【モバイルファクトリー決算説明会】3Qは「広告宣伝比を戦略的に大幅圧縮」(深井COO) イーサリアム2.0待ちながらブロックチェーン関連の中長期ビジョンは変更なし


モバイルファクトリー<3912>は、10月18日、東京都内で決算説明会を開催した。説明会に先立ち発表された2019年12月期の第3四半期累計(1~9月)の連結決算は、売上高7億3500万円(前四半期比18.5%減)、営業利益2億7400万円(同10.3%減)、経常利益2億7400万円(同10.0%減)、最終利益1億7000万円(同3.3%減)となった。

説明会では、同社の深井COO(写真)と執行役員の佐藤氏が第3四半期決算や事業の概要についてを説明した後、質疑応答が行われた。今回はその内容なども踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■QonQでは売上高18%減、営業益10%減に 「広告宣伝比を戦略的に大幅圧縮」(深井COO)


まずは第3四半期期間(7~9月)の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高7億3500万円(前四半期比18.5%減)、営業利益2億7400万円(同10.3%減)、経常利益2億7400万円(同10.0%減)、最終利益1億7000万円(同3.3%減)となった。これは、第2四半期期間において、主力の位置情報連動型ゲーム『ステーションメモリーズ!』(『駅メモ!』)が6月にコロプラ版の5周年を迎え、その記念施策を実施していた反動が大きく、売上高の減少は会社側の想定通りということになる。

一方で、「広告宣伝比を戦略的に大幅圧縮した」(深井COO)ことで、広告宣伝費率は前四半期の8.8%から2.5%に大幅に低下している。
 

 

■『駅メモ!』は初のストアランキングトップ30入り 2020年リリース予定の新作発表


続いてサービスの状況を見てみると、『駅メモ!』はこの第3四半期期間中となる7月にApp Store売上ランキングで初のトップ30入りを果たした(関連記事)。運営5年を経て、サービスの基盤に技術的な負債が出てきていることで基盤の強化を進めている状況ではあるが、成長余力はまだ十分あると言えよう。

さらに位置情報ゲーム全体のトピックスとして、2020年中にリリース予定の新作を開発中であることが明らかになった。現時点では「タイトルの具体的な内容は申し上げられない」(同)とのことだが、「2020年の夏くらいまでには出したい」(同)ともしていた。
 
 

■イーサリアム2.0のアップデートを待つ形にロードマップを変更


市場の状況に少し変化があったのが、ブロックチェーン関連サービスだ。同社の取り組むブロックチェーン関連サービスは、イーサリアム上でのDApps開発・利用を行いやすくするツールという位置付けになるが、そのイーサリアムが2020年に2.0へのアップデートを予定しており、「アップデートを待つ形に(開発の)ロードマップを見直した」(同)という。このブロックチェーンサービス関連のロードマップの変更により、位置情報ゲームに開発リソースを振り分けることが可能となったことも前述の新作開発につながったとのことだ。

ただ、ブロックチェーン関連の「中長期ビジョンは変えていない」(同)ともしており、「Uniqys SaaS(仮)」のパッケージ化により、DApps利用者拡大と関連サービスの収益化を目指す方針だ。
 
 

■通期予想を上方修正 4Qは『駅メモ!』のアプリ版の周年も寄与へ


なお、2019年12月期の連結業績予想については、第3四半期決算発表と同時に上方修正を実施しており、売上高31億6900万円(前期比6.4%増)、営業利益10億7000万円(同26.0%増)、経常利益10億6900万円(同26.0%増)、最終利益6億8600万円(同17.4%増)の見込み。

この数字は、第3四半期までの実績での進捗率で売上高が75.7%、営業利益が76.4%、経常利益が76.4%、最終利益が74.6%となっている。第4四半期期間(10~12月)は、主力の『駅メモ!』において、アプリ版の周年を迎えることから、この計画数字の達成確度は高いとみることができそうだ。
 
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
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