MIXI<2121>は、『共闘ことばRPG コトダマン』(以下、『コトダマン』)において、4月5日より、「築地銀だこ」(以下、「銀だこ」)コラボを実施した。
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コラボでは、店舗コラボのほか、コラボメニューの提供やゲーム内でのコラボも行われたほか、『コトダマン』イベントでのキッチンカー出店や公式放送の出演もあったりと、盛り沢山に展開され、ユーザーからの反響も大きかったようだ。
▲公式放送「GODステーション6周年スペシャル!」
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▲イベントの様子
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▲キッチンカーも出店されていた
『コトダマン』と言えば、アニメや漫画作品のコラボなども数多く行われているが、飲食店である「銀だこ」とのコラボは異色と言える。
今回、gamebizでは『コトダマン』大槻プロデューサーと「銀だこ」を運営しているホットランド社の荻野副社長にインタビューを実施。
コラボの舞台裏やその反響について話を聞いてみた。
こだわりが出せる最高のコラボを…「築地銀だこ」×『コトダマン』コラボの舞台裏
株式会社MIXI
『共闘ことばRPG コトダマン』プロデューサー
大槻一彦氏
ゲーム業界にて長らくプロデューサーとして活躍。『コトダマン』はリリース直後に関わったのち、2021年より再び『コトダマン』チームに参画。
株式会社ホットランド
取締役副社長 兼 銀だこ事業本部長
荻野哲氏
築地銀だこの創業から現在に至るまで、営業のみならず商品開発や販売促進などにも直接的に携わり、その“銀だこ愛(理念・伝統)”を広め続ける。
――:『コトダマン』と「築地銀だこ」はゲームと飲食という異業種のコラボですが、どのような経緯にてコラボを決定したのでしょうか?
荻野:実は、「銀だこ」ではMIXIさんとはこれまでも何度かコラボレーションをさせていただいたことがあります。『モンスターストライク』や『TIPSTAR』などですね。そして、『コトダマン』は私も一人のユーザーとしても遊んでいたということもあり、大槻さんとお会いさせていただきました。
大槻:ご挨拶させていただいたところ、出身地が一緒だったりと、スタッフに銀だこさんでたこ焼を焼いていたメンバーがいたり、共通点も多くありまして…(笑)。ぜひ一度何かご一緒しましょうとなりました。
そこから、コンセプトなどを擦り合わせていく上で、「銀だこ」さんは一緒に食べる”共食”を、『コトダマン』を一緒にゲームを遊ぶ”共闘”と、それぞれ楽しんでもらう場を作っていくという共通の目的があるということからコラボを進めていくことになり、第一弾コラボを昨年実施させていただきました。
そして、そこからもっと踏み込んだ取り組みをしたいよねということで、今回のコラボを6周年の時期に合わせて考えていくようにしました。
――:共感というと、荻野氏は先日のイベントでも参加されていましたが、荻野氏からみた『コトダマン』ユーザーはいかがでしたか。
▲荻野氏は『コトダマン』の公式放送にも出演。段位は1,000段を超えるほどのヘビーユーザーでもあり、その他ユーザーからも一目置かれる存在であった。(※引用元:GODステーション6周年スペシャル!より)
荻野:暖かく、そして熱い感じの人が多いなと感じましたね。イベントの帰り際にユーザーさんにお会いして話をさせていただき、「お互い頑張りましょう!」とエールを送り合ったりと、すごく受け入れてくださいました。
初対面でも同じ出身地とか同じスポーツ経験とか、何らかの共通の話題があると、一気に親近感が湧くじゃないですか。同じことが『コトダマン』でも強く感じられたんですよね。配信に出るために伺った会場ではユーザーとしても周りのお客様との仲間意識をすごく感じられました。
大槻:荻野さんは1,000段を超えているヘビーユーザーになるので、リスペクトしているユーザーさんも多かったですね(笑)。
会場のみならず配信でも多くのユーザーさんに見ていただいており、暖かいコメントもたくさんいただきました。同時接続数も『コトダマン』の配信ではかなり多かったので良い6周年イベントの第一歩を踏み出せたと思います。
