【レポート】「AnimeJapan 2025」各メーカーの注力タイトルは?人気作品が一堂に会するブースをまとめてチェック

2025年3月22日、アニメ業界最大級の総合イベント「AnimeJapan 2025」が開幕した。東京ビッグサイトを舞台に、東展示棟1〜8ホールを使用し、例年以上の規模で開催されている。本稿では、出展各社のブースの様子や注目企画のポイントを記録としてまとめていく。

アニプレックス

アニプレックスブースは、『WIND BREAKER』『その着せ替え人形は恋をする』『薫る花は凛と咲く』『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』『卓球少女』など、今後の注目アニメやゲーム、舞台作品など多彩なラインナップを出展。展示エリアは「昼」「夜」に分類され、昼のリアでは『瑠璃の宝石』を顕微鏡から楽しめたり、『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』では帝乃のインターホンを鳴らせたりと、ひとつひとつが凝った展示。夜のエリアには『Fate/strange Fake』『黒執事 -緑の魔女編-』といった作品が並ぶ。

周辺には『FGO』『魔法少女まどか☆マギカ』『鬼滅の刃』が単独のブースを展開しており、今年のAnimeJapanでも最大の規模感だったことは間違いない。

テレビ東京

テレ東ブースはステージイベントに注力。全ステージ「あにレコTV」出張版となっており、全ステージで井上裕介さん(NON STYLE)、美山加恋さんがMCを務めた。ステージイベントでは『プリンセッション・オーケストラ』『BEYBLADE X』『SAKAMOTO DAYS』といった注目作が連日取り扱われ、会場を盛り上げていた。

TOHO animation

TOHO animation史上最大規模となったブースには、約20タイトルが集結。第1クール最終話直前でさらなる盛り上がりを見せる「薬屋のひとりごと」第2期、「Dr.STONE」第4期、4月からの放送を控える“ヒロアカ”公式スピンオフ「ヴィジランテ」などの最新作。
そして、「ハイキュー!!」、「僕のヒーローアカデミア」、「呪術廻戦」、「SPY×FAMILY」、「怪獣8号」、「葬送のフリーレン」などのシリーズ作品も。

アニメを体感できる企画として、「TOHO animationバトルシアター」というエリアも登場。珠玉のシーンを、正面と左右に設置される3面の巨大LEDビジョン、大迫力のサウンド、音に合わせて震える床の振動、臨場感を増すライティングにより、全身で没入体験できた。

DMM.com/DMM TV

DMM.com/DMM TVブースでは、「DMM TV茶屋」と名付けられた休憩スペースが今年も登場。来場者がベンチに座り、大きな桜を眺めながらリラックスできる空間が提供された。​また、推し活グッズと一緒に写真撮影を楽しむことも可能だった。 ​

さらに、4月4日から放送開始となる『炎炎ノ消防隊 参ノ章』のフォトスポットも設置され、ファンが作品の世界観を体感できる場となった。 ​
ステージイベントでは、『想星のアクエリオン Myth of Emotions』や『彼女、お借りします』などの作品に関するトークショーが実施され、前田佳織里さんや逢田梨香子さんといった声優アーティストが出演し、会場を盛り上げた。

ブシロード

ブシロードブースでは、TVアニメ『BanG Dream! Ave Mujica』を中心とした大規模な展開が行われていた。あわせて、TVアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の展示も実施され、両作の制作過程やキービジュアルを紹介するフォトスポットが設置された。

さらに、ブース内の一角では中国発のアニメ・映画作品『ヨウゼン』、『白蛇:縁起』、『フェ~レンザイ -神さまの日常-』を紹介するエリアも展開。
ゲーム関連では、『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』をはじめとする今後発売予定のゲームタイトルの試遊スペースが設けられており、注目IPのゲーム展開に関心が集まっていた。

また、隣接ブースでは『少女☆歌劇 レヴュースタァライト パチンコ&パチスロ』の試遊展示も行われており、アニメIPを活用した多角的な展開が見られる構成となっていた。

KADOKAWA

KADOKAWAブースは「カーニバル」をテーマに据え、統一感あるビジュアルと空間演出で構成されていた。巨大なアーチや装飾、メリーゴーランドによって賑やかな雰囲気が演出され、ブース全体に華やかさが漂っていた。

出展作品は、『【推しの子】』『Re:ゼロから始める異世界生活』といった既存の人気作に加え、2025年夏放送予定の『光が死んだ夏』を大々的にフィーチャー。
キャラクターとのグリーティング企画も実施されており、コスプレイヤーや着ぐるみが来場者を出迎えた。『おでかけ小ザメ』の子ザメちゃん、『盾の勇者の成り上がり』のフィーロといったキャラクターが登場し、写真撮影を楽しむ来場者の姿が多く見られた。

