【決算レポ】ガンホー、第4四半期は『パズドラ』好調でQonQ18%増収 外注費と広告費が圧迫し営業利益は54%減と大幅減益に

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の2024年12月期 第4四半期(24年10~12月)の連結決算は、売上高271億1600万円(前四半期比18.8%増)、営業利益16億6900万円(同53.8%減)、経常利益27億6600万円(同26.1%減)、最終利益14億7900万円(同20.8%減)と増収・大幅減益となった。
・売上高:271億1600万円(同18.8%増)
・営業利益:16億6900万円(同53.8%減)
・経常利益:27億6600万円(同26.1%減)
・最終利益:14億7900万円(同20.8%減)
■『パズドラ』好調も広告宣伝費や業務委託費が響く
同社では、「Ragnarok(ラグナロク)」シリーズを展開する韓国グラビティの売上はほぼ横ばいだったものの、ガンホー本体の展開する『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』の売上が好調に推移し、2桁の増収を達成した、としている。

『パズドラ』においては、24年11~12月にかけて「大感謝祭」を開催したほか、『呪術廻戦』(10月)、『デジモンアドベンチャー』(10月~11月)、『GA文庫』(12月~1月)など人気IPとのコラボイベントの開催、新機能の実装などが奏功した。

増収に伴って売上総利益が伸びたものの、販売管理費が収益を圧迫して、営業利益は大きく減った。同社によると、『パズドラ』など既存タイトルや、『ディズニー ピクセルRPG』や『ラグナロクX』など新規タイトルの広告宣伝費が増えたという。広告宣伝費は前四半期24億円から37億円に増えた。
また、それ以上に影響が大きかったのは、ガンホーにおいて発生した開発業務委託費の増加だったという。同社開示資料における「その他販管費」に含まれているものだろうが、前四半期は39億円だったが、この四半期では63億円と急激に伸びた。新作開発に関連したものとみられる。
また、経常利益については、前四半期に計上された為替差損2億8100万円がこの四半期では為替差益4億2800万円に転じたことや、受取利息も増加したことで、営業利益に比べて改善した。これに伴い、最終利益も20.8%の減益にとどまった。

■トピックス
トピックスとして、ゲーム開発スタジオであるエイリムを24年12月27日に完全子会社化したことを紹介した。ドット絵を基調としたゲーム「ブレイブフロンティア」シリーズが代表作品で、大手ゲーム会社との共同展開なども行っている。買収目的は開発体制の拡充となる。ドットデザインの開発に強みを持っており、今後のさらなる開発ラインナップの拡充を図っていきたいとしている。

ガンホー本体の開発パイプラインは5本になる。本数については第3四半期に発表した数字と変わりはない。グローバル展開を全体とした新規IPで、コンソールゲームやスマートフォンゲームの開発を行っているそうだ。このほか、『DEATHVERS: LET IT DIE』についてはサービス一時停止後の開発を引き続き進めている。

グラビティの展開する『Ragnarok: Rebirth』についても大きな動きがあった。24年10 月に台湾・香港・マカオでリリース、11月には韓国のゲームショウへ出展した。さらに 12 月には中国における配信許諾である『版号』を取得した。中国における配信許諾を取得することが厳しく、今後の大きな期待材料になると考えているという。

なお、『Ragnarok』に関する 2025 年の主なトピックとしては、『Ragnarok Online』が元々持つクラシカルなイメージを取り込んだタイトルである『Ragnarok M: Classic』を2月に東南アジアでリリース予定。こちらの作品は『Ragnarok M: Eternal Love』のリニューアル作品。また『Ragnarok Online』のサービスを第2四半期に中南米で開始する予定。

会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1036億円、営業利益174億9100万円、経常利益200億1300万円、最終利益111億7100万円(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765