荻野:私も、6周年を迎えられたのはユーザーの一人としても感慨深かったです。
大槻:ここまで来るのに、色々とありましたからね。ユーザーさんにもご迷惑をおかけしたことも多かったと思います。5周年辺りから、組織としても体制を見直していき、良い部分は大事にしつつ、変えるべきは変えています。これからも楽しんでもらえるように頑張っていきたいです。
――:今回のコラボを実現していく上で工夫したことなどはどういったところでしょうか。
大槻:コラボといっても、やっつけ作業でやっているものは、やっぱりユーザーさんにも伝わってしまいます。ですので、両社共に本気でやらせていただいて、ゲーム内でもイベントを実施した上で、コラボメニューも荻野さんにも協力頂きながら作らせて頂きました。コラボソースもしっかり試食をした上で吟味して調整頂いています。
コラボメニューにある、ちくわの磯辺揚げも、荻野さんのアドリブから生まれたんですよ。当初は、ちくわをそのまま添える案でした。
荻野:ちくわと言えばやっぱり磯辺揚げが美味いだろうと(笑)。ハイボールにも合うので、銀だこ酒場にはもってこいです。青のりも粉もたこ焼で使うので、作ることもできるなと思い、作っちゃいましたね。
・・・現場からは余計なことするなと思ったかもしれませんが(笑)。
大槻:いえ、でもめちゃくちゃ美味しくて、すごく嬉しかったです(笑)。ユーザーさんからもすごく好評でした。
今回のコラボでは、ご一緒させていただいて、共感できるところが多くありましたね。
ラクーア店では、内装もかなりこだわっていただいて嬉しかったです。施設とのコラボだと、アニメやゲームの作品が浮いちゃってみえることもあるのですが、ラクーア店ではすごく「銀だこ」と『コトダマン』がマッチしていて、”ここの空間には誰が来るからこういうのがあったらいいね”といったことがすごく議論されて作られているんだなと感じました。
荻野:例えば、ゲームをやって面白いなと感じるのにプラスして、近所にコラボ店があるので参加してみると、ゲーム作品への思い入れなんかも強くなると思うんですよね。
私自身も、ゲームを遊ぶだけでなくこのような取り組みをさせていただいたことで、当然ゲームがより楽しく感じられます。
こういった事は、子供の時に遠くの街にファミコンを買いに行ったとか、友達と一緒に外でゲームをしたとかそういった経験に似ていますし、そういった思い出は忘れることはないと思います。
大槻:実際にみんなで会って何かをやるというのが大きいですよね。今は、ゲームもオンラインで一緒に遊べますし、欲しいものがあればネットショップで頼めば家に届きます。
でも、親にわがまま言って一緒に買いに行ったり、友達と一緒に買いに行ったりとか、体験ベースが一つ入ると鮮明に残るんだと思います。
今回のコラボがどういった絵を作り出すのかなと思っていたのですが、昔あったお茶の間感というか、一家団欒であったり、友達の家に集まってみんなで遊ぶ感覚が浮かびました。
お茶の間というのはもう見なくなりましたけど、もう一度そういうところに原点回帰できたんじゃないかなという取り組みでした。
特にMIXIでは、『モンスターストライク』でも『コトダマン』でもみんなで集まってワイワイ楽しむことを推奨しているので、今回のコラボはすごくいいなと感慨深かったです。
僕はいつか本当の意味でのソーシャルゲームを実現したいなと思っていて、楽しい空間作りまで踏み込んで、従来のゲームの枠を越えていかないと見えないものがあるなと。今回その一歩が踏み出せたかなと感じました。
荻野:「銀だこ」としてはとにかく楽しそうなコラボと思っていただけるように考えました。私たちの立場で言うと、「銀だこ」のお客様の中には『コトダマン』を知らない人もいるかと思います。
そういった方がこういった取り組みをしたことによって『コトダマン』の存在を知ったり、もしかしてインストールした人もいるかもしれない。
よくあるコラボだと”なんか知らないコラボやってるな”と素通りされることもあると思いますが、今回の店舗の見た目は知らない人が来ても”これ面白そう”とか”可愛い”って言ってもらえて、ゲームをプレイしていなくてもコラボを楽しんでくれている感じになってたのがすごく嬉しかったですね。
