【仕掛中】ソーシャルゲーム・アプリの会計処理について

 ソーシャルゲームの会計処理について、勉強してみました。このエントリーは、そのまとめメモです。ただし、仕掛中。会計原則に基づく処理と、社内承認手続きがごっちゃになっていたり、勉強中でまとまりがなかったりで、読みづらいかと思います。簿記やソフトウェア会計について、もう少し勉強する必要がありそうです。 ■制作前・・・どういった会計処理にするかの選択。  ソーシャルゲームは、一般的にASPのような形でユーザーに提供されますが、市場販売目的のソフトウェアか、自社利用目的かを選択する必要があります。  これについては、オンラインゲームなどの会計処理と同じく、、後者を利用するケースが多いようです。制作中、PLに与える影響が少ないことと、ゲームのソフトウェアを自社で保有し、ユーザーにはソフトウェアの利用を貸し出しているという事業実態から考えても、後者が妥当のようですね。  (1)販売目的ソフトウェア…マスター版が完成するまでの制作費は、研究開発費として費用処理する。その後の制作費は、ソフトウェアとして処理する(実務上、ほとんどないようだが)。  (2)自社利用ソフトウェア…将来の収益の獲得が認められれば、制作開始時点から資産計上することができる。ただ、そのためには、事業計画をつくって、取締役会などで機関決定しておく必要があります。  耐用年数については、国税庁によれば、「複写して販売するための原本」及び「研究開発用のもの」を3年、「その他のもの」を5年とされています。この期間、定額法で減価償却を行っていくことになります。  ただ、3年もしくは5年以内でも問題はないようです。例えば、DeNAでは、ウェブを利用したサービスについては2年で償却しているようです。  私の前の勤め先で、ソーシャルゲームの開発を始める前、自社利用ソフトウェアにするか、販売目的にするかで議論になりましたが、結局、自社利用目的になりました。  その決定後、会議で、財務担当が「会計処理は販売目体やから…」などと発言して、経理担当が「いえ、自社利用ですから!」と切れ気味に指摘していたのを覚えています(2回くらいみました)。とにかく専門家でもわかりづらいということで。  また、制作開始前のプリプロなどについては、機関決定を経ない場合、「研究開発費」として処理する必要がありそうです。 ※ここでの機関決定は、ガバナンス的な問題もありますが、監査や税務調査を受ける場合にも「将来の収益獲得の可能性」を担保する根拠資料として重要になるようです。  ■制作中…制作費は資産に計上  制作にかかる製造原価については、ゲームソフト制作などと同じく、無形固定資産に、「仕掛品」もしくは「ソフトウェア仮勘定」を計上します。貸方は、現金及び現金同等物。外部の会社にデバッグを頼んだ場合、原価に組み入れられます。 仕分け 【借方】ソフトウェア仮勘定(or 仕掛品) 【貸方】現金及び現金同等物 ■制作完了→商用サービス開始…償却開始  制作が無事完了し、商用サービスを開始します。その際の会計処理は、「仕掛品」もしくは「ソフトウェア仮勘定」を「ソフトウェア」勘定に振り返えます。 仕分け 【借方】ソフトウェア 【貸方】ソフトウェア仮勘定(or 仕掛品)  また、定めた耐用年数に基づいて、毎月の償却額を決定し、減価償却費として費用処理を開始します。  例えば、開発費1200万円・耐用年数2年のプロジェクトならば、課金サービス開始後、24ヵ月にわたって毎月50万円を減価償却費を計上することになります。減価償却費は、1200万円÷24ヵ月=50万円で計算しました。  仕分け(直接法) 【借方】減価償却 【貸方】ソフトウェア ■まとめ  ソーシャルゲームの運営に係る費用は、減価償却費のほかに、サーバーや回線費用、運営費(追加開発に係る人件費も含む)、広報・販促費、その他販管費などから構成されます。  つまり、毎月の売上がこれらをオーバーしていれば、無事、利益が出ましたと言うことになります。  毎月数十万円の減価償却費が継続的に計上されるということはPL上の負担は意外と重いかもしれないですね。上記仮設例で開発費500万円でも毎月21万円程度の費用負担が出てくるわけですし。  また、減価償却費すら出ないという状況になったとき、会社としてはサービスを停止するか、再度、事業計画を作り直して機関決定する必要があるでしょう。いずれにしても、減損損失として特損を計上する必要があるようです。