「キダルト」人口は約535万人、市場は約780億円に達していると推定 年間平均購入金額は1万4574円 「懐かしさ」や「子ども時代の憧れ」が購入動機に ハピネット調査

ハピネット<7552>は、全国の18歳以上60歳以下の男女1089名を対象に「キダルト」に関する実態調査を初めて実施した。

今回の調査結果から、全国の18~60歳男女のうち約535万人がキダルト層に該当すると推定され、さらに年間平均購入金額(1万4574円)から、キダルト市場は約780億円に達していると推定される。

購入動機には、「懐かしさ」や「子ども時代の憧れ」といった感情があると考えられ、ぬいぐるみやコレクショントイなどのアイテムが高い人気を集めている。

また、購入の継続性や回帰傾向、さらには購入商品に対する高い満足度と継続的な購入意欲が確認され、キダルト市場では、“買ってよかった”という満足感から次の消費につながる好循環が生まれていると推察される。

今後は、玩具を購入していない層への広がりや、ライフステージの変化による再購入などにより、キダルト市場のさらなる拡大の余地が期待される調査結果となった。

■本調査におけるキダルトの定義

「キダルト(Kidult)」とは、「Kid(子ども)」と「Adult(大人)」を組み合わせた造語で、子どもの頃に親しんだ玩具やキャラクター、ホビーを大人になっても趣味として楽しむ人々を指す。近年では、キダルト層向けの商品が多様化・高品質化しており、国内外で注目を集める市場となっている。

本調査では、玩具売場におけるキダルトの実態を深堀するため、キダルトの定義を「過去1年以内に自分用に玩具を購入したことがある」「購入した商品に子どもを主ターゲットとした下記11カテゴリの商品が含まれる」のいずれにも該当する大人としている。

①ゲーム:一般ゲーム、立体パズル、 その他(パーティ、ジョーク、手品含む)
②ジグソーパズル:キャラクター含む
③アクショントイ:遊びながら競える玩具など
④キャラクタートイ:TVキャラクター玩具、映画キャラクター玩具など(ぬいぐるみは除く)
⑤コレクショントイ:「推し活グッズ」を除く、食玩、缶バッジ、アクリルスタンドなど
⑥のりもの玩具:ミニカー、レールトイなど
⑦ラジコン:トイR/C、(組み立て式は除く)
⑧液晶付き玩具
⑨ドール・ままごと:着せ替え(人形、ハウス)、ままごと、抱き人形など
⑩ぬいぐるみ:キャラクター含む
⑪ブロック

■「キダルト」人口は約535万人と推定、市場はさらに拡大の余地あり

全国の18~60歳の男女(1万5875名)のうち、「過去1年以内に自分用に玩具を購入した人」の割合は15.8%という結果になった。そのうち、「玩具売り場にて展開されているキダルト商品を購入した人」の割合は8.3%であり、この割合を人口推計(総務省統計局)の18~60歳男女の人口に当てはめると、「535.4万人」のキダルトが存在することが推定される。また、本調査における玩具を購入していない層(72.0%)についても、ライフステージの変化などで玩具商材とのタッチポイントが増えることで、キダルト市場はさらなる拡大の可能性が見込まれる。

■キダルト層が1年間で自分用に購入する玩具の平均金額は【1万4574円】

過去1年以内に自分用に購入した玩具の総額を調査したところ、「2000~4999円(18.8%)」の割合が最も大きく、次いで「5000~9999円(17.5%)」「2000円未満(15.5%)」の割合が大きいという結果になった。

キダルト全体の年間平均購入金額は「1万4574円」であり、性年代別で比較すると、平均金額が最も高いのは「男性30~39歳(1万8214円)」となりました。また、どの年代でも女性よりも男性の方が平均金額が高い傾向がみられた。

全体の年間平均購入金額「1万4574円」と、【質問1】で推定されたキダルト人口「535.4万人」から、キダルト市場の規模は約780億円まで達していると推定される。これは、「2024年度国内主要玩具主要10分野の市場規模からトレーディングカードを除いた金額、 約4420億円」の約18%を占めている。

■大人が玩具を購入する理由は「懐かしさ」や「子ども時代の憧れ」、約半数が“つい手に取ってしまった”経験あり

玩具購入の動機について調査したところ、最も多かったのは「懐かしい気持ちになって、つい手に取ってしまった(48.6%)」で、全体の約半数を占めた。次いで多かったのは「昔から欲しかったが、子どもの頃は買えなかったから(27.6%)」だった。この結果から、大人が玩具を購入する背景には、「懐かしさ」や「子ども時代の憧れ」といった感情が大きく影響していることが推定される。また、子どもの頃は欲しくても買えなかった玩具について、大人になり経済的な余裕が出たことで購入に至っていると考えられる。

■キダルト層が最も購入したのは「ぬいぐるみ」

過去1年以内にキダルト層が購入した玩具・キャラクターグッズについて調査したところ、キダルト商品(11カテゴリ)に限定すると、最も多かったのは「ぬいぐるみ(48.5%)」で、約半数が購入経験を持つことが明らかになりました。次いで「コレクショントイ(35.0%)」が続いた。

■”回帰層”が約3割、ライフステージの変化が購入再開のきっかけか

過去1年以内に購入した商品の、継続的な購入についてカテゴリ別に調査したところ、多くのカテゴリで「子どものころから買い続けている(継続)」層が半数近くを占める中、コレクショントイは「大人になってから初めて買った(新規)」層の割合が最も大きくなる傾向がみられた。また、「キャラクタートイ」「ドール、ままごと」「ぬいぐるみ」では、「子どもの頃は買っていて、しばらく買っていなかったが、大人になってから再び買った(回帰)」層が約3割という結果になった。この背景には、「経済的に余裕ができ、自分用に購入できるようになった」「親になって子どもと一緒に遊ぶため」など、ライフステージの変化が影響していると考えられる。

■購入玩具の満足層「93.9%」、今後の購入意欲あり「91.6%」、キダルト市場は“買ってよかった”が次の消費につながる

購入した玩具の満足度について調査したところ、「とても満足(57.4%)」と「やや満足(36.5%)」を合わせた満足層は「93.9%」に達した。さらに、今後の購入意向は、「とても購入したい(55.9%)」「やや購入したい(35.7%)」と意欲的な層が「91.6%」を占める結果となった。キダルト層においては、購入した玩具の満足度の高さから次の購入につながる好循環が生まれていると考えられる。

さらに、非キダルト層が玩具を購入し、同様の満足体験を得ることで、キダルト市場がより広範な層へと拡大していく可能性がある。

<調査概要>
調査期間:質問1~6…2025年5月30日~6月2日
調査対象者:質問1~6…全国18歳以上60歳以下の男女
有効回答数:質問1…1万5875名、質問2-6…1089名
調査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社
調査方法:インターネット調査
集計方法:性年代構成比に基づきウェイトバック集計を実施。本資料掲載の数値はウェイトバック後のものを使用。

株式会社ハピネット
https://www.happinet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ハピネット
設立
1969年6月
代表者
代表取締役会長兼最高経営責任者 苗手 一彦/代表取締役社長兼最高執行責任者 榎本 誠一
決算期
3月
直近業績
売上高3644億1800万円、営業利益116億7700万円、経常利益119億6300万円、最終利益67億6400万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7552
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