独自のモバイルゲームプラットフォーム「Mobcast」を展開するモブキャスト<3664>は、本日(8月7日)、2012年12月期の業績予想を上方修正し、売上高45億円(前回予想38億1400万円)、営業利益11億2500万円(同10億円)、経常利益11億1500万円(同9億9700万円)、当期純利益6億6900万円(同5億9100万円)とした。
従来予想と比較した際の修正率は、売上高が18.0%増、営業利益が12.5%増、経常利益が11.8%増、当期純利益が13.2%増となる。
会社側では、修正の理由について、「モバプロ」と「モバダビ」が会員数、売上高ともに堅調に推移していることに加え、7月10日に配信を開始した新タイトル「モバサカ」の会員数も順調に増加しており、第3四半期以降の収益に大きく貢献すると予想されるため、としている。
さらにプロ野球シーズンの開幕に合わせ第2四半期に大きく展開したプロモーションの効果が第3四半期以降も寄与すると予想されるという。広告宣伝費は、年間の予想売上高に応じた年間予算を設定し、季節要因などを考慮しながら展開していることから、第3四半期と第4四半期では第2四半期に比べて減少する。
また、オープン化も計画しており、これについては売上については予算には含まれておらず、経費のみ予算に計上した模様。このほか、自社開発のソーシャルゲームエンジンMSGEのライセンス展開も行なっていく予定。
■4-6月期は広告宣伝費の集中投下のためQonQで減益
同時に発表した第2四半期会計期間(4-6月期)の決算は、売上高12億0100万円(前四半期比11.0%増)、営業利益1億5400万円(同37.9%減)、経常利益1億4600万円(同40.9%減)、四半期純利益8400万円(同41.3%減)だった。
売上については、「モバプロ」と「モバダビ」ともに会員数を増やすとともに、課金利用者数も増加したとのこと。コンプガチャ騒動がソーシャルゲーム業界であったが、同社のタイトルでは導入されていないため、影響は全くなかったという。
利益面は前四半期比で減益だったが、プロ野球開幕に合わせて積極的な広告展開を行ったことに加え、開発人員を増やしたため。業績予想の項目でも書いたように、第3四半期以降、広告宣伝費が減少するため、通期では予想を上回る見通しだ。
また興味深いことに課金会員数とARPPU(課金者1人あたりの課金額)の推移も公開されている。モブキャストでは、4000-6000円の範囲内で長く遊べるよう、ゲームバランスを調整しているという。この点、高ARPPUを追求しがちな大手SAPとは一線を画すものといえよう。
また会員数についても順調に増加し、240万人を突破した。会員属性のうち、男性が81%、女性19%で、課金会員数については男性が91%、女性9%となった。年齢別では、会員数は10代が42%、20代が41%と多いが、課金割当については20代が47%、30代が34%となっている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社モブキャストホールディングス
- 設立
- 2004年3月
- 代表者
- 代表取締役CEO 藪 考樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3664