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【LINE QUICK GAME特集①】プロデューサー中田氏に訊く…「LINE」発の新たなサービス形態に込められた魅力と将来性

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LINE<3938>が展開する新たなゲームサービス「LINE QUICK GAME」。ネイティブアプリとは異なりHTML5で開発が行われており、「LINE」のトーク上で即座にゲームがプレイでき、大容量のアプリインストールやダウンロードが発生しない、手軽さが最大の売りとなるサービスだ。
 
9月18日からは、広告動画やAndroidユーザー向けの課金システムを追加し、いよいよ正式オープンとなった。現在は、『LINEで発見!! たまごっち』や『探検ドリランド ブレイブハンターズ』、『釣り★スタ QUICK』、『にゃんこ防衛軍』など、既に8タイトルを配信している。そこで、Social Game Infoでは、LINE QUICK GAMEに携わる方々を対象に、全6回に渡ってインタビューおよび対談を実施。
 
第1回となる今回は、正式オープンからおよそ1ヶ月が経過した現在、「LINE QUICK GAME」で遊んでいるユーザーからの反響はどうなっているのか。そもそも、本サービスを立ち上げた理由や今後の運営方針などについて、プロデューサーである中田陽平氏にお話を伺ってきた。

LINE株式会社
プロデューサー
中田陽平
 

■「LINE QUICK GAME」で新たな層を開拓したIPタイトルたち

 
──:まずは、中田さんの現在の業務を含め自己紹介をお願いします。
 
中田陽平氏(以下、中田):「LINE QUICK GAME」のプロデューサーとしてプロジェクト全体を管轄しています。「LINE QUICK GAME」には企画立ち上げから関わってきました。
 
──:では、そんな「LINE QUICK GAME」がどのようなサービスなのか、改めて説明をお願いいたします。
 
中田:「LINE」アプリがインストールされているスマホであれば、「LINE」のトーク画面上ですぐにゲームが遊べるというサービスです。ネイティブアプリのように、別途アプリをダウンロード・インストールする必要もありません。「LINE」のソーシャル要素を使って、友だちや家族と「LINE」上で遊べるというところも大きなポイントとなります。
 
──:これまでのゲームと異なる特徴としては、やはり「LINE」上で進行できる点ですか?
 
中田:「LINE」のトークと連携しているサービスになっておりますので、ユーザー同士の交流だけでなく、デベロッパーとしても、トークを通じてリテンションを促せるという点が大きな特徴になります。
 
──:メインとなるターゲット層は、どのあたりを想定していますか?
 
中田:属性としては大きく2つ考えています。ひとつは、スーパーカジュアル~カジュアルにゲームを遊んでいる層です。ここをターゲットにした理由として、「LINE」は使っているけどゲームを遊んでいないという層がかなり大勢いるというデータがあります。そこで、ゲームに慣れていないライト層にゲームを遊んでもらうにはどうすればいいのかを考えたとき、今回の「LINE QUICK GAME」を展開するという選択に行き着きました。
 
もうひとつのターゲットは、ある程度ゲーム慣れしているミッドコア層です。ゲームが好きでネイティブアプリで遊んだことはあっても腰を据えてじっくり遊び続ける時間がなかったり、コンテンツの重厚さから気軽に手を出しにくかったりと、様々な理由から継続的にゲームを利用していないユーザーも少なくありません。「LINE QUICK GAME」では、そんな方たちに新鮮なゲーム体験をしていただきたいと考えています。
 
年齢層的には最も「LINE」を活用している10代後半~20代前半のお客様を現時点でのメインターゲットとして捉えております。その上で、タイプの異なるゲームを8タイトル用意することで、より幅広いユーザー層や趣向に対応したいと考えています。

 

──:実際にサービスを開始してみてユーザーからの反響はいかがですか?
 
中田:私たちがサービス立ち上げの際に想定していたレベルよりかなり良い状況ですね。今は大きなプロモーションを展開せず、「LINE」上での遷移や口コミで広がっているのがほとんどということを考えると、期待値をかなり上回っています。
 
──:『釣り★スタ』や『探検ドリランド』と聞くと、若い世代より30~40代に刺さるIPなのかなという印象もありますが、これらのタイトルに対して若い世代の反応はいかがですか?
 
中田:想定以上に好評です。最初にグリーさんが提供IPとして『釣り★スタ』や『探検ドリランド』を選択されたとき、私たちからも「ターゲットが想定している10代よりも高くなると思います」というお話はさせていただきました。ただ、グリーさんとしても、そこを承知のうえで『釣り★スタ』や『探検ドリランド』といったIPを若い方々に広めていきたいという想いを持たれているとのことでしたので、そうした想いがあるなら「LINE QUICK GAME」の目的にも合致していると思い展開することを決めました。
 
──:ちなみに、IPとターゲット層の話では「たまごっち」も年齢層は少し高くなると思いますが、バンダイさんはどのようにお考えでしたか?
 
