
コロプラ<3668>は、Nintendo Switch向けソフト『KAZUMA KANEKO’S ツクヨミ』を2026年4月23日に発売する。本作は、『真・女神転生』シリーズなどで知られる金子一馬氏が手がけるタイトルで、カードを用いた戦闘とローグライク型のダンジョン攻略を組み合わせた作品だ。
今回は発売に先立ち、序盤を中心に1時間ほどのプレイ機会を得た。本稿では、本作のゲーム内容やプレイ感をレポートしていく。
神魔札で繰り広げる多彩な駆け引き

今回プレイしたのはゲーム序盤の一部で、5人存在するプレイアブルキャラクターのうち「十六夜月のツクヨミ」を操作する形だった。十六夜月のツクヨミは国家守護組織「維持正常化機構」に所属するエージェントであり、結界によって封鎖された超高層施設「THE HASHIRA」への潜入任務の最中、という状況からゲームは始まる。
基本的なプレイ感覚は、一人称視点でダンジョンを進む3DダンジョンRPGそのものと言っていい。内部を探索しながら上層を目指し、道中で遭遇する敵「神魔」と戦闘を重ねていく。少なくとも序盤に限れば敵との遭遇頻度はそれほど高くなく、探索の流れが途切れにくい。戦闘と移動のバランスは軽快で、閉鎖空間を着実に踏破していくテンポのよさが印象に残った。

神魔とエンカウントすると、ターン制のカードバトルがスタートする。プレイヤーは手札として配られる最大3枚のカード「神魔札」の中から行動を選択し、その都度最適な配置を考えていくことになる。神魔札の種類は大きく「攻撃」「防御」「バランス」の3系統に分かれており、神魔札の左下に記された数値が攻撃力、右下の数値が防御力を示している。
特徴的なのは、敵が次のターンにどの位置へ攻撃してくるかが事前に予測できる点だ。これにより、攻撃を受けるポイントへあらかじめ防御力の高い神魔札を配置する、といった先読みが可能になっている。
単純に攻撃力の高い神魔札だけを並べれば有利というわけではなく、防御が手薄になった箇所を突かれると一方的にダメージを受けてしまう。火力重視のデッキを組みたくなるものだが、実際には防御とのバランスを取らなければ安定した立ち回りは難しく、神魔札の選択の段階から慎重さが求められる。

加えて、神魔札の左上に記された数字は「オド」と呼ばれるコストにあたり、1ターン中にどれだけ行動できるかを左右する要素になっている。
毎ターン、プレイヤーに与えられるオドは4で、今回の試遊範囲で確認できた神魔札の消費量は0から2までだった。限られたオドの中でどの神魔札を使うかを考える必要があるため、手札3枚という少なさに対して、判断の重さはしっかりある。
もちろん、消費するオドが大きい神魔札ほど攻撃力が高かったり、特殊な効果を備えていたりする傾向がある。ただし、見どころは単純な火力の差だけではない。オドが低い防御寄りの神魔札であっても、思わぬ追加効果を持っている場合があり、数字だけを見て機械的に使い分けると本来の強みを見落としやすい。
神魔札の攻撃力や防御力だけで判断せず、テキストも含めて一枚ずつ確認していくことが、戦闘を安定させるうえで重要。
例えば、敵が防御を固めてきた場合は単純な殴り合いでは突破できない。仮に敵の防御力が50に達していると、それを上回る攻撃力を叩き出さない限りダメージは一切通らないのだ。いくら攻撃しても防御を削り切れなければ無効化されるため、手札の内容によっては無理に攻めても意味がない局面が生まれる。
こうした状況で役立つのが、消費オド0の防御系神魔札だ。その中には攻撃力を引き上げるなどの効果を持つものがあり、単体では決定打にならなくても、他の神魔札と組み合わせることで防御を突破できる可能性が出てくる。低コストゆえに見落としがちだが、局面を打開するための重要な役割を担うことがある。

各階層の最奥にはボスが待ち構えており、いずれも通常の敵とは比較にならない強さを持つ。行動パターンや防御の固さも厄介で、安易に正面から殴り合えば大きなダメージを受けることは避けられない。限られたリソースの中で的確に対処しなければ、あっという間に追い詰められる緊張感がある。
そうした強敵に対抗するうえで鍵となるのが「Break」と呼ばれるシステムだ。特定の条件を満たすと敵はBreak状態に陥り、そのターンの行動を阻止できる。さらにプレイヤー側のオドが回復するため、通常以上の回数で神魔札を使用でき、一気に攻勢へ転じることが可能になる。防御の堅い相手に対しても、この状態を作れればまとまったダメージを叩き込む好機となる。
Breakの発生条件は敵ごとに異なり、私がプレイした中では一度の攻撃で指定値以上のダメージを与えるという内容が確認できた。この場合、単純な攻撃だけでは届かないことも多く、攻撃力を強化する効果を持つ神魔札を組み合わせて最大火力を引き出す必要がある。どのタイミングで手札を切り、どの札を温存するかという判断がそのまま勝敗に直結するため、ボス戦ではとりわけ計画的な立ち回りが求められる印象だった。

