サイバーエージェント<4751>は、この日(1月31日)、2013年9月期第1四半期の決算説明会資料を開示した。今回の決算での注目点としては、
(1)SAP事業の収益動向
(2)「Amebaスマホ」の足元の動向
であろう。様々な論点の含まれる興味深い資料だが、今回はこの2点に絞ってみていこう。
(1)SAP事業の収益動向
10-12月期のSAP事業の売上高は、前四半期比8.2%増の124億1200万円だった。内訳は、国内が同1.7%増の95億1000万円、海外が同36.8%増の29億0200万円だった。主に海外での収益の伸びによってけん引された。この結果、海外での売上比率は23.4%となった。海外で苦戦しているSAPが多い中、ここまで売上が出せるのは同社くらいではないか。
国内は「神撃のバハムート」と「アイドルマスターシンデレラガールズ」が中心となり、「戦国サーガ」、「不良道」、「レジェンドオブモンスターズ」、「サカつくS ワールドスターズ」などが寄与したようだ。また海外については、「Rage of Bahamut」が米国に続いて、韓国でもヒットし、中国、台湾・香港・マカオでもリリースされた。アプリボットの「LEGEND OF THE CRYPTIDS」も引き続き堅調だった模様。
今後も国内外での展開を引き続き強化していくとのこと。『神撃のバハムート』と「LEGEND OF THE CRYPTIDS」の多国展開を進めるとともに、両タイトルに続くヒットタイトルの創出が今後のポイントになりそうだ。
(2)Amebaスマホ
Ameba関連事業は、売上高65億円(同7.9%増)、営業損益31億円の赤字(前年同期17億円の黒字)だった。総額30億円もの大規模プロモーションの実施によるものだが、トラフィックや会員数の変化はどうだったのだろうか。
まず、PV数については、2012年12月は9月に比べて15.3%増の120億PVとなった。また、12月末の会員数は9月末比で72.8%増の655万人となり、新規会員に占める男性比率も33%から44%に上昇した。「ガールフレンド(仮)」など男性向けコンテンツが寄与したものとみられる。MAUも9月の286万人から21.6%伸び348万人となった。
また仮想通貨の利用額を示す「スペンド額」については、9月の2.5億から8億に伸びた。1月には10億にまで伸びる見通し。1月末時点での内製ソーシャルゲームは38タイトル、サードパーティを含めると77タイトルになるとのこと。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751