
MIXI<2121>は、この日(8月21日)、2025年3月から全従業員にOpenAIの企業向け生成AIサービス「ChatGPT Enterprise」を導入し、その成果を公表した。導入から3ヶ月未満で、アクティブユーザー率(WAU)は80%に達し、1800個以上のカスタムGPTが作成されるなど、生成AIを「使いこなす」企業文化が根付いているという。

主な成果は以下の通り。
【業務時間削減】
全社で月間約1万7600時間、利用者1人あたり月間約11時間の業務時間削減を見込んでいる。
【生産性向上】
利用者の99%が生産性向上を実感し、80%以上が「中程度以上に改善」と回答している。
【仕事の満足度向上】
89%が仕事の満足度向上を実感している。
【カスタムGPTの増加】
導入当初の約3倍に増加し、社員自らが業務支援ツールを構築するケースが増えている。
日常業務における主な活用方法については、「文章コンテンツの作成と編集」が最も多く、次いで「ブレインストーミングおよび創造的なアイデアの形成」、「研究(オンライン調査、データ検索、情報の検証など)」などを挙げている。
具体的な活用事例としては、法務部での利用規約確認時間の削減(月間約40時間)、みてねプロダクト開発部での企画業務効率化(月間約28時間)、FP&Aインテリジェンス部での予算関連アシスタントBotによる申請業務簡略化(年間約150時間)、投資事業部での初期検討サポートツールによる情報整理とレポート作成の自動化(年間約108時間)などがある。
同社では、今後も組織全体のナレッジベース拡充とデジタルプログラム活用により、業務活用のさらなる定着と高度化を推進していくとしている。取締役上級執行役員の村瀨龍馬氏は、ChatGPT Enterpriseの導入を社員一人ひとりがより創造的な仕事に集中できるための「インフラ整備」と捉え、AIを前提とした働き方や価値創造のアップデートに積極的に取り組む方針を示している。
■ 株式会社MIXI 取締役 上級執行役員 村瀨 龍馬氏コメント
ChatGPT Enterpriseの全社導入は、単なる効率化のためではなく、社員一人ひとりがより創造的な仕事に集中できる環境を整えるための“インフラ整備”です。導入からわずか数ヶ月で、1,800個を超えるカスタムGPTが社内から自発的に生まれたことは、AIが“使わされる道具”ではなく、“使いこなす力”として根づき始めていることの証明だと感じています。現在、全社で300件を超えるAI関連プロジェクトが同時多発的に動いており、多くが実務に実装されています。生成AIがもたらす変化のスピードを踏まえれば、いかに早く“使いこなす”段階に進めるかが、今後の事業競争力を大きく左右します。今こそ、攻めの姿勢でAIを前提とした働き方や価値創造のかたちをアップデートしていく好機だと捉えています。

■AI活用の取り組みについて
同社では2023年より全社的な生成AIの活用を推進しており、これまでも先進的なAI技術を全社または部門ごとに積極的に導入・運用し、業務効率化に向けた取り組みを継続的に行ってきたという。
2024年12月には、取締役・村瀨氏を主管とする「AI推進委員会」が発足し、全社的なAI活用をさらに加速させている。社内ガイドラインに基づき、機密情報ラベルに応じた適切な情報入力を徹底しながら、各種生成AIツールの業務活用を本格化した。
さらに、各部門にAIアンバサダーを配置し、現場起点でのAI活用を推進する取り組みも行っている。個人レベルでの業務効率化にとどまらず、コスト最適化・付加価値創出・新規事業構想などを目的としたAI関連プロジェクトが、2025年7月末時点で300件を超えて進行中。ChatGPT Enterpriseに加えて複数の生成AIツールも活用し、全従業員のAI利用率は99%に達しているとのこと。
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1548億4700万円、営業利益266億円、経常利益265億1100万円、最終利益176億100万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121