リスク管理が問われる探索

バトルだけでなくダンジョンである「THE HASHIRA」の探索そのものも本作の重要な要素。移動は基本的に自動で前進し、分かれ道に差しかかった際に進路を選択する形式で、操作自体は非常に簡潔。複雑なマップを自力で歩き回るというよりは、提示されるルートの中から最適解を選び続けていく格好だ。
ミニマップには、分岐の先に何が待っているのかがおおよそ表示される。敵の存在やイベントの発生などが事前に把握できるため、現在の状況に応じて危険を避けるか、あえて踏み込むかといった判断が可能だ。
ただし、少なくとも今回のプレイ範囲では「敵と一切遭遇しない安全なルート」といった都合のよい選択肢は見当たらなかった。どの道を選んでも何らかのリスクを伴い、戦闘や消耗を避け続けることは難しい。探索の段階からリスク判断を迫られる仕組みになっている。

探索中に発生するイベントの種類も多く、その多くでプレイヤーに選択が委ねられる。だが提示される選択肢はいずれも一長一短で、明確に安全と言い切れるものはほとんどない。
たとえば神魔札が強化される代わりにプレイヤーのHPが減少したり、強力な神魔札を複製できる代償として使用不能の「邪魔札」がデッキに混入したりと、目先のメリットと長期的なデメリットが常に天秤にかけられる。

こうした仕様のため、イベントが必ずしも有利とは限らない。状況によっては、安定した報酬が見込める敵との戦闘を選んだほうが結果的に安全な場面もあり得る。戦闘を重ねればレベルも上昇し、デッキの強化にもつながるため、リスクの読めないイベントに賭けるより堅実な選択となる場合もあるだろう。

探索を進めていくと、節目ごとに「創成札」と呼ばれる特殊な報酬を入手する機会が訪れる。これは単なる固定のアイテムではなく、それまでの行動履歴に応じて内容が変化する点が特徴だ。
どの敵と戦ったか、どの地点を訪れたか、そこでどの選択をしたかといった一連のプレイが反映され、その結果として対応する強力な神魔札が創成される仕組みになっている。
さらに、入手時の選択によってはビジュアル面にもプレイヤー独自の要素を付加できる。能力だけでなく外見にもプレイヤーの意思が刻まれるため、同じ種類の札でも固有性が生まれる。
また、探索の途中で力尽きた場合でも、取得した創成札はアーカイブとして記録され、次回以降の挑戦で再び入手できる可能性がある。周回を前提とした構造の中で、プレイの蓄積が確実に次へとつながる設計になっており、失敗が完全な無駄にならない点は安心感につながっていた。

なお、全体的な難易度はローグライク要素を備えた作品としては比較的ライトに調整されている印象だった。
探索の途中で力尽きてゲームオーバーになった場合、進行はスタート地点まで戻されるものの、キャラクターのレベルはそのまま引き継がれる。すべてを失って最初からやり直しになるわけではないため、失敗の重さは控えめだ。
この仕様により、一度の挑戦で突破できなくても着実に前進している感覚が得られる。繰り返し挑むことで戦力が底上げされ、いずれは同じ障害を乗り越えられるようになっている。高度なプレイスキルを要求するというよりは、試行を重ねることで攻略が現実的になっていくタイプの難易度と言えるだろう。
シンプルながら可能性を秘めた作品…『DMC』コラボにも期待

3DダンジョンRPGとして見た場合のシステムは非常にシンプルで、同ジャンルの作品に触れてきたプレイヤーであれば戸惑うことなく入り込めるはずだ。操作や進行のわかりやすさを土台にしつつ、神魔札によって戦況が大きく左右されるランダム性が、探索全体に緊張感を与えている。手札の内容ひとつで有利にも不利にも転ぶため、順調に進んでいた状況が一瞬で揺らぐこともあり、その不確実さが独特のヒリつきを生んでいた。
本作に最初の関心を抱くきっかけは、やはり金子一馬氏が構築する世界観にあると思う。しかし実際に触れてみると、システム面の間口の広さと周回を前提とした遊びやすさが印象的で、特定のファン層に限らず幅広いプレイヤーに届く可能性を感じさせる内容だった。

さらに本作では『デビル メイ クライ 5』とのコラボレーションコンテンツも用意されているので、最後にそちらに触れておこう。
作中にはダンテ、ネロ、バージルといったキャラクターが登場し、今回の先行プレイでも特別にその姿を確認することができた。これらのキャラクターには特定のイベントを経て遭遇し、選択によっては神魔札として味方に加えることも可能。登場時の演出も原作を意識したものになっており、普段の戦闘とは異なる雰囲気が楽しめる点が印象的だった。
性能面でも十分に頼れる存在で、攻略に直結する力を持っているように見えた。実際にプレイする場合は、探索の中で彼らと出会えるルートを探してみるのもひとつの楽しみになるだろう。
©COLOPL, Inc.
©CAPCOM
(取材・文:gamebiz編集部 岸由真)
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役社長 上席執行役員 CEO 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高259億3300万円、営業利益10億200万円、経常利益18億500万円、最終損益3億600万円の赤字(2025年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668




