【インタビュー】モバイルゲーム運営市場は2020年に1000億円規模に拡大…ゲーム運営業界のトッププレイヤーであるファンプレックスが見る今後の市場展開と運営移管の実情


グリー<3632>の100%子会社であるファンプレックスは8月22日、デジタルインファクトと共同で行ったモバイルゲーム運営市場の調査レポートを公開した。こちらのレポートによると、モバイルゲーム運営市場の規模は2018年現在で約647億円、2020年に1000億円に到達すると予測されている。また、ファンプレックスの運営するタイトル数は20本を突破し、急激な成長を遂げている。
 
今回は、これらの調査をもとにファンプレックスがどのような業界に対して知見を得られたのか、またモバイルゲーム運営市場を牽引するキーマンとしてファンプレックス代表取締役社長の下村直仁氏と、執行役員・事業開発部長の村田卓優氏にお話を伺ってきた。
 
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▲ファンプレックス代表取締役社長の下村直仁氏(写真右)と、執行役員・事業開発部長の村田卓優氏(写真左)。
 

モバイルゲーム運営市場が「伸びる」を言い切れる要因とは

 
――:まずは、自己紹介を含めお二人の経歴や業務内容をお教えください。
 
下村直仁氏(以下、下村):ファンプレックスが設立される以前はグリーでウェブゲームの運営に携わっていました。その後、そこで学んだ運営ノウハウを活かしてゲームという領域で新規事業を作れないか考え、2015年にファンプレックスを立ち上げました。今は、ファンプレックスの代表としてゲーム運営の価値を見出しています。
 
村田卓優氏(以下、村田):2010年にグリーに入社し、ウェブゲームのプラットフォームにタイトルを提供いただく開発会社とのコネクションを持つ、デベロッパーリレーションという部署に在籍していました。そのときは、パートナーと共にプラットフォームでタイトルを作ったり、ネイティブゲームのライセンスインやライセンスアウトをしていました。その後、Wright Flyer Studios立ち上げ時に事業開発を担当し、デベロッパーさんとの協業を推進しながらプラットフォーマー企業などとの折衝を中心に担当していました。

現在はファンプレックスの事業開発部で執行役員として、運営するゲームを獲得してくる立場の責任者をしております。これまでの経験からも、社外的なゲーム会社さんとの接点は1番多いです。

 
――:そもそも何故、今回モバイルゲーム運営市場の市場調査を行おうと思われたのでしょうか。
 
下村:前提として、マーケットが絶対に伸びているという実感があったことが大きいです。もう1点は、2015年にデジタルインファクトさんが当時のセカンダリーマーケットの市場調査を発表された(関連記事)のですが、それ以来、今に至るまでモバイルゲーム運営に関わる市場規模を分析した資料がないということです。当時のレポートには2017年までの展望が予測されているのですが、では2018年以降、この業界はどのような状況なのか、ゲーム運営という観点で見たときに我々が世の中でどれほどお役立ちできる余地があるのかを情報として知りたいと思い調査を始めました。
 
――:マーケットが伸びているという実感はどういったところで得られますか。
 
下村:まずは数と質の部分で、より大きな案件をお任せいただけているという点です。そもそもモバイルゲーム市場の規模感が大きくなっていることからも、我々が戦っているマーケットがまだまだ成長軌道にあることは間違いないと感じています。
 
村田:例えば、数年前は1億円規模のタイトルを運営移管するというのは、安定して利益が出ていることからも手放す理由がなく中々考えにくい状況でした。しかし、最近は大規模タイトルの運営移管も始まっています。企業としては、既存のタイトルを成長させながらも新作をリリースしていく必要があるからです。限られたリソースの中で全てをカバーすることはできないため、移管が選択肢のひとつとして挙がっているという感覚は以前よりあります。そういった意味でも、2018年に入ってから半年で4本の新規のタイトル移管が決まるなど、弊社の案件獲得量もかなり伸びています。
 
また、元々ウェブゲームを作るために立ち上げた企業が、年数を経て海外進出やネイティブ、VRでの展開などを行う場合があります。そうすると、以前よりも事業難易度が上がる中で売り上げを出さなければいけないので、その際に「運営を移管するのはアリだ」と答えていただけることがあります。

 
――:実際に市場調査を公開してみて業界からの反響はいかがでしたか。
 
下村:各企業がどういったことを課題として見ているか、という点によるところもありますが、これまでに比べて運営移管がより一般的な問題解決のためのソリューションになっているという観点で、今後さらにお引き合いをいただくことが増えると良いなと思っています。
 


