オーバーラップHD、25年8月期は主力IPのメディアミックス展開で成長加速 今期は成長投資とラノベのマンガ化の推進で成長基盤の拡充目指す

オーバーラップホールディングス<414A>は、2025年8月期の決算説明資料を公開した。25年8月期の連結業績(IFRS)は、売上収益が前期比1.6%増の85億3500万円、営業利益が同40.7%増の30億2600万円、最終利益は同80.1%増の20億6700万円と大幅増益だった。自社IP売上が堅調に拡大した一方、ポケモン関連商材を中心とした他社IP売上が減少した。編集体制の拡充やコンテンツへの投資を中心とした成長投資も拡大しており、調整後EBITDAは同7.1%減の33億1100万だった。年間刊行点数は391点、電子売上比率は72.7%と高い水準を維持している。主力IP(年間売上億2500万円超の自社IP)数は57点で、主力IP売上も着実に増加している。



2026年8月期の連結業績予想では、売上収益92億0900万円(前期比7.9%増)、営業利益34億2100万円(前期比13.1%増)、最終利益22億3200万円(前期比8.0%増)を見込んでいる。IP創出体制の拡大、特に編集者の採用ペース加速と新シリーズの立ち上げ大幅加速に基づくものだ。2025年8月期にはライトノベルの刊行点数が大幅に増加し、マンガ化されるIPも増加した。2026年8月期はマンガ化されるIPをさらに大幅に増やし、主力IPとして長期安定的な収益基盤となる作品の増加を目指していく。


中長期的には、新たにマンガ化したタイトルの長期シリーズ化やメディアミックスを推進し、IP当たり売上を拡大していく方針。「とんでもスキルで異世界放浪メシ」第2期や、「暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが」、「お気楽領主の楽しい領地防衛」のアニメ化を予定しており、継続的なアニメ化とシリーズ化・他メディア展開により、主力IPの売上拡大と収益サイクルの長寿化を図る。

成長実現のための投資として、編集者の採用、マンガを中心としたコンテンツ制作、メディアミックス、海外展開強化への投資拡大を継続し、ゲーム発IPの開発やM&Aも視野に入れている。株主還元については、2025年8月期は配当性向35%で配当を決定し、2026年8月期は配当性向40%を目安として、今後も継続して配当を実施する方針。

同社は、マンガをIP創出の源泉とし、低リスクかつ再現性の高いIP創出モデルを構築している。小説投稿サイトやSNSからのアマチュア作品を編集者が見極め、ライトノベル化、マンガ化、アニメ化とステップを踏むことでIP価値を最大化する。また、チーム単位での編集体制とシステム化した編集プロセスにより、編集未経験者でも早期に戦力化できる独自の強みを持つ。中長期的なビジョンとして、IP数の増加、メディアミックスの強化、海外収益の拡大を掲げ、持続的な成長を目指している。


会社情報
- 会社名
- 株式会社オーバーラップ
- 設立
- 2012年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 永田 勝治/代表取締役副社長 原田 直樹
会社情報
- 会社名
- オーバーラップホールディングス