大槻:逆に『コトダマン』ユーザーがこれをきっかけにまたお店に来ていただけたりと、業種が近くないからこそお互いにとって新鮮で良い取り組みになったのかなと思います。
我々のコラボは、原作やパートナー企業の皆様を真摯にリスペクトしながら作らせていただいています。
今回のゲーム内コラボイベントのストーリーでは、「はだか」のたこ焼についても触れています。と言いますのも、ソースも何もついていないたこ焼を”はだか”と称することがあり、それは“通”なお客様の間では親しまれている文化でもあります。
そんな「銀だこ」さんの文化をリスペクトして、『コトダマン』ストーリーの中でも触れさせて頂いています。
また、そのストーリーの中ではコラボキャラクターがラクーア店に行く展開もあります。そのシーンのイラストも用意したりと、ユーザーの体験に共感が伴うように考えました。少しでも興味を持ってもらえたらありがたいなと思いますね。
飲食店経営とゲーム運営の考えは同じ?…”共食”と”共闘”の体験を届けるこだわり
――: コラボ実施にあたっての印象的だったことなどはありますか。
大槻:コラボするにあたっては、どうすることがお客様に一番面白がってくれるんだろうというのを本当に何度も議論しました。やっぱり「銀だこ」のお客様にも楽しんでいただきたいし知っていただくきっかけにもなってほしいですからね。
「銀だこ」さんとやらせていただくこの貴重な機会に、思いっきりゲーム内でも外でも楽しんでもらえればどうするか本当に半年間ずっと考えてきました。
・・・運営スタッフのみんながやりすぎるところもあって、見ていて心配でもありました(笑)。
――:(笑)
大槻:何よりも喜んでいただきたいですし、最高のコラボにしたいという思いが強かったので、いろんなものを提案させていただいて、「銀だこ」さんにもご快諾いただけたので、実現できたのだなと感じます。
荻野:やり過ぎるのはうちもそうかもしれません(笑)。やらないで何か言われる人間じゃなくてやって何か言われる人間になった方が良いよねと、社内でもよく話しています。
もちろん、一人に負担が掛からないように会社もフォローが必要ですが、やり過ぎたかなと思えるくらいが人は成長すると思いますからね。
せっかくだから、最高のものをお客様には届けたいじゃないですか。というより、手を抜くとお客様にはやっぱり分かってしまいます。実際に、手の込んだ原価率の高い商品の方が売れ行きも良いことが多いです。お客様も何に価値があるものなのかが分かっているんだなと感じます。
ですから、食べ方にもこだわっています。こちらは昨日18日発売の新商品「九条ねぎマヨ 香るゆずポン」ですが、“特製のゆずポン酢”を小袋にしているんです。
ポン酢は“酸味と香り”が大事です。食べる直前につけないと香りが飛んでしまうんです。ですから小袋で作り、直前にかけていただくようにしています。
原価や調理工程を考えると、そのままたこ焼にかけて提供した方が良いのですが、それだとポン酢の香りも飛び、たこ焼のカリカリ感も損なわれる。ですから、手間やコストがあっても別添えの小袋で提供するようにしています。
要は、体験の品質にはちゃんと原価をかけた方が良いと言う考え方になります。高級食材を使っていますよ、ではなくてこうしたら美味しいですよという体験の品質。みんなで食べた時にどう思ってもらえるかという体験をベースに作らせていただいております。
大槻:めちゃくちゃ美味しそうですね。話聞いていると食べに行きたくなりました(笑)。
今お話しいただいた、体験ベースで考えるという文化は『コトダマン』とも一緒なんですよね。ゲームにしても、食べ物にしても細部に宿るというか、細かいところにどれくらいこだわれるかというのは一緒なのかなと感じました。
僕らで言うと、”共食”や”共闘”という共感の体験がこだわるべきところなのかなと。
荻野:開発に手が込んでしまっても、お客様には美味しく召し上がっていただきたいなと思いますね。
弊社は、「日本一うまい!! 食を通じて」というのが1番最初の会社の理念としてスタートしています。ですから、提供するものは美味くないといけない。
商品の”品質”というと、早く提供できるとか安く提供できるとか色々あると思うんですけど、”うまい!!という体験”を一番高い優先順位に持っていこうというのがホットランドという会社なんです。