中田:「たまごっち」に関しては提案をさせていただいたのは私たちからで、「LINE QUICK GAME」を展開するうえで幅広い層に受け入れてもらいやすい育成ゲームは必須だと考えていました。その中で、普段あまりゲームに親しんでいない方々も含め認知度が高いIPとして考えたときに、「たまごっち」が最初に挙がりました。そこで、我々からバンダイさんにお話させていただき、今回の『LINEで発見!! たまごっち』を提供できるところまで来ることができました。こちらも、クリティカルな世代は30代後半~40代を想定しておりましたが、実際は10代~20代のお客様を中心にヒットしているのが現状です。
 
──:ここから、1990年代後半に一大旋風を巻き起こした「たまごっち」ブームが再燃するかもしれませんね。
 
中田:私たちとしても、そのお手伝いができればいいなと思っています。
 

■ひとりでもみんなでも遊べる「LINE QUICK GAME」

 
──:ここまで、「LINE QUICK GAME」のサービス内容や現状をお伺いしてきたのですが、そもそも本サービスを立ち上げようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?
 
中田:「LINE」のゲーム事業部では、LINEが掲げている「CLOSING THE DISTANCE」というミッションの元、エンターテインメントやゲームを通じてお客様との距離を縮めるよう尽力しています。そんな中、昨今はスマホ端末の性能も上がっており、2020年には第5世代移動通信システム「5G」が導入されるという計画もされています。通信料金も低価格化するなど、勢いをさらに加速させるための材料が揃ってきたことから、より「LINE」らしいサービスが提供できるのではないかという考えかた発足したのが「LINE QUICK GAME」のプロジェクトでした。
 
Facebookのインスタントゲームで成功例が出始めていたことも追い風となりました。ただ、Facebookの真似をするのではなく、「LINE」としてHTML5ゲームをどのように最適化していくかは大切にしています。

 

──:「LINE」なりの最適化は、具体的にどのようなところで見られるのでしょうか。
 
中田:コミュニケーションアプリ「LINE」が基盤になっているというソーシャル的な強みを活かす側面と、日本のマーケットへの最適化という2点があると思っています。
 
ソーシャル的な部分としては、「隣の人の顔が見える」、「教室で話題になる」という点を中心に考えました。同じクラスやグループでやり取りしている仲間内のコミュニティで面白いと思っていただけることが大事かなと。今は「たまごっち」が良い例で、高校生が友だち同士で遊ぶという、我々にとっては理想的な流行り方をしているようです。
 
一方、日本マーケットへの最適化という部分で、例えば世界的に利用者数が多いFacebookであれば巨大なDAU、MAUをつくるのに集客数でカバーすることができますが、それに比べると日本もしくは東南アジアを中心に事業展開しようとしている我々の場合はある程度集客数が制限されます。そこで、ゲームの中に蓄積要素や育成要素を取り入れることで、一人一人のお客様により長く楽しんでもらおうと考えており、タイトル選定や開発の際に活かしています。

 

■刺激的なパートナーとの共同開発

 
──:開発内部のお話も掘り下げて伺っていきたいのですが、「LINE QUICK GAME」は事業2部が担当されているとお聞きしました。
 
中田:はい。弊社にはゲーム事業本部があり、その中に事業1部と事業2部という組織があります。事業1部は、これまで作ってきたようなネイティブゲームの運営をしています。一方、事業2部は「新しい取り組みをしていこう」というコンセプトのもと動いており、「LINE QUICK GAME」もその一環として展開しています。

──:ちなみに、「LINE QUICK GAME」では課金についてはどのようにお考えですか?
 
中田:マネタイズやビジネスモデルという観点からお話させていただくと、基本的には広告収入がマネタイズのベースとなっております。Android広告内容をゲームに絞らず幅広いジャンルから募れるのも「LINE」の強みではないでしょうか。ほかにAndroidのお客様向けに課金アイテムを販売しています。今後は広告やアイテム課金以外の取り組み方も検討していきたいと考えています。
 
──:開発はどのような流れで進められているのでしょうか。
 
中田:開発会社さまから提案し開発をいただいたゲームをご提供いただくケースと、LINEとして揃えたいゲームを独自に開発したうえでラインナップに加えるケースがあり、多くは前者です。
 
──:これまでのネイティブと異なり、HTML5での開発という部分で苦労はありますか?
 
中田:まず、HTML5を事業化することが初の試みになりますので苦労は尽きません。サービス開始前は、どれくらいお客様に遊んでいただけるかも分かりませんし、開発面でもサーバーの使い方やアクセス数の所感が全く異なります。また、ネイティブに比べて、エラーが起きるシチュエーションが多いため、予期せぬ問題に直面することも多々ありますし、その過程で起きるヒューマンエラーにも気を付けています。
 
──:逆に、HTML5にして良かった点はいかがでしょうか?
 
中田:改善を含めたお客様へのリアクションなど、PDCAサイクルが圧倒的に早いので、要望を受けた次の日には色々と実施できるという点が強みでもあり刺激的なポイントです。今回、パートナーを組ませていただいた中でいうと、例えば、Game Closure(以下、ゲームクロージャー)さんがかなり精力的に動いてくれていて、この忙しさすら楽しまれているような印象を受けます。関わっている我々としても凄く楽しいです。
 
──:パートナー会社との開発や運営を通して刺激を受けることはありますか?
 