――:社内的にはどのような印象でしたか。2020年にはモバイルゲーム運営市場は1000億円規模になるとの予想もありますが。
 
村田:思ったよりシェアを持っていたというのが第一印象です。ファンプレックスとしてはこの1年で社員数が約1.35倍、取扱高も同じくらい増えていますが、市場規模で見てもそれ以上に成長しているということが分かりました。未来予測はこの通りになるか分かりませんが、今の推移や数字を見ている限りこれくらいの規模に成長するのではないかという期待は持っています。
 
下村:先ほどもお話した通り、規模の大きいタイトルの運営移管が増えているという我々の感覚値がマーケットの伸び具合として実際の数値にも表れたのは良かったです。
 
未来予測については、成長角度が上がるというよりも、衰えることなく一定の角度で伸び続けていくというのがポイントです。ゲーム業界にいる人の数が一定であるとするならば、新作がリリースされ続ける限り運営のニーズは一定以上高まるはずです。新作が一定以上のペースでリリースされ続ける以上、運営マーケットもそれに比例していくことが予想される、つまり安定して成長軌道が描かれ続ける市場だというのは大きな特性になります。

 
――:今後も安定して新作がリリースされると思われる根拠を教えてください。
 
村田:従来よりは市場に投入される本数は減るかもしれませんが、大きな組織体の会社では引き続き新作を量産しているお話をお聞きします。普段、我々がやり取りしている方々に移管の理由をお伺いしても、やはり「新作を作りたいので開発リソースを確保するために移管する」とお答えいただけることが多いです。既存タイトルの運営を続けることと、その間に新作を作ることを天秤にかけた際に、既存タイトルを2~3年続けたときに今の売り上げ水準を保てるのか、それよりさらに売り上げが見込める新作を作った方が良いのではないかと判断される企業は多数あります。運営中のタイトルを我々に預けていただくことで解放されたリソースを使って新作に取り組むことを我々の事業が後押し出来ていると思うので、今後も新作は安定してリリースされていくと考えています。
 
下村:結局、コンシューマーゲーム時代に技術革新と共にアセットの量がどんどん増えていたというようなことが今、モバイルゲーム業界で起こっているのだと思います。これは、1タイトルあたりの開発・運営に必要な人数が増えていることや、求人のスキル要件が細分化しているということからも明白です。これを社内リソースだけで対応し、運営は継続しつつ、さらに新作を開発しようとするたびに追加の人材を獲得しようとすると、組織運営的な難易度が非常に高まってしまうため、我々のような企業にご相談をいただく余地が広がっています。

 


――:コーポレートサイトでは2018年の総取扱高も更新されていました。先日リリースされた市場調査の結果と重ねてみると市場の約20~25%を占めていることが伺えます。この数字は好調と捉えて良いのでしょうか?
 
下村:特にこの半年の伸びは大きいと考えています。極めて著名なIPタイトルや技術要求の高い案件などが毎月1本ずつ、4本立て続けに入ってくるという時期もありました。このことからも間違いなくニーズは高まっていると感じておりますし、社内のみんなが頑張ってくれたことが今の成長率に現れてくれた1年でした。
 
村田:好調と捉えています。弊社は6月期末ですので公表した数値はそれまでの数値ですが、7月からORATTAがグループに入りましたし、(関連記事)この8月9月も既存タイトルのグロス売上が3億4億円を超えるタイトルが複数本出てきており、まだまだ伸びると考えております。

 
――:ファンプレックスさんとしても運営タイトルが増えていると思うのですが、リソースはどのように確保されているのでしょうか。
 
下村:これまで20本のタイトルで運営移管を行ってきたのですが、そのノウハウは弊社固有の強みとして蓄積されています。ただ、弊社は移管のエクセレンスを非常に大切にしています。我々の考え方やゲーム運営に対して共通した価値基準を持っていただける会社とアライアンスを組んでいくことで、より多くのお客さまに対して、より良いタイトルを長く、安定的にサービスを提供し続けるための援護ができるようになっておりますので、今後は社外パートナーの方と協力をしながら運営していくスタイルも増えていくと考えられます。
 
村田:ORATTAも合流して組織規模はさらに拡大しています。そのほか、運営を効率化することで利益を上げられるタイトルはたくさんありますので、外部会社と連携してリソースを調整しながら運営している案件もいくつかございます。このように、他社と競合するのではなく共に業界を成長させていくという方法を引き続き模索していきたいと思います。

