ファンコミュニケーションズの4月の月次速報-アフィリエイト中心に拡大続く

ファンコミュニケーションズ<2461>が4月15日に月次業績速報を発表し、前年同月比14.4%増の約8億17000万円だった。2011年は1月25.3%増、2月25.7%増と好調に推移していることが伺える。今回、もう少し以前からの推移を見てみたいと思ったので、それをさかのぼってグラフ化してみたのが今回の記事だ。 下のグラフは、PCアフィリエイト(黄緑)、携帯アフィリエイト(赤)、自社媒体(紫)、他社広告販売その他(水色)の月次売上高の推移だ。データは、同社の開示した月次業績速報を集計したもの。このグラフを見て、すぐに気づくのは、全体的に売上が右肩上がりで推移でいることだ。2008年1月には4億円程度だった月次売上が倍以上の8億円にもなっている。 また、こうした売上の大きな伸びは、もっぱら携帯アフィリエイトとPCアフィリエイトの伸びによるものであることがわかる。2008年1月時点で3億8000万円だったPCは、5億5000万円を超え、携帯向けは6000万円台から月次2億円まで伸びている。この携帯アフィリエイトには、「Moba8.net」だけでなく、クリック課金型モバイルアドネットワーク「アドカボ」や、スマートフォン向けアドネットワーク「ネンド」の売上も含まれているので注意してほしい。     次に、各項目が増減にどれだけ寄与したかを調べるため、月次売上を四半期ごとに集計し直して、さらに前年同四半期比での各項目の寄与率を計算してみた。寄与率とは、全体の売上に対して、各項目がどれだけ貢献したかを%表示で示す指標で、各項目の合計は100%となる。数字が高くなるほど増加に寄与したことを示し、マイナスになったりすると全体の足を引っ張っていることになる。また月次データをそのまま使わないのは、単月レベルでは振れが大きすぎて、こうした処理には適さないためだ。     さて、グラフでもわかることだったが、やはりPCアフィリエイトと携帯アフィリエイトが一貫して高い寄与率を維持していることがわかる。携帯アフィリエイトについては、2010年2Qと3Qで100%を超え、他の項目のマイナス分をカバーするほどとなっていた。その反面、自社媒体や他社広告販売その他については寄与率は小さく、マイナスになることも少なくなかった。同社の2010年12月期の決算説明会資料では自社媒体が好調と記載されていたが、4Q以後、伸び悩んでいるようにも見える。 スマートフォンの普及がするなか、携帯アフィリエイトは引き続き伸びていきそうだが、PC向けアフィリエイトがどうなっていくのかも、非常に興味深いところだ。広告費の捻出が厳しい企業にとってはアフィリエイト広告は、不正行為さえなければ、他の広告に比べて費用対効果の高い広告であることは間違いない。今後、景気後退が予想されるが、そうした中だからこそ、同社の活躍余地は広がっていきそうである。