DeNA、25年3月期の営業益289億円と大幅黒字転換 大ヒット『ポケポケ』けん引 前年計上された287億円の減損損失もなく
ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、5月9日、2025年3月期の連結決算(IFRS)を発表し、売上収益1639億9700万円(前の期比19.9%増)、営業利益289億7300万円(前の期は282億7000万円の損失計上)、税引前利益318億1700万円(同281億3000万円の損失計上)、最終利益241億9300万円(同286億8200万円の損失計上)と大幅黒字転換した。
・売上収益:1639億9700万円(同19.9%増)
・営業利益:289億7300万円(同282億7000万円の損失計上)
・税引前利益:318億1700万円(同281億3000万円の損失計上)
・最終利益:241億9300万円(同286億8200万円の損失計上)
ポケモン、クリーチャーズと共同で展開している『Pokémon TCG Pocket(ポケポケ)』が大ヒットし、業績拡大をけん引した。また、前の期には287億6400万円の減損損失を計上しており、一時費用がなくなったことも大きな増益要因となった。
①ゲーム事業
売上収益は780億9900万円(前の期比44.6%増)、セグメント利益は385億7700万円(同1,016.1%増)となった。2024年10月30日に新規リリースしたタイトル『ポケポケ』が順調に推移したこと等から、前の期比で増収増益となった。




②ライブストリーミング事業
売上収益は405億6200万円(前の期比4.7%減)、セグメント損失は2億0100万円(前の期は3億3900万円の利益)となった。国内 の「Pococha(ポコチャ)」では、2025年3月期上期においてTVCM等のマーケティングを実施したが、下期は、より収益性の確保に注力した事業運営を進めた。「IRIAM(イリアム)」に関しては、引き続き成長した。
③スポーツ事業
売上収益は313億0300万円(前の期比14.8%増)、セグメント利益は28億3600万円(同33.5%増)となった。横浜DeNAベイスターズでは、主催試合の観客動員数が好調に推移し、球団史上最多を記録した。また、「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」、「SMBC日本シリーズ2024」において優勝となり、新型コロナウイルス感染症の影響による観客動員の制約を受ける以前の2020年3月期と比較しても業績は成長した。
④ヘルスケア・メディカル事業
売上収益は107億6600万円(前の期比8.1%増)、セグメント損失は36億1900万円(前の期は36億4000万円の損失)となった。ヘルスケア領域は、主に、データヘルス計画の策定年度には該当しないことから、前の期比で減収となった。メディカル領域では、医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join(ジョイン)」の導入施設数等は引き続き増加しており、また、ポータブル医療機器とJoinを組み合わせたJoin Mobile Clinicを活用したプロジェクト等に関しても進捗した。
⑤新規事業・その他
売上収益は36億1800万円(前の期比18.4%増)、セグメント損失は11億2400万円(前の期は13億0300万円の損失)となった。当区分には、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組み、及びEC事業におけるサービスを含んでいる。
■2026年3月期の見通し
2026年3月期は、現時点においては合理的な数値の算出が困難であるため、連結業績予想の開示を見合わせるが、開示が可能となった段階で速やかに公表していく考え。
特にゲーム事業においては、2025年3月期下期に配信を開始した『ポケポケ』の動向を含め、現時点では合理的な見通しが困難となっている。当該タイトルについては、現時点まで堅調に推移しており、且つ、長期的な貢献を目指した運営を行っているが、短期的には、配信開始当初の初速からの反動は生じるものと考えている。
なお、新規タイトルについては、2026年3月期以降当面の間、従来型の開発手法とは異なるソフトローンチ戦略をはじめ、新たな試みからのパイプラインを中心に想定しており、従来型の開発による新規タイトルは現時点で案内できるものはない。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1639億9700万円、営業利益289億7300万円、税引前利益318億1700万円、最終利益241億9300万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432