TIW、DeNAについて投資判断「1」の継続 成長に向けたビジョンと実行力を評価

 独立系調査会社のTIWは、12月10日付けのレポートで、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>のレーティングについて「1(Positive)」の継続としました。足元の業績は、過年度に見られた収益の伸び率が低くなるフェーズであるうえ、公正取引委員会の見解も不明であるため、株価が足踏みする可能性は否定できないものの、DeNA経営陣の成長へ向けたビジョンと実行力は明確である、と高く評価しています。

 今後の成長の鍵となるのは海外部門。先の米国ngmocoの買収により、海外での収益拡大への道筋が拓けたとTIWは考えているそうです。海外のモバイルコンテンツは、スマートフォンを中心に成長すると見られ、ngmocoはその分野で実績が豊富なだけでなく、EAで実績をあげたニール・ヤング氏など海外の知見や、登録ユーザー数1200万人の「plus+Network」を手に入れたことが大きいとのこと。

 2011年前半を目処に投入するゲーム開発エンジン「ngGame」と合わせ、内製ゲームの収益化やオープンゲームの収益化、ユーザーの囲い込みと深堀りという歯車がかみ合わさり、国内外で収益増が図れるとみているようです。またTIWでは、現状のngmocoは赤字企業であり、利益貢献は2013年3月期からになる予想しています。

 また、公正取引委員会による立入検査の影響については、検査に至った理由が、コンテンツプロバイダーに「GREE」との契約を結ばないように働きかけたこと、自社と契約を結ぶよう強要していた疑いがある模様。ただ、詳細は不明であるため、業務停止に至るか、制裁金の額などの判断は現状ではし難い状況にあるとコメント。どちらにしても、短期的な株価へのインパクトは避けられない、としています。

 なお、TIWでは、2011年3月期の業績予想を上方修正し、売上高を従来の998億円(前期比10.7%増)から1090億円(同12.7%増)に、営業利益を500億円(同135%増)から520億円(同145%増)、純利益を295億円(同159%増)から300億円(同164%増)としました。2012年3月期については、売上高1290億円(前期比18%増)、営業利益630億円(同21%増)、純利益360億円(同20%増)とする従来予想を据え置いています。

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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