
カバー<5253>は、マーカーレスモーションキャプチャ「Captury」を活用した「セルフブース3D」の配信実績を公開した。
2026年1月の1ヵ月間で、「セルフブース3D」による配信実績は合計7本となった。従来、3D配信には多大な準備期間とリソースを要していたが、本システムの導入により、カラオケやゲーム、雑談、屋外ロケといった多岐にわたるジャンルでの活用が加速している。
「セルフブース3D」は、身体に専用センサーやマーカーを装着することなく、カメラ映像のみで人間の動きをリアルタイムにデジタル化するモーションキャプチャ技術を活用した、カバーが提供する配信運用基盤の一つ。従来の3D配信では必須だった「専用トラッキングスーツの着用」「大規模なスタジオ設備」「多数のサポートスタッフによる調整」といった工程を大幅に省略。タレントが普段着と変わらない軽装で、一人でも3D配信を開始できる配信環境を実現した。
本技術の最大の特徴である「準備期間の大幅な短縮」と「低コスト運用」は、変化の激しいVTuberマーケットにおいて、多くのパートナー企業様から評価を得ており、企業コラボレーションの実績も着実に増加している。今後も「セルフブース3D」を基盤として、パートナー企業様の多様なニーズに迅速かつ柔軟に応え、事業領域の拡大とさらなる付加価値の提供に努めていく。
■運用の背景
ホロライブ所属タレントの日常的な配信活動は、「hololive Live2D 3.0」による豊かな表情表現を基盤とした2D配信が主流だ。一方、従来の3D配信・収録システムは業界最高水準のクオリティを追求してきたものの、専用のトラッキングスーツへの着替えや事前の入念な調整、多数のサポートスタッフが不可欠だった。
こうした運用は、タレントへの負担増やコスト増にも繋がり、3D配信が周年や誕生日イベント、大型企画などに限定される一因となっていた。その結果、季節やトレンドに合わせた気軽な3D配信を行うことが難しく、2D配信と3D配信の間には、技術的・運用的ハードルによる大きな空白地帯が存在していた。
この課題を解決し、2D配信のような気軽さで3D配信を可能にする中間的な選択肢として、2025年5月より、マーカーレスモーションキャプチャ「Captury」を活用した「セルフブース3D」の運用を開始した。これにより、タレントが日常的かつ柔軟に3D空間で活動できる環境を実現し、表現の幅を一層広げることを目指している。
■「セルフブース3D」の特徴
カバーが提供する「セルフブース3D」は、「Captury」の導入のみに留まることなく、専用ソフトウェアの自社開発や先端3D技術の継続的な研究、そして独自の運用体制の構築を進めてきた。こうした多角的な自社開発を積み重ねることで、手軽さと高いクオリティを両立した、ハイクオリティな3D配信を実現している。
①完全マーカーレスによるタレントの負担軽減
「セルフブース3D」の導入により、従来の3D配信において不可欠だった専用トラッキングスーツの着用や、長時間に及ぶ細かな事前調整が不要となった。タレントは私服のままブースに入り、3D配信を開始できるため、物理的・心理的なハードルが劇的に低減されている。
これにより、ゲーム実況配信や雑談配信、小規模な企画など、これまでコストや準備の観点から3D化が難しかった日常でカジュアルな企画などにも、3D配信の機会を創出している。
②運用を効率化する「セルフブース方式」の提供
カバーでは、以前よりスタッフの事前準備のみで配信が可能な「セルフブース」を、オフラインコラボなどに活用してきた。この運用ノウハウを3D配信へと拡張、進化させたものが「セルフブース3D」だ。
本システムは、アプリ操作や配信設定をタレント自身が行える設計にすることで、スタッフの介在を事前準備のみの最小限に限定している。この低コストな運用体制により、1配信あたりのコストを大幅に削減したほか、突発的な利用申請への柔軟な対応も可能となった。その結果、タレント向けの3D配信の機会の提供が大幅に増加している。
③高い可搬性による柔軟な環境構築
「セルフブース3D」は必要機材が少なく、可搬性が高いことも大きな特徴だ。スタジオ内での固定運用に留まらず、外部会場や他社スタジオなど、さらにはイベント現地への持ち出しにおいても、場所を選ばず同等の3D配信・収録環境を容易に構築することが可能だ。
この機動力を活かし、イベント現地へのシステム持ち出しや出張配信など、物理的な制約を超えた自由な3Dコンテンツ制作を支援。これにより、これまでは困難であった「現場の空気感をそのまま伝える3D配信」など、新たな体験価値の提供を加速させていく。
■今後の展望
カバーは、今後も以下の3軸を中心に「セルフブース3D」のアップデートを継続していく。
①タレントがより一層利用しやすいUI/UXの改善と機能拡充
「セルフブース3D」は、タレント自身が操作を行うシステムであるため、アプリの使い勝手が配信の質に直結する。より一層の利便性向上を目指し、UI/UXの最適化や、新機能の拡充を継続的に行い、タレントがパフォーマンスに集中できる環境を整備する。
②トラッキングクオリティの継続的な向上
マーカーレスモーションキャプチャの利点を活かしつつ、さらなるトラッキング精度を向上させる。最新技術の導入やアルゴリズムの改善を推進することで、既存システムに引けを取らないクオリティアップの実装を目指していく。
③多様なユースケースに応じた柔軟な運用プランの構築
現在はスタジオ設備としての「セルフブース」運用が中心だが、今後は、イベント現場への持ち出しや案件配信など、多種多様なニーズに合わせた専用プランを構築する。利用シーンの拡大を図ることで、あらゆる場所やシチュエーションにおいて、タレントが希望する3D配信・収録機会を最大化することを目指していく。
会社情報
- 会社名
- カバー株式会社
- 設立
- 2016年6月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 谷郷 元昭
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高434億100万円、営業利益80億100万円、経常利益79億6200万円、最終利益55億5900万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 5253