 


――:御社が好調でいられる要因はどこにあるのでしょうか。
 
下村:画面の向こう側にいるお客さまの姿を、どれだけリアルに想像できるかというのが弊社における最優先事項です。作り手の方々が0から1を生み出されるということに、とてつもない努力や情熱、時には苦しみが伴うということを我々は重々承知しているつもりです。安心してゲームを移管していただくためにも、我々が「絶対にこのタイトルを良くするので預けていただけませんか」と胸を張って言えることが大事です。
 
この思想が実った一例として、過去3年間運営をしてきて、弊社に移管いただいた後の月に最も高い売り上げを記録したというケースもあります。単に精神論として「ゲームやお客さまが好きだ」と無責任に言うのではなく、好きだからこそ本気で伸ばすというのを実現し続けられるところが弊社の一番の強みです。

 
――:そういった信念を社員の方々に根付かせるために取り組まれていることはありますか。
 
下村:実は、1年ほど前までは我々にとって大事なことを言語化できていませんでした。そこから「CHANGE」、「TRUST」、「LOVE」という3つを「ファンプレックスクオリティ」と名づけ、お客さまにお約束する提供価値を定義付けをしました。CHANGEは、常に「攻め」の姿勢であらゆるゲームをより良い方向に向けて変えていきますという意思表明。TRUSTは、お客さま、クライアント企業さまの圧倒的な信頼に応えられるだけの運営クオリティを実現しますという誓い。LOVEは、タイトルを作られた方々に負けないくらい我々自身がタイトルを愛情を持って育てますという想いです。
 
そして、長くタイトルを存続させてこれを実現するためには、精神論で語り続けるだけではなく、売り上げやお客さまの満足度など、目に見えるものも重要視しなくてはいけません。弊社では、この理想を実現するために、データドリブンでストイックな運営スタイルと、先ほど申し上げた「ファンプレックスクオリティ」という運営マインドを車輪の両輪にはめて走り続けられるようにしています。

 


――:村田さんはこれまで、グリー本社やWright Flyer Studiosなど、様々なところで事業に携わられてきたとのことですが、ファンプレックスの特徴をどのように捉えておられますか?
 
村田:長い目で見て余裕を持って運営しているという点はひとつの特徴ではないでしょうか。運営コストを下げて効率的に収益を出すアプローチもありますが、コストをかけて成長させ、長く運営を続ける中で収益を上げる方法もあると考えています。この事業を続けるうち、弊社の強みは時間を掛けてタイトルをチューニングしていくことだと分かりました。最初こそコストの面で厳しいところはあるかもしれませんが、結果的に今の形が運営を長く続けられている秘訣にもなっています。提案の初期段階から運営移管に関わるメンバーを巻き込んで動いておりますので、最初からメンバーのタイトルに対する理解度がかなり高まった状態で着手できていますし、クライアント企業さまとも非常にスムーズにコミュニケーションできていると思います。新しいタイトルを次々に仕入れて数で勝負するのではなく、ひとつひとつのタイトルに本気で取り組んで長く付き合っていけるのが弊社の最大の特徴です。

下村:そういった意味では、他社ではいくつかのタイトルを掛け持ちしているという話を聞きますが、弊社では基本的に兼任はさせていません。担当するタイトルのことを1番好きになってもらいたいという想いからも、少なくとも半年~1年は専属でタイトルに入ってもらっています。そうすることで、初めてお客さまに対しても胸を張って「これは面白いでしょ」と言えるようになるという考え方をしています。
 
弊社には現在300人近くのメンバーが在籍しているのですが、それぞれ何が好きなのかを調査をしていて、各タイトルのジャンル・キャラクターに合った人員を配置しています。最近も、提案中のタイトルを好きな従業員が社内にいたことから、提案プロジェクトにジョインしてもらい、結果、その愛が伝わって契約に至ったこともありました。機械的に人を割り振るのではなく、誰が担当するのが1番良いかを考えて運営しています。

 

開発に勝るとも劣らない運営ならではの喜び

 
――:運営移管については、クライアント企業さまから相談される場合とファンプレックスさんから提案される場合、割合的にはどちらが多いのでしょうか。
 
村田:ご相談に来ていただくこともありますが、現状はまだ運営移管がスタンダードではないということもあり、ご提案に伺うことが多いです。
 
――:その際はどういったところが運営移管の決め手となるのでしょうか。
 
村田:色々なケースがありますが、大きくは3つに分けられます。1つ目は資金面で、新作の開発資金に充てたい場合です。2つ目はリソースを空けて新作をつくりたいという場合。そして、3つ目がパブリッシャーとデベロッパーに分かれているケースにおいて、デベロッパーと別の新作を開発したい、または運営タイトルをより良くしたいというケースがあります。
 
