5月7日よりソーシャルゲーム関連企業の決算発表シーズンが本格化する。すでにボルテージやサイバーエージェントなどが先行して決算発表を済ませたが、プラットフォーマーを中心に大手ゲームメーカーや主要なソーシャルゲーム関連企業の決算が相次いで開示される予定だ。5月7日にカプコン、5月8日にグリー、バンダイナムコHD、9日はディー・エヌ・エー、5月10日はコナミとドリコム、コーエーテクモHD、ガンホーOE、11日はミクシィ、セガサミーHD、14日にスクウェア・エニックスHD、クルーズなどとなっている(下表、上場企業のIRサイトと、ないものは
東証の決算発表予定を参照した)。
日付 |
予定企業 |
5月7日 |
カプコン、アクセルマーク |
5月8日 |
グリー、バンダイナムコホールディングス、インタースペース |
5月9日 |
ディー・エヌ・エー |
5月10日 |
コナミ、コーエーテクモホールディングス、ドリコム、アドウェイズ、ガンホー・オンラインオンライン・エンターテイメント、ドワンゴ、マーベラスAQL |
5月11日 |
ミクシィ、セガサミーホールディングス |
5月14日 |
クルーズ、スクウェア・エニックスホールディングス |
5月15日 |
ガーラ |
5月中 |
アエリア |
ポイントになりそうなのが、ここ数日報じられているように、ガチャの規制が企業業績に与える影響だろう。各社は、何らかの形で見解を出すものと予想される。正式発表が休み明けで報道や憶測などの情報が錯綜しているのと、実務上、ガチャの売上のうち、コンプの影響を分けるのは困難とみられる。このため、「コンプガチャを中止した場合、このくらいの影響が出る」といった試算までいかなくても、ざっくりと何割を占める、あるいは「ある・軽微・なし」といった程度のコメントが出るかもしれない。冷静に考えると、コンプガチャの業績への寄与度については、やや誇張されているような気もするのだが、果たしてどうか。
もうひとつは、国内ソーシャルゲーム市場の成長性を占ううえでも、各社の第4四半期の実績と、今後の見通しがこれまで以上に注目されるだろう。これまで前四半期比(QonQ)ベースで30%以上と高い利益成長を実現した各社だが、徐々に明暗分かれるようになってきた。前四半期比で横ばい、もしくはマイナスになる企業が出ている。Cygamesやサムザップ、アプリボット、CyberXなどを擁するサイバーエージェントなどのように高い成長性と収益性を持続できるかどうか、それらを実現するための方針や施策も注目される。
このほか、プラットフォーマーの情報開示の不足も、資本市場関係者から指摘されている。あるアナリストは、「ディー・エヌ・エーとグリーの決算説明会資料は、その時々の問題やトピックを取り上げるなど充実している。しかし、成長性を評価するための数字が不足気味」と指摘していた。会員数や会員属性など登録ベースの数字だけでなく、ログインベースでのデータやMAU、DAU、ARPUなどの指標が欲しいという。これまで開示された数字だけでは成長性が評価しづらいため、好決算を発表するたびに「ピークアウトが近いのではないか」という疑念が生まれやすいようである。