東映アニメーション

東映アニメーションのブースは、ステージイベントなどを控えた展示中心の構成となっていた。目を引いたのは、放送が始まったばかりの『キミとアイドルプリキュア♪』。キャラクターパネルがよく見える位置に展示され、ファンの注目を集めていた。

また、2024年に放送され高い人気を博した『ガールズバンドクライ』もフィーチャー、印象的なライブシーンのビジュアルが展示されていた。
さらに、先日発表されたばかりの新作『DIGIMON BEATBREAK』の展示も実施。詳細な情報はまだ限られているが、ティザービジュアルを中心に世界観の一端が垣間見えた。

バンダイナムコグループ

バンダイナムコグループのブースは、「バンダイナムコタウン」と題し、街中の風景を模した構成で展開されていた。敷地全体が“仮想のまち”としてデザインされ、各作品がそれぞれの「エリア」に配置される形で紹介されている。

入口では、4月からの放送が控える『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に関連し、赤いガンダム、白いガンダムなどの機体が展示されており、来場者の注目を集めていた。

内部に進むと、道路に見立てたレイアウトに沿って展示が展開。『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』『前橋ウィッチーズ』『3年Z組銀八先生』といった作品がそれぞれのスペースで紹介されていた。

集英社DeNAプロジェクツ

集英社DeNAプロジェクツのブースでは、『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』(以下、『わたなれ』)、『キミと越えて恋になる』、『ギャグマンガ日和GO』の3作品を中心に展開されていた。

なかでも『わたなれ』には特に注力している様子で、ビジュアル展示に加え、来場者が参加できる体験型コンテンツも複数用意されていた。ブース内には特設のガチャが設置されており限定ステッカーが手に入った。
また、キャラクター診断コンテンツも展開。こちらは、質問に答えて自分と同じタイプのキャラクターを見つけるというもの。

NBCユニバーサル

NBCユニバーサルのブースは、撮影エリアを主体とした構成となっていた。各タイトルごとにテーマに合わせた背景セットが用意されており、来場者が作品世界をビジュアルとして記録できる場として機能していた。

『渡くんの××が崩壊寸前』および『片田舎のおっさん、剣聖になる』では、巨大なビジュアルパネルを背景に、コンパニオンが撮影対応を行うスタイル。

『雨と君と』は、作中で印象的な存在となっている「犬」のキャラクターと一緒に撮影できるフォトスポットを設置。
また、『ぐらんぶる2』では他と趣を変え、「シャルピー衝撃試験」を模した体験型展示を実施。作中のノリを反映したユニークなアプローチで、通行中の来場者の足を止めていた。

日本テレビ・VAP、ytv animationYTE

日本テレビ・VAP、ytv animation YTEによる共同ブースは、4月から放送予定の新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』を中心に展開。ザクのスタンドをハロ型のボールで倒す「ガンダムボウリング」といった参加型のミニアトラクションも設置されていた。

ブース全体は撮影向けのコンテンツが充実しており、複数のフォトスポットが用意されていた。その中でも特に来場者の滞留が目立っていたのが、4月18日公開予定の劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』のエリア。大型ビジュアルの前には常に人だかりができており、作品の注目度とファンの熱量の高さを感じさせた。

NETFLIX

毎年AnimeJapanで存在感を示すNETFLIXは、2025年も例年通りの高いクオリティでブース展示を展開。複数タイトルごとにテーマ性の強いエリアを設け、世界観の再現と体験型要素を両立させた構成となっていた。

『SAKAMOTO DAYS』では、作中の「坂本商店」を模したセットが設置され、来場者は「シンのスピードアタックゲーム」に挑戦可能。
『BEASTARS』では、来場者が選択肢に答えていく形式のキャラクター診断コンテンツが用意され、最終的に自分に近いキャラクターが提示されるというファン向けの仕掛けが展開された。

また、『炎炎ノ消防隊』関連では、撮影スポットに加えてマスコットキャラクター「ワンワンニャイン」が登場するグリーティング企画も実施。キャラクターとの写真撮影を楽しむ来場者の姿が目立っていた。

ディズニープラス

ディズニープラスは、今後の配信に向けた注目の2作品を軸にブース展開を行った。『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』では、特別仕様のティザービジュアル立体展示を設置。加えて、ボイスキャストによる手描きイラストもパネル展示。

『キャッツ♥アイ』ゾーンでは、昼バージョンと夜バージョンの2種類のティザービジュアルを並列展示。作品の持つ二面性やスタイルを際立たせる演出となっていた。さらに、ゾーン内の展示を撮影し、SNSに投稿することで参加できるグッズ抽選ガチャも用意されており、SNS拡散を促す導線が明確に設計されていた。

