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【UNITE JAPAN 2014】「コンセプト⇔ゲームデザイン どう合わせる?」…ゲームにおける「面白さ」を分解して、様々な角度から見つめ直す本講演

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ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社は、2014年4月7日、8日の2日間にわたり、Unity 最大のカンファレンスイベント「UNITE JAPAN 2014」を、ホテル日航東京で開催した。当日はプロの開発者を対象としたものから、ビギナー向けの簡単なものまで、Unityに関する30以上の講演が実施。

本稿では、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社の簗瀬洋平氏が登壇した、「コンセプト⇔ゲームデザイン どう合わせるか?」の模様をレポート。ゲームにおける「面白さ」を分解して、様々な角度から見つめ直す講演内容となった。

 

■「面白い」って?


講演を務めるゲームデザイン研究者の簗瀬氏は、これまで多くのシミュレーションRPGのほか、人気アクションゲーム『ワンダと巨像』などの開発にも携わった、ゲームデザイナー/シナリオライターとして15年ものキャリアを持つ人物。

講演では、はじめに簗瀬氏が「みなさん、面白いゲーム作っていますか?」という質問を参加者に投げかけた。もちろん自身が手掛けたゲームを面白いと思いたいところだが、簗瀬氏はユーザーがどのようにして“面白い”ということを感じてくれるかを、開発者自身が知るべきだと述べた。

「そもそも面白さには段階があります」と簗瀬氏。たとえば、はじめに人から評判を聞いたり、勧めてきたりするところから、人は「聞いて面白い」と思うもの。すると、そこから検索するなどして、公式サイトやプロモーションビデオを経て、「見て面白い」に結びつく。

次にようやく「遊んで面白い」に到達するのだが、昨今のスマートフォンゲームにおいては、継続的なサービスが必須であることを考えれば、「続けて面白い」もカバーすることが必要。このように、「面白さ」ひとつとっても様々な段階を踏んでいくということだ。

しかし、恐らくゲームを開発する多くの人が、自身が手掛けるゲームの面白さを考える際に、「遊んで面白い」のみしか考えない人が多いと簗瀬氏は話す。

また、面白さは段階を踏むと同時にハードルが上がっていくことも告げた。たとえば「見て面白い」の際には、そこで見て気に入らなければ遊ぶことには結びつかない。仮に「遊んで面白い」に到達したからといって操作性が悪ければ続けてもくれない。つまり作品に対しての面白さは、接していくほどユーザーを取りこぼしていくことが、必然的に起こりうるということだ。




続いて、昨今のスマートフォンアプリに傾向のある「○○×RPG」の話題に。『パズル&ドラゴンズ』のヒットを皮切りに、各社一斉にパズルに代わるジャンルを組み合わせて、「○○×RPG」を開発してきたが、開発者にとっては二番煎じを狙うようで辛く思うこともあるだろう。とはいえ、すでにゲームのシステム部分的には最低限「面白そう」と思ってもらえる土台が保証されているため、やはり一定数のユーザーには響くとのこと。

また、開発者の視点から見れば「スマートフォン向けのアプリを長く遊ばせる工夫として、“RPG”という文言を加えている」と簗瀬氏は言う。さらにユーザー視点から見れば、RPGには「続けて面白い」と思える“成長要素”が備えられているほか、そもそもRPGには脈々と受け継がれてきたコンテキスト(文脈)が存在するため、他ジャンルよりも圧倒的に間口が広いことも指摘。カジュアルゲームのイメージが強いモバイルプラットフォームにおいては、やはり“RPG”という文言が付くことでやり応えや魅力などを、ユーザーに訴求させやすいという見方もあるようだ。

 

■「ドラクエってどんなゲームですか?」


簗瀬氏は参加者に問いかけた。大人気RPGシリーズ『ドラクエ』(ドラゴンクエスト)を一言で説明するならば、だいたいの人が「勇者が冒険して世界を救う」と説明するだろう。しかし、思えば『ドラクエ』で遊んでいるときの大半が敵と戦っていることが多い。的確なコマンド(選択)を繰り出して、絶妙な難易度が定められた奥深いバトルにこそ、『ドラクエ』の魅力や面白さがあるものだ。

ただ、人に『ドラクエ』を紹介するときは、バトルのことを説明してもピンとこないだろう。「結局は“冒険して世界を救う”という要素が軸となっている」と簗瀬氏が言うように、奥深いバトルを効率の良いコマンドで切り抜けていくのは、すべての場面において“世界を救うために先に進む”という目的があるからこそ。「『ドラクエ』のようにユーザーの欲求と、ゲームデザインが結びついたタイトルは非常に伝わりやすい。誰もが納得するコンセプトが必要」と簗瀬氏は話した。




それでは、果たしてゲーム開発では「コンセプト」から作れたばいいのか、それとも「ゲームデザイン」から作ればいいのか。これに対して簗瀬氏は、「どちらも一長一短」とコメントした。たとえばコンセプトからゲームデザインに落とす場合は、現実というモデルをデフォルメしていく道筋があると指摘。また、プレゼンスが上がると期待も高まるが、似たものになりやすい懸念点も挙げた。

対してゲームデザインからコンセプトがわかるビジュアルを模索する場合は、必要最小限の要素で組みやすいとコメント。また、受け手側には解釈する能力や想像力が要求されるが、必ずしもデザインにあった視覚表現が見つかるとは限らないという。

そこで最低限考えるのは、「文化的差異の少ない要素を使う」ということだと簗瀬氏は話す。これについては、世界的大ヒットアクションゲーム『Angry Birds』を引き合いに出して説明してくれた。

『Angry Birds』の冒頭では、主人公サイドの鳥の卵が、悪い豚たちに奪われるところからはじまる。そして鳥たちは、その卵を取り戻すために、敵地目掛けて特攻しに行く……。といった物語を、一切セリフを用いずイラストだけで説明しているところが、まさに「文化的差異の少ない要素を使っている」と指摘。というのも自分の子となる卵を奪われば、世界共通で芽生える感情は同じもの。こうした導入部分を意識して取り入れているゲームは、世界に通用しやすいという。
 

▲『Angry Birds』で卵が奪われる冒頭シーン


「とはいえ、これらは必ずしも答えではない」と簗瀬氏は言葉を添えた。というのもコンテキスト(文脈)は常に世界中で変化することに加えて、必ず大ヒットは意外なところから出てくるものだと指摘。“良いアイディア”とは、最初から「デザイン⇔コンセプト」の両方が揃っていることが多いからこそ、数多くの事例を知ることが大事のようだ。

講演の総括では、ゲームを作るときに考えるべき「面白さ」を、改めて説明してくれた。「“面白い”とはスタート地点です。それがどのように面白くて、誰に向けていて、どう伝わるのか。それらをコントロールするのがゲームデザインです」。そして最後に簗瀬氏は、参加者に向けて「みなさんは、きちんと(ゲーム)デザインできていますか?」と鋭い質問を投げかけて、講演を締めくくった。
 


© Rovio Mobile
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