――:昔と比べて運営移管されるタイトルの規模は大きくなってきておりますが、それでもやはり目玉となるタイトルの運営移管は行われておりません。ここにはどのような懸念があるとお考えでしょうか。
 
村田:公表されていないだけで移管されているものは、売上ランキング上位のタイトルにも増えてきている印象です。公表しない理由は、やはりブランドが与える安心感は大きいと思います。お客さまが愛を持って接してくれているのに、中の人が変わったのが見えてしまうと熱量が下がってしまう。あとは、運営移管がまだメジャーではないがゆえに、わざわざ公表されないという点もあります。我々としても、元々運営・開発された会社のブランドに助けられている部分も大いにあり、その延長線上を担っているという考えですので、あえて「運営会社が変わりました」という告知をする必要を感じていないというところもあります。
 


下村:移管を任せた先が、開発を担った会社と同じくらい大切にタイトルを扱ってくれるという業態がまだ想像しにくいのだと思います。これはひとえに我々の努力不足でもあります。ですが、先ほども述べた通り我々は「LOVE」を持って接しておりますので、この考えが認知され、世の中で当然のように価値を発揮している状態を作っていきたいです。
 
村田:現時点でApp StoreのセールスランキングTOP30位圏内に入ってくるようなタイトルを複数お任せいただいているという事実もありますので、もしかしたら皆さんが考えられているより大きなタイトルを運営しているというのはあるかもしれません。これを機に、より多くの方に運営移管をご検討いただきたいです。
 
下村:マーケットシェアという話では、今回の調査から弊社が業界の約1/4を占めているという結果も得られました。これは決して小さくない数字ですし、これからはこの業界を背負って立つという気概が求められる状況にあると思っています。「ゲームを大切にする」、「お客さまが喜ぶことが嬉しい」というポイントはゲーム業界におられる方であれば共通する価値だと思います。何よりも、まずはタイトルやお客さまの幸せに対して真剣に向き合える会社として、数ある価値観の中からそこを最重要視する存在として、世の中に価値を提供できると嬉しいです。

 
――:開発者の方々から「ユーザーファースト」という言葉を聞くことがありますが、ファンプレックスさんもそうした考え方をされているというのが良く分かりますね。
 
村田:運営メンバーの中にも、日々のイベント運営でお客さまからフィードバックが返ってくることが楽しみという人は多いです。よく「新作を作る方が楽しいのではないですか?」と聞かれることもあります。新作を生み出すことにやりがいを感じる方がいるように、既に何万人ものお客さまがいるタイトルを運営できることに魅力を感じるという人も多いです。生み出す苦しみを知っているからこそ、その気持ちをおもんぱかったうえでお客さまに接することができます。
 
――:実際、ファンプレックスに在籍されているのはどのような方が多いのでしょうか?
 
下村:私自身、元々はプランナーをしていたのですが、物を作ることそのものよりも、画面を通したすぐ先にいるお客さまの反応をデータから読み解いて、より良くするためには何をすれば良いかを考えることにやりがいを感じていました。そういった意味でも、弊社にはお客さまとストレートに向き合うことが楽しいという人は凄く多いです。
 
村田:そういった意味では、お客さまと近い位置にいる人が多いのかもしれません。例えば、弊社ではよくアニメの上映会やボードゲーム、ゲーム大会など、多くのイベントが実施されています。そういうところが、自然とお客さまとの距離を近くしているのだと思います。
 
また、メンバーの性格としてはタイトルのことをしっかりと考えられる人や、チームワークを大切にできる人が多いです。移管のタイミングにおいては移管をしながら運営を止めることは出来ませんので仕事の量は増えてしまいますが、苦境を共に乗越えた後は仲間意識も強くなりますので、メンバー同士の仲が非常に良い印象ですね。

 


