と「Brilliantcrypto」の展開加速を目指します。

 

今後の「Brilliantcrypto」のロードマップはご覧の通りとなっております。足元ではベトナムのトークン上場と、「ジュエリー工房」機能のリリースに向けた準備を進めております。

 

こちらは「Brilliantcrypto」が掲げる中長期的な方針です。現在、Phase2の取り組みへ移行しており、将来的に目指す「メタバース経済圏の確立」に向け、進捗しております。

 

次に、当社の「AI」に関する取り組みについてご説明いたします。生成AI技術を提供するStability AI社とパートナーシップを締結いたしました。これまでも当社では、“新しい体験”の創出に向け、最新のテクノロジーであるAI技術にいち早く着目し、積極的に向き合ってまいりました。今回のパートナーシップ締結と、併せて策定した社内向けガイドラインにより、AIの適切な活用を図り、生産性および創造性の向上を目指してまいります。

 

以上がエンターテインメント事業の足元の状況と今後の見通しです。前期に発表した中期経営方針については、現在、各戦略を推進する取り組みが始動しております。

 

こちらはゲームコンテンツ戦略を整理した図です。今後は、主に右下の領域にリソースの集中を図ることで、世界的なヒットタイトルを創出し、モバイルゲーム市場での存在感を高めていきます。まずは新プロジェクトの立ち上げによる、早期パイプライン化を目指してまいります。

 

【投資事業の今後の見通し】
続いて、投資育成事業についてご説明いたします。足元では、追加投資とEXITを実施いたしました。タイミー社株については、一部EXITを実施しており、第2四半期の業績に寄与する見込みとなります。今後も市場の動向を見極めながら投資ポートフォリオの拡充を図り、グループ全体への業績貢献を目指してまいります。

 

【統合報告書を公開】
最後に、その他の取り組みについてご説明いたします。昨年末に、2024年度の統合報告書を公開いたしました。今回の統合報告書は、中期経営方針策定の裏側や戦略のポイントのほか、社外取締役との人的資本に焦点を当てた対談などを掲載しております。資料内のリンクより、ご一読いただけますと幸いです。

 

2025年9月期第1四半期の決算に関するご説明は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

 

■質疑応答

Q:第 1 四半期の業績に対する評価をお聞きしたい。
A:例年第 1 四半期は、第 4 四半期に集中している周年イベントの反動減の影響を受ける時期となっている。営業利益は、既存タイトルの逓減と新作タイトルの広告宣伝費の増加により減益となったが、想定の範囲内で推移しており、通期では黒字着地を目指している。

Q:新作タイトル「異世界∞異世界」について、第 2 四半期業績への影響をお聞きしたい。
A:リリースから 1 週間程度となっているが、現時点でユーザーさまからの反応は概ね良好である。当タイトルは約 2 週間ごとに新しい IP が登場するため、その都度ユーザーの流入が期待できると見ている。いずれにしてもリリースから日が浅く、今後の動向については引き続き注視をしていく。

Q:中期経営方針でグローバルヒットタイトルの創出に言及しているが、プロジェクトの進捗についてお聞きしたい。
A:具体的なスケジュールについてお伝えできる段階にはないが、現在は早期のパイプライン化に向けて準備を進めている。コロプラならではの技術力と、グローバルに強い IP を組み合わせることで、世界的なヒットタイトルの創出を目指していく。

Q:株式会社 Brilliantcrypto の赤字幅が縮小しているが、第 2 四半期以降の見通しについてお聞きしたい。
A:2025 年 9 月期は通期での売上寄与が見込まれるほか、Phase2 への移行が進むなかで、これまでとは異なるマーケティング活動を検討しており、費用負担は期中に圧縮される想定でいる。コスト効率化に加え、更なる事業拡大を推し進めることで、黒字化を目指していく。

Q:タイミー社株の EXIT は既に実行されたのか、また業績への影響をお聞きしたい。
A: 当期初時点で保有していたタイミー社株のうち、一部をすでに売却している。現時点での業績への影響については非開示だが、第 2 四半期の決算発表時には詳細をお伝えできる予定である。投資育成事業はセグメントとして認識しており、売上および営業利益に影響する見込みである。なお、2024 年 9 月期第 4四半期中に保有株式の半分を売却しており、連結営業利益への影響額は約 9.3 億円となっている。

株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高259億7500万円、営業損益12億800万円の赤字、経常損益9億4700万円の赤字、最終損益18億6600万円の赤字(2024年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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