PLAY LAND KIBUN PACHI-PACHI

PLAY LAND KIBUN PACHI-PACHIブースでは、アニメコンテンツのパチンコ・パチスロが集結。様々なラインナップのパチンコ、パチスロを無料で体験できる。
また、「パチパチ縁日」と題したコーナーでは、昔ながらのパチンコも登場。豪華景品が当たる抽選会なども行われた。

ユーフォーテーブル

ユーフォーテーブルのブースは『鬼滅の刃』一色で構成され、同社としては初の試みとなる体験型ブースを展開した。
ブース内では、作品の中から5つの印象的なシーンをテーマにした体験アトラクションを実施。具体的には、「岩柱の岩押し稽古」「紙ヒコーキの飛ばし合い」「甘露寺蜜璃との腕ずもう対決」など、キャラクターや物語とリンクする内容で構成されていた。大人だけでなく、子どもも多かったのはAnimeJapanでも特筆すべき点だろう。
さらに、各体験に参加した来場者には特典としてステッカーがプレゼントされ、記念として持ち帰れる要素も用意されていた。

MBS

MBSブースでは、2025年にアニメ展開が予定されている『ウィッチウォッチ』と『ダンダダン』の2作品を中心に展示が構成されていた。それぞれに体験型・没入型の要素を取り入れ、来場者が物理的に作品世界を感じられる演出がなされていた。

『ウィッチウォッチ』では、作中に登場する魔法「ビッグーン」をテーマにした体験エリアを展開。通常サイズの教室と、家具や備品を極端に小さくした教室を並べることで、自分が巨大化したような感覚を味わえる仕掛けとなっていた。視覚の錯覚を利用した空間演出により、魔法世界の雰囲気を直感的に体験できる内容だった。

『ダンダダン』は、第1期の振り返り映像を会場限定で上映するコーナーを設けたほか、第2期に登場予定の「ジジの家」をブース内に再現。
両作品ともに、物語の中の“空間”をそのまま持ち込むような展示が印象的で、映像コンテンツだけにとどまらない体験設計が目立つ構成となっていた。

キングレコード

キングレコードのブースは、ステージイベントを主軸とした構成。「花は咲く、修羅の如く」「夜のクラゲは泳げない」「多聞くん今どっち!?」など、各作品のキャストが日替わりで登壇し、トークイベントを展開した。ブース内展示としては、「カリスマ」「クラシック☆スターズ」のキャラクターパネルが設置されていた。

テレビ朝日Animation

テレビ朝日Animationブースは、4月から新設のテレビ朝日系全国24局ネット“IMAnimation W”枠から「ユア・フォルマ」「地獄先生ぬ~べ~」が登場。
そのほかにも“IMAnimation”枠からは「ババンババンバンバンパイア」、「片田舎のおっさん、剣聖になる(4月放送)」、「フェルマーの料理(7月放送)」。“NUMAnimation”枠からも「メダリスト」をはじめ「小市民シリーズ」「雨と君と」など、計8作品のメインビジュアルと最新PVを紹介。4月放送決定のショートアニメ「コウペンちゃん」のかわいい立像も用意されていた。

ShoPro(小学館集英社プロダクション)

ShoProブースではテレビアニメ「ポケットモンスター」、TVアニメ『真・侍伝 YAIBA』、TVアニメ『Summer Pockets』がそれぞれスペシャル展示を実施。この3タイトルが特に目立つ内容だった。
物販エリアでは『Summer Pockets』に加えて、『ぷにるはかわいいスライム』のグッズも登場。『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』『らんま1/2』のレイヤードグラフの実物展示も行われた。

ブースステージでは各作品のキャストを招いてのトークイベントが行われた他、コナンやピカチュウといったキャラクターとの写真撮影会も頻繁に開催された。

松竹

松竹ブースでは、「一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる」「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX」「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」「正反対な君と僕」「不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-」といった作品のパネル・スタンディが多数展示されていた。


フライングドッグ

フライングドッグのブースは、『マクロスF(フロンティア)』を主軸に据えた展示構成。新作や複数作品を展開する他社と異なり、1タイトルに集中した内容が印象的だった。

ブース中央には、オールタイムベストアルバム『娘々グレイテスト☆ヒッツ!』のパッケージを模した大型展示が設置され、来場者が記念撮影できるスペースとして活用されていた。

そのほか、『マクロスF』の歩みを振り返る年表パネルも用意されており、シリーズの楽曲やイベント歴を一覧できる構成となっていた。ファンにとっては、シリーズの記憶を再確認できる静的な展示が中心のブースとなっていた。