KADOKAWA<9468>は、アニメ制作における「撮影」と「CG(Computer Graphics)」の工程に強みを持つチップチューンの株式を取得し、子会社化した。
2012年創業のチップチューンは、「撮影」と「CG」を中心に、背景美術、ペイント(彩色)などを担うアニメ制作スタジオ。アニメ制作における「撮影」とは、動画(セル)、背景、CGデータなどを合成して一つの映像にする工程のことで、エフェクトやフィルターなどを加える工程も担っている。原画や映像を制作する過程(プロダクション)の最終プロセスにあたり、作品のクオリティに直結する重要な工程。 チップチューンは業界トップクラスの撮影監督と、高い知見とスキルを獲得した優秀なスタッフが多数在籍しており、撮影におけるクオリティの高さと制作力が評価されている。
年間10作品程度に携わっており、映画『ペンギン・ハイウェイ』やTVアニメ『幼女戦記』、『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』シリーズなど当社原作のアニメ作品のほか、『ブルーロック』や『BLUE GIANT』、『青の祓魔師 島根啓明結社篇』、『転生したらスライムだった件』など数々のメジャータイトルにおいて撮影監督を担当した実績がある。
KADOKAWAグループでは、すでに6社のアニメ制作スタジオ(子会社のENGI、Studio KADAN、レイジングブル、ベルノックスフィルムズ、動画工房、関連会社のキネマシトラス)をグループ会社化している。チップチューンがグループ入りすることで、アニメ制作における撮影の内製化と安定したリソースの確保、作品の高品質化、撮影技術の継承と育成が可能となる。
■株式会社チップチューン コメント
「当社は、撮影、CGを主力として2012年に設立し、作画、背景美術、色彩設計と徐々にスタッフを増やしてまいりました。アニメ会社としては珍しくイラストレーターも在籍し、ものづくりの垣根を超え、よりよい作品作りを考えて努めています。創業者で前代表取締役でもあった故・奈良井昌幸が志した『垣根のない作品作りを一丸となってしたい』という思い。それは志半ばとなりましたが、その意思を継ぎながら、作品作りへの意欲をKADOKAWAのグループとなって叶えていきたいです」
■株式会社KADOKAWA 執行役 Chief Anime Officer(CAO)菊池剛 コメント
「業界でも有数の撮影部門を持った株式会社チップチューンを、当社のグループに迎えられたことは大変喜ばしい限りです。前代表・奈良井昌幸氏の思いを引き継ぎ、同社の発展に力を注ぐとともに、グループスタジオ6社との連携を推し進めながら、さらにハイクオリティな作品の創出を目指してまいります」
会社情報
- 会社名
- 株式会社KADOKAWA
- 設立
- 1954年4月
- 代表者
- 代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2581億900万円、営業利益184億5400万円、経常利益202億3600万円、最終利益113億8400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9468