コラボメニューでは、キャラクターモチーフの食材を合わせただけ、みたいなものもよく聞きますが、やっぱりやるからには美味しく召し上がって欲しいという気持ちで開発しています。
特に、食べ物の温かさとか冷たさにはすごくこだわっています。
温かいものは温かく、冷たいものは冷たく出す。そうじゃないと品質が悪くなる。
本来温かいものが冷めているのはタブーだと、弊社社長も昔から言っています。
ホットランドという社名もそういったところや、食べてもらって心が“ホッとする”という気持ちも込めています。
大槻:今回のコラボでは本当に、全て誠実に取り組んでいただきました。荻野さんたちがいらっしゃるから色々と応えていただいたのだろうなと感じます。
荻野:現場には無茶振りしたところもあるかもしれませんがね(笑)。「銀だこ」では、毎年8月8日は「銀だこの日」としてキャンペーンを実施していて、昨年は先着88名限定で、たこ焼1舟8個入りを88円で提供しました。この施策はだけでは絶対に赤字ですし、現場スタッフの負荷も大変なものです。
ただ毎年キャンペーンをやっている理由としては、今年も何かあるはずだとお客様にも期待してもらうことや、また食べてみようと思っていただくことが大事だと考えているからです。
ですから、春の周年祭や夏・冬のキャンペーンなどを毎年行っています。
大槻:僕は普段から、スマートフォンゲームの運営は、飲食店を見習いなさいと言っています。
ユーザーの中には、ログインだけしていて活発的に活動してしない人やそもそもログインしなくなっちゃう人など色々いらっしゃると思いますが、周年などの節目には何かあると思ってもらえることが大事です。
そして、それを毎年行なっていくので、同じことをしている訳にもいかず、かといってこれまでとはかけ離れたこともせず、マイナーチェンジなども行いながらやっていく必要があります。
荻野:まさしく似ていますね。私たちも年に8回ほど、新商品を出すのですが、毎年前年を超えられる工夫をしなければと考えています。
大槻:コラボを進めていく上で、本当に互いに共感できるところが多かったのは印象的でしたね。
夢が広がる取り組みを…10周年やグローバル、そしてその先も
――:それでは最後にそれぞれの今後の展望などについてお聞かせいただけますか。
荻野:ホットランド、「銀だこ」全体で申し上げますと、先月、米国ロサンゼルスのドジャー・スタジアムに「銀だこ」を出店させていただきました。
今後は、日本一のたこ焼屋から“世界のたこ焼屋”を目指す会社として夢が広がっている段階ではあります。
将来的には、国内でも海外でも「銀だこ」を親しんでいただいて、社員も世界中から集まってきて、様々なたこ焼が提供できるようになったら、世界中でさらに楽しい体験が提供できると思いますので、そういった夢が広がる取り組みを今後もしていければと思います。
コラボについては、6周年という貴重な時期にご一緒させていただいて、私自身ワクワクして楽しかったですし、ユーザーさんや『コトダマン』チームの方々にもお役に立てたのであれば嬉しい限りです。
大槻:こちらこそ是非またよろしくお願いします。また一緒に考えていきましょう。改めて、『コトダマン』としては6周年を迎えられて、ユーザーさんには感謝しております。
5周年あたりから、チーム全体で『コトダマン』やユーザーさんにより真摯に向き合っていくようにしていますので、今後は10周年、10年と言わず20年30年続くものにしていきたいですね。
その時は、「銀だこ」さんでもメイン装飾店舗をご協力いただけたら嬉しいですね(笑)。
荻野:(笑)。10周年では、ちくわとたこ焼で”10”を表現しましょうか(笑)。
10周年などの大きい取り組みじゃなくても構いませんので、またご一緒できたらなと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。
大槻:こちらこそ是非よろしくお願いします。
――:ありがとうございました。
©MIXI
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会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121