中田:私個人の感想になりますが、「たまごっち」の動向に関しては特に刺激が大きかったです。一般的なスマホでのゲームビジネスにおいては、ローンチ前に入念に時間をかけてファンを集めたり、大々的にプロモーションを打って集客するところから始まると思います。ですが今回の『LINEで発見!! たまごっち』は、「LINE CONFERENCE 2018」での事前告知はしたものの、ローンチ後の「LINE」内からの流入と友だち招待のみで200万人以上(2018年10月9日時点)のお客様に遊んでいただけています。これも、当初の狙い通り「LINE」はやっているけどあまりゲームを遊んでこなかった層がしっかりと反応してくれている結果だと思います。まだ検証中の段階ではありますが、非常に高いポテンシャルを感じています。
 
また、『にゃんこ防衛軍』からはゲームクロージャーさんとポノスさんの運営の上手さを感じています。友だちをインバイトさせる機能がゲーム設計に自然に組み込まれているほか、トークの使い方も洗練されていて、「にゃんこ」から届くメッセージが、嫌われることなくうまくお客様に伝わっていると感じます。

 
──:パートナーシップを組む企業やタイトルに関して気を付けている点はありますか?
 
中田:繰り返しになりますが、「LINE QUICK GAME」のターゲットが10~20代なので、その層に手に取ってもらえるタイトルを意識しています。
 
また、多様性への対応や、比較的カジュアルなゲームを中心にラインナップしていることもあり、お客様の長期的な継続率に関しては予測がしにくいこともあるので、タイトル数は今後も増やしていきたいと考えています。同時に、これに賛同いただけるパートナーさまも増やしていきたいです。今のところ、2019年内に30~40タイトルほど配信したいと考えています。

 

■最重要課題は認知度の向上

 
──:今後の開発や運営で課題になりそうなポイントは見えてきましたか?
 
中田:日本のデベロッパーには未だHTML5でのコンテンツ開発・運営の経験が少ないところも多いため、我々も含めてまずは経験を積むことが課題になると思っています。
 
プラットフォーム側としては、認知度の向上です。先ほどもお話した通り、『LINEで発見!! たまごっち』はSNSでユーザーの口コミから話題が広がっていったのですが、その過程で「たまごっち」という名前は語られてもそれがLINE上で遊べることに気づかなかった多くのお客様を迷わせてしまい、大変反省しています。「LINE QUICK GAME」の遊び方が伝わりきっていないことが浮き彫りになってしまったので、まずは認知度を上げていきたいと考えています。

 
──:そのための具体案などは考えておられますか?
 
中田:「LINE」上でゲームが遊べることを周知するため、外部へのプロモーションを積極的に行おうと考えており、現在、大型のプロモーションを企画しています。HTML5であれば、QRコードのリンクから直接ゲームプレイを開始してもらうこともできますので、そういった展開も考えています。
 
 
中田:また、知っていただいたうえでゲームを遊び続けていただくには導線が非常に重要です。「LINE QUICK GAME」を遊び始める際には「LINE QUICK GAME」のLINE公式アカウントを登録することになるのですが、この公式アカウントからは新作ゲームやイベントなどのお知らせメッセージが定期的に送られてきます。これは、メッセンジャープラットフォームである「LINE」の強みだと思います。こうした取り組みをコツコツと積み重ねて認知度を上げつつ、遊ぶまでの導線を分かりやすく改善していきたいと考えています。
 
そこからは口コミなど、お客様の力をお借りしながらの部分も増えてくると思いますので、弊社としても友だちに話したくなるようなゲームや機能を提供できるよう努力していきたいなと。例えば、『LINEで発見!! たまごっち』に実装されているプロポーズの機能なんかは、受け入れられても断られても話のネタになると思います。私も社内で何度かプロポーズをしたことがありますが、この体験そのものが面白いんです(笑)。そういった、ゲームを通したコミュニケーションによって友だちとの繋がりを感じられるというのは「LINE」らしいゲームと言えるのではないかと考えています。

 
──:それでは最後に、今後の展望についてお聞かせください。
 
中田:認知度を上げることの重要性は、我々も非常に強く認識しています。年内は、そのための取り組みに力を入れていきます。
 
またそれと並行して幅広い層のお客様に楽しんでいただけるタイトルを増やしていき、ゲームからゲームへ巡回して遊んでいただけるような環境を作りたいと思っています。ゆくゆくは海外展開も視野にいれていければと考えておりますが、まずは国内でノウハウを蓄積していければと。

 
――:本日はありがとうございました。

 
(取材・文 ライター:宮居春馬)
(取材・編集 編集部:山岡広樹) 
(撮影:SYN.product+林孝典)

 

LINE QUICK GAME

 
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企業情報(LINE株式会社)

会社名 LINE株式会社
URL http://linecorp.com/
設立 2000年9月
代表者 出澤 剛
決算期 12月
直近業績 売上収益1206億6983万円、営業損益95億2418万円の赤字、当期純損益79億7211万円(2015年12月期)
上場区分 東証1部
証券コード 3638

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