ネクソン、第1四半期決算は『アラド戦記』『メイプルストーリー』の貢献で増収・営業増益 為替差損と減損損失で最終は大幅減益

ネクソン<3659>は、5月13日、2025年12月期 第1四半期の連結決算(IFRS)を発表し、売上収益1139億3400万円(前年同期比5.1%増)、営業利益416億1100万円(同42.8%増)、税引前利益387億0100万円(同38.6%減)、最終利益262億7200万円(同26.9%減)だった。

・売上収益:1139億3400万円(同5.1%増)
・営業利益:416億1100万円(同42.8%増)
・税引前利益:387億0100万円(同38.6%減)
・最終利益:262億7200万円(同26.9%減)

 

第1四半期累計においては、前第2四半期に中国で配信を開始した『アラド戦記モバイル』(Dungeon&Fighter Mobile)の増収寄与、『メイプルストーリー』(MapleStory)の好転に加え、3月に発売した『The First Berserker: Khazan』及び『マビノギモバイル』(MABINOGI MOBILE)の貢献により、売上収益は前年同期比で増加した。

利益面では、増収効果に加え、その他の費用において前年同期に計上した減損損失が第1四半期累計においては認識されなくなるため、営業増益となった。ただ、税引前利益と最終利益は大幅な減益となった。前年同期においては為替差益が発生していたが、第1四半期累計では為替差損42億円と持分法による投資の減損損失16億円を計上したため。

  

■代表取締役社長イ・ジョンホン氏

「ネクソンはプレイヤーと投資家の皆様へのコミットメントを着実に一つひとつ実行に移しています。第1四半期は、主力タイトル『アラド戦記』及び『メイプルストーリー』が好転したことに加えて、新作『The First Berserker: Khazan』と『マビノギモバイル』をローンチしました。また、テンセントとのパートナーシップも順調に進展しています。中国『アラド戦記モバイル』向けの同社との共同開発コンテンツは年内に追加予定であるほか、『THE FINALS』及び『The First Berserker: Khazan』の中国での事前登録も開始しました。さらに、当社のグローバル展開戦略においてもう一つの成果がありました。先日実施したEmbark Studiosによる新作『ARC Raiders』の大規模なテクニカルテストでは、想定を超えるYouTubeの再生回数及びTwitchの視聴ランキングを獲得し、Steamのウィッシュリスト数は目標を50%上回りました。Embarkは現在、参加者からのフィードバックをもとに、ゲームの完成度をさらに高めることに取り組んでいます。」

「世界経済が不透明な状況下においても、ネクソンは強固な経営基盤を有しています。複数の主要フランチャイズからの安定的な売上収益、明確な成長戦略、強力な新作パイプライン、主要市場において成長を捉えるための戦略的パートナーシップ、世界トップクラスのライブ運用力、そして新たな成長機会の創出や株主還元の向上に活用可能な約6,000億円のキャッシュを含む強固なバランスシートを備え、持続的な成長に向けた体制が整っています。」

 

■アラド戦記フランチャイズ

中国『アラド戦記モバイル』及び『The First Berserker: Khazan』のグローバルリリースによる増収寄与により、第1四半期におけるフランチャイズの合計売上収益は前年同期比で60%成長。一方、第2四半期は、『アラド戦記モバイル』のローンチにより、フランチャイズの売上収益が対前年同期で162%成長した前第2四半期との比較で、約40%の減収を見込む。

PC版『アラド戦記』:中国における第1四半期の売上収益は、当社業績予想の上限値で着地。旧正月アップデート以降、ゲーム内の経済バランスが大幅に改善され、デイリーアクティブユーザー数が増加。第1四半期は対前年同期で減収となった一方で、四半期を通じて改善が進み、第2四半期は前年同期比で増収に転じることを予想。韓国では、旧正月アップデートが新たな勢いをもたらし、前年同期比で93%増収。過去最高の四半期売上収益を達成。

『アラド戦記モバイル』:デイリーアクティブユーザー数が想定以下となり、第1四半期の売上収益は当社予想を下回った。第2四半期は、1周年の新規コンテンツにより既存プレイヤーの活性化と新規プレイヤーの獲得を計画するものの、第1四半期との比較では季節性による減収を見込む。テンセントとの共同開発による新規コンテンツを年内に中国で実装予定。

『The First Berserker: Khazan』:3月28日のグローバルリリース後、レビューサイトで高評価を獲得。第1四半期の売上収益は当社予想を下回ったが、アラド戦記IPを世界のプレイヤーに広める複数年計画における戦略的第一歩としての役割を果たし、2027年までにリリース予定の新作『Project OVERKILL』及び『Dungeon&Fighter: ARAD』の土台を築いた。また、当該タイトルの中国におけるパブリッシャーであるテンセントが、『The First Berserker: Khazan』の事前登録を開始。

