ベクター、第2四半期決算は減収・赤字転落…不正アクセスによる顧客離れで

オンラインゲームやソフトウェアの販売を手がけるベクター<2656>は、本日(10月23日)、第2四半期(4~9月期)の決算を発表し、営業収益11億8300万円(前年同期比38.1%減)、営業損益2億2000万円の赤字(前年同期9100万円の黒字)、経常損益2億1600万円の赤字(同9800万円の黒字)、四半期純損益2億6300万円の赤字(同4700万円の黒字)だった。     同社では、前期末に発生したサーバーへの不正アクセス事案に伴う事後処理が完了したものの、信用低下による痛手から立ち直るまでには至らず、営業収益が前年同期比で大きなマイナスとなった。ただし、第1四半期が45.8%減、第2四半期が28.9%減となり、第2四半期に入って減収幅が縮小した。 損益面では、営業収益が大幅に減少したため、人件費などの固定費負担を吸収することができなかったため、営業損益、経常損益は赤字だった。さらに、最終損益については、オンラインゲーム事業に係るソフトウェアの除却損と減損損失など特別損失1800万円を計上したことも響いた。 ■オンラインゲーム事業の販売金額は前年同期比34.5%減の9億0300万円だった。「晴空物語」や「アークフロンティア」などオンラインゲーム11タイトルを運営したほか、ブラウザゲーム7タイトル、モバイルゲーム5タイトルの運営を行った。ブラウザーゲームについては、クライアントダウンロード型のオンラインゲームに比べて表現力に劣ることや、ライトユーザーがスマートフォンにシフトしているため、一時ほどの勢いはないとのこと。またモバイルゲームは、競争激化により苦戦しているという。 ■ソフトウェア販売事業の販売金額は、前年同期比53.0%減の2億1500マン円だった。このうち、プロレジ・サービスの販売金額が同48.2%減の2億0400万円だった。ソフトウェアのダウンロード販売事業は、ウイルス対策ソフトは依然根強い需要があるものの、消費者の有料パソコンソフトに対する需要は、減少しつつあり、期半ばのクレジットカードの取扱再開後も不振が続いた、としている。   ■2013年3月期の業績予想 2013年3月期は、営業収益18億8000万円(前期比34.1%減)、営業損益2億7400万円の赤字、経常損益2億7000万円の赤字、当期純損益4億1500万円の赤字を見込む。