2025年の玩具販売動向は平成レトロアイテムやゲームIP関連商品が人気に クリスマス商戦のピークは今年も第3週と第4週へ分散に ハピネット調査

ハピネット<7552>は、昨年に引き続き、同社の流通データをもとに分析した2025年8月までの玩具販売動向と、クリスマス、年末年始の売れ筋商品に関するレポートを発表した。

本発表は、2025年8月までの同社の流通データをもとに過去データと比較し、エンタテインメント業界での消費者動向を分析したものとなる。

【2025年玩具販売動向について】

①お盆・夏休み商戦
2025年8月(7月28日~8月31日)の玩具市場は、前年同期比107%と好調に推移した。トレーディングカードを除いた場合でも102%と前年を上回り、引き続き堅調な成長を見せている。市場をけん引した主なカテゴリーは、以下のとおり。

■キャラクター玩具
「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」や「ポケットモンスター」など、継続的に高い人気を誇るキャラクター商材が8月に発売された新商品により市場をさらに押し上げた。特に「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」の「DXオルカブースター5050」と、「ポケットモンスター」の「スマホロトムSHAKE(シェイク)」が大きく貢献している。

■デジタル玩具
7月12日より発売した「Tamagotchi Paradise」が、8月も引き続き市場をけん引した。また、サンリオ<8136>とのコラボレーションによる「ぷにるんず サンリオキャラクターズ」も好調な販売を記録した。

■映画関連商材
8月8日に公開された映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」に関連する商品が各社より発売され、市場の活性化に寄与している。

■トレーディングカード
トレンドの変化や供給タイミングの影響により、週によっては前年を下回る場面も見られたが、依然として高い人気を維持している。

②平成レトロが再燃! 懐かしさと新しさが融合するカルチャーが今、注目の的に
近年、1990年代から2000年代初頭のカルチャーを再評価する動きがあり、「平成レトロ」が、若い世代(特に1980年代後半〜1990年代半ば生まれのミレニアル世代と、1990年代後半〜2010年代生まれのZ世代)を中心に大きな注目を集めている。

当時のアイテムやデザインが“懐かしくて新しい”として再び脚光を浴び、SNSを通じて拡散され、消費行動にも影響を与えている。

③インバウンド需要が継続的に拡大
成田空港内ショップにおける当社玩具部門の売上金額は、2024年度には前年比約141%と増加しており、2022年度からの2年間では約398%と大幅に増加している。

また、同社の成田空港でのカプセルトイの売上金額は、前年比約129%と堅調に増加した。2022年度からの2年間では約245%と大幅に増加している。コロナ禍以降、訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要が玩具市場の拡大に継続的に寄与していると推測される。

【今年のクリスマス・年末年始需要の予測】

①2025年クリスマス商戦のピークは前年同様第3週と第4週に分散と予想、今年もアフタークリスマスに期待
昨年のクリスマス需要はクリスマス直前の土日を含む第3週(12月16日週)に加え、駆け込み需要がある23日と24日を含む第4週(12月23日週)に分散した。今年も12月第3週と12月第4週で分散する傾向は昨年と同様の見込み。ただし、今年は25日が木曜日(昨年は水曜日)であることから、昨年と比べて、第4週(12月22日週)の販売が増加すると考えられる。

また、2025年から2026年にかけての年末年始休暇は、曜日配置の関係で、2024年から2025年にかけての年末年始休暇と同じく長期化することが見込まれ、「アフタークリスマス」における消費行動も前年末同様拡大すると予想している。

②Nintendo Switch 2発売による玩具市場への影響について
6月5日に発売された「Nintendo Switch 2」は、発売後4日間の世界販売台数が350万台を突破し、任天堂<7974>のゲーム専用機の発売後4日間の世界累計販売台数として過去最高を記録するなど、Nintendo Switchより速いペースで普及しており、市場で大きな注目を集めている。

2017年3月に発売されたNintendo Switchは、発売直後、品薄状態が続いたこともあり、玩具市場への影響は限定的だった。しかし、同年のクリスマス商戦期には供給量の増加と消費者ニーズの高まりにより、特に小学生男児を中心とした一部カテゴリーに影響が見られた。

影響が顕著だったのは、コロコロコミック読者層である7〜9歳の男児層で、対戦型カードゲームや男児向けホビーなど、Nintendo Switchと遊び方が重なるカテゴリーにおいて、2017年7~12月の売上高が前年同期間のそれをやや下回るなど売上の変動が確認された。一方で、店舗によっては、Nintendo Switchの品薄状態が玩具売り場への集客の促進につながったケースも報告された。

・2025年「Nintendo Switch 2」発売による影響
Nintendo Switch 2は、6月5日の発売以降供給が追いつかない状況が続いている。ソフトに関しては「マリオ」「ドンキーコング」「星のカービィ」「ポケットモンスター」「たまごっち」といった、人気IPを活用した大型タイトルが多数発表・発売されており、今後さらなる需要の拡大が見込まれる。

玩具市場への影響としては、2017年同様、遊び方が重なるカテゴリー(対戦型カードゲーム、男児向けホビーなど)において、動向を注視する必要がある。

また、Nintendo Switch 2の発売により、Nintendo Switch発売時同様、集客増加や、新作ソフト発売に伴う関連IP商材の需要増加などのポジティブな影響も期待される。

【その他玩具トレンドおよび人気商品の予測】

①海外IPの国内玩具市場が拡大
NetflixやDisney+などのグローバルプラットフォームが家庭に浸透し、海外IPの映像作品の日本語吹替版が手軽に視聴できるようになったことで、子供たちの視聴習慣が変化した。これに合わせ、国内の玩具売場でも海外で人気の高いキャラクターの関連商品が多く発売される。

②ゲームIP関連商材の展望
Nintendo Switch発売時には、amiiboなどのキャラクター商材がゲームと連動して販売を伸ばした実績がある。今回も、Nintendo Switch 2の盛り上がりに伴い、関連するIP商材の販売拡大が期待される。

代表的なIPとしては、「マリオ」「ポケットモンスター」に加え、今年新作ソフトとして発売予定の「星のカービィ」が挙げられます。玩具分野でも複数社から「星のカービィ」関連商材が発売予定であり、ゲームと玩具の相乗効果が見込まれる。

株式会社ハピネット
https://www.happinet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ハピネット
設立
1969年6月
代表者
代表取締役会長兼最高経営責任者 苗手 一彦/代表取締役社長兼最高執行責任者 榎本 誠一
決算期
3月
直近業績
売上高3644億1800万円、営業利益116億7700万円、経常利益119億6300万円、最終利益67億6400万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7552
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