MCF、スマホ新法全面施行を歓迎 Apple・Googleの発表した新規約には「法の趣旨を損なう重大な課題」5点あげて批判

モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、本日1月29日、「スマホソフトウェア競争促進法」の全面施行を受け、AppleおよびGoogleが公表したアプリ配信に関する新規約についての意見を公表した。MCFは新法の施行自体を高く評価する一方で、両社の新規約には同法に抵触する可能性があるとして、早急な是正を強く求めている。

 

■スマホ新法の全面施行を評価、「重要な一歩」と歓迎

スマホソフトウェア競争促進法は、代替アプリストアの提供妨害の禁止や、代替決済手段・関連ウェブページの利用を妨げる行為の禁止などを柱とする新たな競争政策だ。MCFは、モバイル・エコシステムの寡占に起因する課題を解消し、多様な主体によるイノベーションを促進するための施策として、本法の全面施行を歓迎するとコメントしている。

特にこれまで禁止されてきた「アプリ内に関連ウェブページでの販売情報(商品・価格・キャンペーン情報など)を掲載すること」が、Apple・Googleともに無償で認められるようになった点については、「多様なビジネスモデル実現に向けた重要な一歩」と評価した。

 

■新規約に対し5つの問題点を指摘

一方でMCFは、指定事業者であるAppleおよびGoogleが示した新規約について、スマホソフトウェア競争促進法の趣旨を損なう重大な課題があると指摘。主に以下の5点について問題提起を行っている。

① 根拠不明な手数料による代替決済の形骸化
MCFは、代替決済手段や関連ウェブページの利用は「無償であるべき」とした上で、両社の新規約では根拠が不明確な手数料が課されており、実質的に利用を妨げていると批判した。これは優越的地位の濫用にあたり、スマホ新法第8条に違反する可能性があると指摘している。また、米国市場では同様の誘導が無償で運用されていることを踏まえ、日本でも「イコールフッティング(同等条件)」の確保を求めた。

② リンク先取引の包括的課金は「常識的に受け入れ困難」
アプリからリンクアウトした関連ウェブページにおいて、7日間または24時間に行われたすべての取引を報告させ、手数料を課す仕組みの問題も指摘した。アプリで選択していない商品や、広告・検索などオフライン経由の取引まで対象となる点について、「常識的に受け入れ困難な条件を強制している」として、法違反の可能性があるという。

③ プライバシーを巡る「ダブルスタンダード」
取引把握のためにユーザー行動の追跡・報告をアプリ事業者に強制する点についても問題視した。これまでプライバシー保護を理由に厳格な制限を課してきた指定事業者自身が、今回の新規約では自社利益を優先して追跡を求めているとして、「ダブルスタンダード」であり、不公正な取扱いを禁じた法第6条に違反する可能性があるとした。

④ 必要性のない決済手段の強制
指定事業者の決済手段を利用していない、あるいは利用予定のないサービスに対しても決済手段の併用を強制する点については、優越的地位の濫用に該当すると主張した。特に、Webサービスや玩具・書籍と連携するサービスなどでは、ビジネスモデルの成立自体が困難になるケースがあると具体例を挙げている。

⑤ 法違反の可能性がある既存規約の未改正
新規約が公表された一方で、既存規約には依然としてスマホ新法に違反する可能性のある条項が残っていると指摘した。AppleおよびGoogle双方の規約・API仕様について、関連ウェブページでの「ウェブストア限定デジタルコンテンツ」の販売を実質的に制限している点を問題視し、早急な是正を求めた。

 

■今後も継続的に課題提起へ

MCFは、代替アプリマーケットプレイスを含むその他の課題についても、今後順次意見を公表していくとしている。スマホ新法が掲げる「自由で公正な競争環境」が実効性を伴うものとなるかどうかは、今後の法執行と指定事業者の対応にかかっていると言えそうだ。

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