
ドリコム<3793>は、6月28日、2012年3月期の「有価証券報告書」を開示しており、グリーとミクシィ経由の売上高の全体に占める割合が77%の55億6000万円に達していることが明らかになった。決算短信などでは公式サイトとの合算値が発表されていた。
ここでさらに注目すべき点は、その内訳だろう。グリーの販売金額が28億5800万円で全体に占める割合が39.8%であったのに対し、ミクシィについては27億円で37.6%だった。ミクシィ向けの販売金額は、グリーでの販売金額に匹敵する規模となっていたことがわかる。

ドリコムでは、「mixi」では「GREE」と同様、「ビックリマン」や「陰陽師」「ソード×ソード」「ちょこっとファーム」などのソーシャルゲームを展開するともに他社コンテンツのパブリッシング、リワード広告を提供している。「mixi」経由での売上が伸びている旨のアナウンスを行なっていたが、ここまでの規模になると予想できた人はどの位いただろうか。
また、ここ最近、「mixi」については、経営体制を巡って、ネガティブな報道がなされているが、ソーシャルゲームのプラットフォームとしての魅力は十分にあると言えそうである。
■ドリコムの販売先上位の変遷
なお、これまでのドリコムの販売先上位を示したのが以下のグラフである。2009年3月期~2011年3月期では、売上に占める公式サイトの比率が高く、販売先上位には携帯電話キャリアが名を連ねていたが、2012年に一変した。今から振り返ると、2011年3月期は事業の再構築の年だったと位置づけられるかもしれない。

■順調に伸びる業績
ドリコムの四半期ごとの売上高と営業利益の推移は下記のように大きく伸びている。フィーチャフォン向けの公式コンテンツなどを縮小し、ソーシャルゲーム関連事業に経営資源を集中したことが奏功したといえよう。

今期は、「GREE」で新作「戦国フロンティア」をリリースし順調に会員数を集めている一方、SAPの利用が必須となっている「mixi」の公式リワード広告などが通年で寄与する見通し。さらに、ソーシャルラーニングや海外事業も開始しており、さらなる収益の伸びが期待される。