ボルテージ、2012年6月期は恋ゲーム好調で営業益12%増…第4四半期の収益はQonQで横ばい

ボルテージ<3639>は、本日(8月14日)、2012年6月期の決算を発表し、売上高80億6600万円(前期比27.1%増)、営業利益8億5700万円(同11.9%増)、経常利益8億5900万円(同12.9%増)、当期純利益5億1100万円(同15.2%増)だった。

 

 

 

同社では、「恋ゲーム」を中心とするモバイルコンテンツ事業の売上が伸びたことが主な増収・増益要因だったとしている。ソーシャルアプリの売上増による販売手数料の増加やテレビCMの積極出稿による広告宣伝費の増加などがあったものの、売り上げの伸びで吸収した。

新規タイトルのリリース状況は以下のとおり。

■ソーシャルアプリが9タイトルを立ち上げ、「王子様のプロポーズ for GREE」などの第3世代3タイトルを投入した。また、SNSプラットフォームを限定的に拡大し、システム開発の面でもフィーチャーフォン向けとスマートフォン向けの一体開発による開発期間の短縮と品質向上を図るため、Web開発フレームワーク「SVF」の開発を進めた。

■キャリア公式サイトは、38タイトル(うちスマートフォン向けは月額課金版27タイトル、落切課金版6タイトル)を立ち上げ、フィーチャーフォン向けは「誓いのキスは突然に★」など新規5タイトルを投入。またスマートフォン向けアプリ開発ライブラリ「A-Vapl」の初期開発を完了し、開発の効率化を図った。集客はテレビCM「ベツカレ」を2011年7月・8月・10月・11月に出稿し、新シリーズを2012年2月・4月に出稿した。

■海外市場向けは「Romance Sims」シリーズとして、スマートフォンアプリ「Pirates in Love」「My Forged Wedding」のほか、ソーシャルアプリ「Be My Princess for GREE」を立ち上げた。

この結果、2012年6月末時点の運用するソーシャルアプリは20タイトル、キャリア公式サイトは115タイトル、海外市場向けは3タイトルとなった。

 

■4-6月期の売上・利益は前四半期比(QonQ)でほぼ横ばい

なお、第4四半期(4-6月期)に限ると、売上高21億9400万円(前四半期比3.1%増)、営業利益2億7000万円(同1.5%増)、経常利益2億6800万円(同0.7%減)、四半期純利益1億6500万円(同3.8%増)だった。

コンプガチャ騒動の影響でQonQで売上・利益を落としたSAPが多かったが、同社についてはほぼ横ばいだった。コンプガチャへの依存度が低かったことに加え、公式サイトやスマートフォンアプリなどソーアプ以外の収益の比率が高いためとみられる。

 

■2013年6月期の見通し

2013年6月期は、売上高96億円(前期比19.0%増)、営業利益10億円(同16.7%増)、経常利益9億9800万円(同16.2%増)、当期純利益6億1800万円(同20.9%増)を見込む。

 

 

■ソーシャルアプリは、第4世代タイトルを今夏以降に順次配信し、ソーシャル要素の充実により、顧客単価の向上を図る。サイト間導客を強化するとともに、同社として初めてとなるソーシャルアプリ向けテレビCMを第1四半期より出稿し、ユーザー数の向上に努める。システム開発の面では、Web開発フレームワーク「S-VF」の初期開発を8月目途で完了し、フィーチャーフォン向けとスマートフォン向けの一体化による、開発期間の短縮と品質向上の両立を図る。第2四半期に、システム開発に特化した国内拠点を新設し、開発体制の強化を図る。

■キャリア公式サイトは、個別課金とシーズン展開の強化により、顧客単価の向上を図る。また、サイト間導客を強化するとともに、テレビCMや街頭広告を連動させたキャンペーンを第1四半期より実施し、ユーザー数の向上に努める。システム開発の面では、Web開発フレームワーク開発「K-VF」の進化による効率化を図る計画。

■スマートフォンアプリは、チケット制導入とサイト間導客の強化により、顧客単価の向上を図る。また、通期で約10タイトルを配信することなどで、ユーザー数の向上に努める。システム開発の面では、アプリ開発ライブラリ「A-Vapl」の進化による効率化を図る。

■海外市場向けスマートフォンアプリは、当社と米国子会社の1ライン体制で制作し、北米市場への配信を本格化する。

なお、体制強化に伴う大幅増員による労務費・外注費の増加、ソーシャルアプリの売上増に伴う販売手数料の増加などがあるものの、売上高の増加と効果的な広告出稿などが想定される、としている。

株式会社ボルテージ
http://www.voltage.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ボルテージ
設立
1999年9月
代表者
代表取締役社長 津谷 祐司
決算期
6月
直近業績
売上高42億5700万円、営業損益8400万円の赤字、経常損益6300万円の赤字、最終損益3900万円の赤字(2023年6月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3639
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