 

■メイプルストーリーフランチャイズ

第1四半期は、韓国と欧米における『メイプルストーリー』の好調により増収に転じ、フランチャイズ売上収益が前年同期比で8%増加。第2四半期は、前年同期比で約20%の増収を見込む。

韓国『メイプルストーリー』:昨年12月に実施の大型の冬季アップデートによりプレイヤーエンゲージメントが大幅に改善した結果、第1四半期の売上収益は前年同期比で43%成長し、当社予想を上回った。先月に22周年のコンテンツアップデート及びイベントを実施。今後数カ月においても、好調なトレンドを維持することを目的とした大型の夏季アップデートを含む豊富なコンテンツアップデートを追加予定。

グローバル『メイプルストーリー』:第1四半期の売上収益は当社予想を上回ったが、過去最高の売上収益を達成した前年同期との比較では減収となった。一方で、欧米地域のサービスは、当社ロサンゼルスチームが開発のハイパーローカライズされたコンテンツの牽引により引き続き堅調に推移した結果、対前年同期で35%増収。第2四半期においては、グローバル『メイプルストーリー』は前年同期比で増収を見込む。

『MapleStory Worlds』:第1四半期の売上収益は前年同期比で11%増加。1月に欧州、4月にアジア地域にサービスを拡大。韓国での好調とサービス地域の拡大により、第2四半期も対前年同期で増収を見込む。

MapleStory Universe:新作MMORPG『MapleStory N』を5月15日に世界の一部地域にてリリース予定。ブロックチェーン技術を活用した本作では、ゲーム内のプレイ成果とコンテンツ制作への貢献度に応じた報酬が付与される。

 

■FCフランチャイズ

『FC ONLINE[3]』の第1四半期売上収益は、「年間最優秀チーム(Team Of The Year)」が牽引し、当社業績予想を上回った。一方で、『FC MOBILE[4]』は当社予想を下回った。フランチャイズ全体では前年同期比で減収となったものの、当社予想のレンジ内で着地。2026年夏に開催のワールドカップが近づくにつれ、プレイヤーの期待感が高まることを予想。

 

■マビノギフランチャイズ

『マビノギモバイル』は、韓国で3月27日にローンチ後、Androidの人気ランキング1位、売上ランキング3位、またiOSの売上ランキング1位を獲得し、当社の業績予想を大きく上回った。既存フランチャイズのプラットフォーム拡大が好評を博すとともに、幅広い層からの支持を集めた。

 

■シュータージャンル

『The First Descendant』は、シーズン2エピソード2による売上収益の伸びが想定以下であったことから第1四半期の売上収益は当社業績予想を下回った。一方で、プレイヤー指標は改善した。7月には、1周年を記念し新たなオープンフィールド、モンスター、大規模バトル、協力ゲームプレイなどを実装するシーズン3「ブレークスルー」アップデートを実施予定。

『THE FINALS』の第1四半期売上収益は、3月に実施したシーズン6のアップデートによりプレイヤー指標が改善され、当社の業績予想の上限値で着地。5月にも新規コンテンツの投入を予定。また、中国におけるパブリッシングパートナーのテンセントが中国での事前登録を開始し、今年後半にプレイテストを実施することを発表。

『ARC Raiders』は、今月初めに大規模なテクニカルテストを実施。Steamのウィッシュリスト数を含む主要指標が、当社の予想を大きく上回った。特に欧米市場における参加者数と継続率が高く、わずかな広告宣伝にも関わらず、Twitchの視聴ランキング6位、またYouTubeの再生回数は2,000万超を達成。

   

■2025年12月期第2四半期累計の見通し

第2四半期累計の業績は、売上収益2135億5200万円~2241億8800万円(同7.5%減~同2.9%減)、営業利益641億1700万円~726億6600万円(同13.8%減~同2.3%減)、税引前利益646億8400万円~732億3400万円(同44.1%減~同36.7%減)、最終利益430億9200万円~459億4900万円(同43.1%減~同34.6%減)を見込む。

・売上収益:2135億5200万円~2241億8800万円(同7.5%減~同2.9%減)
・営業利益:641億1700万円~726億6600万円(同13.8%減~同2.3%減)
・税引前利益:646億8400万円~732億3400万円(同44.1%減~同36.7%減)
・最終利益:430億9200万円~459億4900万円(同43.1%減~同34.6%減)
・EPS:53.02円~60.97円

株式会社ネクソン
http://www.nexon.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ネクソン
設立
2002年12月
代表者
代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
決算期
12月
直近業績
売上収益4462億1100万円、営業利益1241億7600万円、税引前利益1959億8700万円、最終利益1348億4800万円(2024年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3659
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