――:職業柄ビジネスライクな印象を持たれることもあると思うのですが、それよりは人情深い方が多いのですね。
 
下村:そういった意味では決してビジネスライクでないわけではありません。私は前職でサービスのクローズに立ち会っていたのですが、売り上げやお客さまのリアクションは確実に守り続けないと、最後にサービスを閉じることになってしまいます。どのようにクローズを回避して運営を続けるべきかと考えたとき、そこにはある種の厳しさやストイックさが内在化されています。仲間内で穏やかに親しみを持ってモノ作りに向き合うのは良いことですが、生ぬるい環境にしてしまうのはまた別の問題です。そうした意味では、弊社の社員には人情とストイックさを両立させることができる人材が多いように思います。タイトルのことを本当に好きだからこそ、厳しくもなれるという考え方です。
 
村田:これはファンプレックスのみに留まらず、グリー全体にも浸透している考え方かもしれません。特に、近年はグループ会社のWright Flyer Studiosやポケラボが良質なタイトルをリリースしているのを見て「良い作品を作らなければ」という想いが広がっているように感じます。

 
――:「サービス終了」という側面から見ると運営移管される側はプレッシャーも並々ならぬものがあるのではないでしょうか。
 
下村:もちろん経営サイドの我々も相当のプレッシャーを感じながらやっていますが、現場の第一線を担ってくれている面々は間違いなくそれ以上だと思っています。
 
村田:できる限りサービス終了を迎えることなく長く運営を続けていきたいという想いは持っています。世の中では、売れないからという事業者側の理由だけでサービスがクローズされてしまうこともありますが、時間とお金を投資してくれるお客さまがいる以上、短期間でゲームを閉じてしまうことは良くないことです。そうしたタイトルをひとつでも多く救えるように、我々が長く運営できるノウハウを蓄積して、リリースしたからには最低数年の期間運営を続けなければというスタンダードを作っていきたいです。

 
――:今後の展望を教えてください。
 
下村:リリースされたゲームが長く続くことで世の中に対して提供できる「幸福度」は累積量で見たときに加速度的に増えていくと思います。もちろん、新作を生み出すことも素晴らしいと思いますが、ファンプレックスを通して、世の中の幸せ量をより増加させていく「運営」という業務もまたとんでもなく取り組み甲斐があるということを示していきたいです。それによって初めて、ファンプレックスの中の人に対してもさらに発展的なキャリアビジョンを描けるようになると思います。
 
これが当たり前になり、より長くゲームをお客さまにお届けしようという観点で共感いただけるクライアント企業さまがファンプレックスと一緒にやってみようと思っていただいたとき、ファンプレックスが掲げる「より長く、より多く、より面白く」という価値観を通じて、初めてゲーム業界に恩返しできるのではないかと考えています。ゲーム運営の意義を世の中に説明し、そのうえで弊社をより多くの幸せのためにご活用いただくというのが今後の展望です。
 


村田:市場がどう伸びていくかに関しては、大きなタイトルの運営移管がある程度のスパンで来てグッと伸びることが多いのかなと思います。理由として、現状マーケットに存在するゲームに大きなものが少なく、中規模のゲームに支えられて市場が大きくなっているからです。弊社としても、大きな所帯で大きなタイトルをクォーター~半年に1本というペースで長く続けていき、その積み重ねで成長していけるというのがトレンドになると思っています。

 
――:最後に、読者の方々へのメッセージをお願いします。
 
村田:是非運営移管を前向きにご検討いただきたいと思っています。預かったタイトルは長く運営していくことでお客さまにも満足いただけますし、クライアント企業さまは空いたリソースで新作開発などができるようになり、ご満足いただけると思います。お互いにとって有意義な話ができると思いますので、本稿を見てご興味を持たれた方は是非ご連絡をいただきたいと思います。
 
下村:移管をしていただいた後にタイトルが伸びる、お客さまの数が増えるといったことを3年間かけて続けてきた自負があります。しっかりと数字が伸びることでゲームの盛り上がりがお客さまに伝わり、「良いね」、「盛り上がっているね」と言っていただけることも増えました。そういった経験も含めて、安心してタイトルをお任せいただければと思います。
 
ここから先、我々はゲームとお客さまの両方にさらに幸せを提供し続けられるための世界を作っていきたいと考えております。そうした考え方や運営を通じて長くお客さまに幸せをお届けしたいという想いに共感いただける会社さまがありましたら、是非ご連絡をいただいて、この世の中の「幸せの総量」を増やすミッションを一緒にチャレンジしていきたいと思っております。


 
(取材・文 編集部:山岡広樹)
  
 

企業サイト

グリーエンターテインメント株式会社
https://gree-entertainment.com/

会社情報

会社名
グリーエンターテインメント株式会社
設立
2021年7月
代表者
代表取締役社長 柿沼 洋平
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