角川グループホールディングス<9477>が本日(1月30日)に発表した第3四半期決算は、売上高、営業利益はほぼ前年並みだったものの、四半期純利益が前年比292倍と大きく伸びた。前年同期に計上された投資有価証券評価損23億2500万円が今期は8億7200万円に大きく減少したことによる。
同社の発表した第3四半期連結(2011年4-12月期)は、売上高1075億5100万円(前年同期比3.0%増)、営業利益55億2500万円(同2.6%増)、経常利益59億2600万円(同1.0%減)、四半期純利益35億0300万円(同292倍)だった。
主力の書籍関連は、文庫やライトノベル、コミックスの各シリーズ作品に加え、文芸書、実用書も継続的に生み出したことが奏功し、販売が好調に推移した。さらにゲームソフトやeコマース事業が順調に推移し、「BOOK☆WALKER」も「GREE」と連携し電子コミックや電子書籍の販売数を伸ばした。
ただ、雑誌・広告関連が苦戦した模様。東日本大震災の影響で販売、広告収入ともに厳しい状況が続き、映像関連でもアニメのBlu-ray作品を中心にパッケージビジネスは順調だったが、シネコン事業については震災以降、観客動員が伸びなかった、としている。
■2012年3月期
2012年3月通期は、売上高1420億円(前期比1.4%増)、営業利益85億円(同9.1%増)、経常利益88億円(同2.7%増)、当期純利益65億円(同2.1%増)を見込む。メディアファクトリーが連結対象に加わり、ライトノベルやコミックスのメディアミックス作品を中心とした書籍販売をはじめ、映像パッケージソフト、ソーシャルゲームの販売を伸長する見通し。