JPモルガン証券は、11月25日付けのレポートで、ディー・エヌ・エー<2432>について、投資判断「Underweight」でカバレッジを開始し、達成予想期間2011年11月までの目標株価を2200円に設定しました。目標株価は割引キャッシュフロー法に基づいて設定したようです。
JPモルガン証券では、DeNAについて、2010年推定シェア40%と国内SNS市場で圧倒的な強さをみせていると高く評価する一方、前年同期比での成長率はピークを打ったとし、短期的な利益見通しは良好とはいえ、成長ペースの鈍化は投資対象として魅力に欠けよう、としています。同証券のDeNAの業績予想は、2011年3月期の営業利益が555億円(前期比160.8%増)で、2012年3月期が640億円(前期比15.3%増)、2013年3月期が618億円(前期比3.3%減)です。
では、なぜ成長が鈍化すると見ているのか。その理由は、以下のとおりです。
(1)国内市場
携帯ソーシャルゲーム市場は、成長市場であり、需給バランスはヒットコンテンツを有する先発企業が有利。しかし、市場に出回るゲーム数が増えていることから、携帯ソーシャルゲームのビジネスは、新規ユーザーの獲得とアクティビティの維持を重視していくと考えられ、そのため、販促費用の増大を受けた営業利益の減少が予想される。国内市場で需要が再び活気づくとは考えにくい。
(2)海外市場
海外市場は、非常に競争が厳しく、国内市場と同様の成功を収めることは極めて難しいだろう。ngmoco買収による海外のリソースや「Plus+」へのアクセスを確保したものの、ニッチなサービスにとどまると予想する。海外ユーザーは、リアルなソーシャルグラフでの交流を好むため。
このようにJPモルガン証券のDeNAに対する評価は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の評価および業績予想とかなり違っていますが、これは主に、国内ソーシャルゲーム市場の成長性や競争状態に関する見通しと、海外市場でのDeNAの競争力に関する評価の違いに起因しているように思われます。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432