【決算レポ】Aiming、第3四半期はQonQで減益も4四半期連続の黒字達成 第4四半期は新作開発の佳境入りで損失計上も通年では黒字維持の見通し

Aiming<3911>は、2025年12月期 第3四半期(25年7~9月)の決算説明資料を公表した。売上高は前四半期比4.5%減の36億4900万円、営業利益は同48.2%減の2億5400万円と減収減益だった。『ドラゴンクエストタクト』(ドラクエタクト)の5周年イベントが収益を支えた一方で、『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』(カゲマス)の2.5周年イベントの反動や、『WIND BREAKER 不良たちの英雄譚』(ウィンヒロ)の受託売上減少が響いた、としている。人件費やプラットフォーム手数料などを抑制したものの、減収の影響をカバーできなかったという。

 

売上高の増減分析では、『ドラゴンクエストタクト』が5周年施策で想定を上回る売上を記録した。その一方、『カゲマス』の2.5周年イベント後の反動減や、『ウィンヒロ』の受託案件縮小が減収要因となった。また、制作・運営受託は想定を上回る推移を見せたが、全体では4.5%の減収となった。

 

コスト面では、売上原価を見ると、物価上昇に伴う賃金見直しや開発中タイトルの進行に伴う外注費の影響で増加し10.9%増の15億7600万円だった。その一方で、販売管理費は4.6%減の18億1800万円にとどまった。『ドラクエタクト』の広告宣伝費が増えたものの、外部決済導入によるプラットフォーム手数料の削減効果が出たとのこと。

 

 ▲営業利益は4四半期連続の黒字を達成した。

 

第3四半期末の現金および預金は50億6000万円に増加し、財務基盤は安定している。従業員数は効率化の進展により684名(アルバイト含む)とやや減少した。

 

主要タイトル動向は以下の通り。

・『剣と魔法のログレス いにしえの女神』:コラボイベントや武器追加を実施。アクティブユーザー数(AU)とARPPUを維持。課金率は微増。
・『ドラゴンクエストタクト』:5周年イベントや新キャラ投入でAU・課金率・ARPPUがともに上昇。予想を上回る売上を達成。
・『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』:季節イベント、新キャラクターの追加などを実施。AUは微増したが課金率がやや低下。ARPPUは増加。
・『2.5次元の誘惑(リリサ)天使たちのステージ』:1周年施策でAU・課金率増加も、ARPPUは微減。
・『銀河英雄伝説 Die Neue Saga』:季節イベント、新キャラクターの追加などを実施。AU微減ながら課金率・ARPPUともに上昇。
・『WIND BREAKER 不良たちの英雄譚』:0.5周年イベント、新キャラクタ―の追加などを実施。AU減少も課金率微増。9月には繁体字版をリリース。

 

新作・開発中プロジェクトについては説明した。

・新作アニメ系プロジェクトG:配信日未定、開発内容を再検討中。
・ゲーム系IPプロジェクトLG:β版開発進行中。
・テレビ朝日と共同制作する実写恋愛シミュレーションゲーム:今冬リリース予定、Steamで全世界同時配信を計画。
・新規ゲームSu:配信日未定。
・競輪投票ポータルアプリ:EAST GROUP HOLDINGSと共同開発中。

 

続く第4四半期(25年10~12月)の見通しについては、売上高は前四半期比8.5%減の33億4100万円と減収を見込む。『カゲマス』3周年イベントによる増収効果はあるものの、『ドラクエタクト』や『リリステ』の周年イベントの反動、受託案件の減少が影響する。

利益面をみると、営業損失1億6300万円、経常損失2億8700万円、最終損失2億7900万円と赤字となる見通し。新規案件や新規タイトルの開発進捗に伴う外注費(売上原価)の増加や競輪アプリ開発に伴う関連会社損失の計上などが要因となる。

同社は、新作タイトルなどの開発費は、原則、コンテンツ仮勘定などの資産ではなく費用計上しているため、開発が佳境に入ると費用がどうしても増える傾向にある。第4四半期会計期間は損失計上だが、通年では黒字を維持する見通し。

 

株式会社Aiming
http://aiming-inc.com/

会社情報

会社名
株式会社Aiming
設立
2011年5月
代表者
代表取締役社長 椎葉 忠志
決算期
12月
直近業績
売上高170億8600万円、営業損益5億5200万円の赤字、経常損益1億5000万円の赤字、最終損益3億4100万円の赤字(2024年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3911
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