gloopsがTGSで戦略説明会を開催…初公開の決算情報やDeNAとのタッグで世界を攻略
この成長を支えたのは、いうまでもなく提供するソーシャルゲームが人気を集めたことだ。提供中のソーシャルゲームの会員数は延べ1800万人を超えており、過去1年で3倍以上に伸びた。
川方氏は、ユーザーから支持された要因として、男性向けのバトル系ゲームに特化したコンテンツ展開を行なっており、多くの運営ノウハウと固定ファンを抱えていることをあげた。さらに、データ分析の専門部署を設け、リアルタイムでデータ分析とゲーム内容の改善を最短で行なっていることがあげられるという。
今後の展開として、日本での開発・運営ノウハウを活かし、「ソーシャルゲームの日本代表」として海外での事業活動を展開し、「世界で勝つ」ことを目指す。アメリカのサンフランシスコとベトナムのホーチミンにそれぞれ拠点を設けているほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>と海外でのソーシャルゲームの展開に関して包括的業務提携を行う。
提携の内容は、DeNAがgloopsのコンテンツへの集客サポートと海外展開のノウハウを提供する一方、gloopsは、「Mobage West」向けに年内5タイトル、2013年度中に5タイトルをリリースするほか、「Mobage China」、「Daum Mobage」向けに年内それぞれ1タイトルをリリースする。また米国で人気を誇るIPパートナーと提携したコンテンツをMobage上で提供する。
具体的なタイトルとして、「大連携!!オーディンバトル」のようなリアルタイムバトルや、「大進撃!!ドラゴン騎士団」のようなギルド系チームバトルをあげた。
■DeNAの守安氏が提携の経緯を明かす
今回の提携の経緯について、スペシャルゲストとして登場したDeNA代表取締役社長の守安功氏は、2010年はじめのモバゲータウン(当時)をオープン化したときの初期パートナーであるgloopsは、一緒にソーシャルゲーム市場を育ててきた仲間であること、そして、昨年実施した国内包括提携を行った成果が大きかったこともあり、海外展開にあたっても「ガッチリとタッグを組んでやりたい」という両社共通の思いがあったと説明した。
また、川方氏も、DeNAの持つ海外での豊富なマーケティングノウハウと、gloopsのソーシャルゲームの開発・運営ノウハウがうまく融合できれば、必ず成功できると確信しており、スムーズに契約することができたと語った。これを受けて、守安氏は、海外のマーケットは、非常に大きいが、1社単体では難しい。両社が協業を深めて取り組むことで、日本発のソーシャルゲーム市場を海外でつくりたいと意気込みを示した。
■日本でヒットしたソーシャルゲームを海外で展開
海外戦略の展開については、守安氏は、DeNAとしては2年前から海外展開を積極的に進めており、ここにきて徐々に成果が出てきたという。Google Playの売上ランキングでトップ10に3タイトル入るなど、日本で開発したソーシャルゲームは海外のユーザーからも受け入れられることがわかってきたとし、日本で成功したタイトルを海外展開することで、かなりのマーケットシェアを取れる可能性がある、楽しみにしている、との期待を示した。つまり国内でヒットしたgloopsのタイトルを海外で展開させていく方針。
最後に夢について問われると、守安氏は、「子供の頃、コンソールゲームが好きだったが、社会人になると時間がとれず、ゲームから離れてしまいました。ソーシャルゲームは、空いた時間で手軽に楽しめ、私自身もゲームに触れるきっかけを取り戻せました。そして、私と同じようにゲームから離れてしまった方にも新たな楽しみを提供できていると考えていますので、そういうサービスを世界中に広げたい。日本で開発したソーシャルゲームを世界中の方に遊んでもらいたい」と回答した。
川方氏は、「エンターテイメント集団であり、誰もが楽しめる良質なWEBサービスをどんどん展開していきたいと考えています。世界の誰もがこのサービスはgloopsがつくったんだとわかっていただけるような良いサービスをだしていきたいです」と語った。
会社情報
- 会社名
- 株式会社gloops
- 設立
- 2005年8月
- 代表者
- 李 仁
- 決算期
- 12月
- 上場区分
- 非上場
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432