
ブシロード<7803>は、トレーディングカードゲーム(TCG)事業の海外展開を本格的に加速する。マレーシアと中国に海外グループ会社を新設するとともに、『パルワールド オフィシャルカードゲーム』を日本語・英語・簡体字の3言語で世界同時発売し、2027年6月期にはTCG事業の海外売上比率を同社として初めて50%超へ引き上げる方針だ。
同社の木谷高明社長は、リリースと同時に公開した動画において、「日本市場で養ったビジネスモデルをグローバル市場へ適応させるフェーズに移行している」と述べ、国内市場に依存した成長から海外市場を成長ドライバーとする戦略へシフトする考えを示した。

同社は中期ビジョン2030で「海外進出を加速する」を重点施策に掲げる。国内市場で安定した収益基盤を維持しながら、東アジア、北米に加え、東南アジアを重点地域として市場シェアを拡大していく方針で、木谷社長は「ヨーロッパ、南米、インド、中東、アフリカへも商品、サービス、IPを広げていきたい」と、より広範なグローバル展開への意欲を示した。

海外展開の基盤整備として、マレーシアと中国に新たな現地法人を設立する。マレーシアでは、韓国市場でTCG流通網を構築してきたブシロードアジアのノウハウを活用し、成長が期待される東南アジア市場に最適化した販売・流通体制を構築する。

一方、中国では上海に現地法人を設立し、簡体字版TCGを「現地製造・現地流通」へ移行する。従来の輸出モデルから転換することで、リードタイム短縮や物流コストの最適化を図り、市場競争力を高める考えだ。これにより海外グループ会社は7社体制となる。


海外戦略を象徴するタイトルとなるのが、7月30日に発売する『パルワールド オフィシャルカードゲーム』だ。日本語、英語、簡体字の3言語で世界同時発売し、第1弾ブースターパック「パルパゴスの夜明け」は世界出荷予定数350万パックを突破するなど、好調な立ち上がりを見せている。
発売に先立ち、同社は世界18以上の地域、約400店舗で先行販売会や講習会を開催しているほか、「Anime Expo 2026」やシンガポール、韓国で開催する「カードゲーム祭」でも体験会を展開。今後は世界大会の開催など競技環境の整備を進め、「一過性の流行ではなく、中長期的に収益へ貢献するTCGブランドへ育成する」としている。

今回の施策により、同社は2027年6月期のTCG事業における海外売上比率が初めて50%を超える見通しとしている。木谷社長は「カードゲームも、日本のアニメやマンガ、ゲームと同様に世界へ広がっている流れに乗っている」と述べ、TCGにとどまらず、グループ各事業でも海外展開を順次加速し、中長期的な企業価値向上につなげる考えを示した。

会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高561億7500万円、営業利益48億6800万円、経常利益48億4400万円、最終利益34億1800万円(2025年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803