モバイルファクトリー、第1四半期は2ケタ減収減益 外出自粛の影響で『駅メモ!』売上苦戦 在宅イベントなど底堅いDAU活かした施策で挽回図る



モバイルファクトリー<3912>が4月22日に発表した第1四半期(2020年1~3月)の決算は、売上高が前年同期12.4%減の6億6600万円だった。前年同期比でマイナスとなるのは、これで3四半期連続となる。全体の売上の8割を占める位置ゲームの売上が低下したことに加えて、自社で運営している着信メロディサービスの有料会員数が緩やかに減少していることが主な要因だった。
 


位置ゲームは主力の『ステーションメモリーズ!』の売上が新型コロナウイルス感染症の拡大もあって落ち込んだ。外出自粛要請に伴い、コラボや移動系イベントの中断・延期を行ったことで、課金アイテム消費やガチャ売上が低下したとのことだった。3月の単月売上高は26%減り、続く4月も29%減る見通し。

苦戦気味ではあるが、DAU(日次アクティブユーザー)の底堅さが安心材料だ。他の有力位置ゲームがDAUを落としているとの調査があったが、同社は他とは違った状況にある。底堅いDAUをベースとして、当面は在宅イベント実施による収益化を図る。そして外出自粛要請が解除されれば、施策次第で収益は回復できると自信を示す。
 


また、この減収に伴い、営業利益が同18.9%減の1億9300万円、経常利益が同19.2%減の1億9200万円、最終利益が同19.3%減の1億3300万円と2ケタの減益だった。システム利用料など変動費が減ったほか、広告宣伝費の一部未消化としたものの、売上の低下をカバーできなかった。
 


続く20年12月期通期は、売上高32億9500万~35億4600万円(前期比3.3%増~11.2%増)、営業利益10億0400万円~13億0300万円(同9.5%減~17.4%増)、経常利益10億0200万円~13億円(同9.7%減~17.2%増)、最終利益6億9200万円~8億9900万円(同10.4%減~16.3%増)を見込む。

これは従来予想の据え置きとなる。外出自粛要請の期間がどのくらいになるのか読めず、その影響の合理的な算定が困難であるためだ。自粛期間が長くなるようであれば、業績見通しにも影響が出てくることになるようだ。
 



また、新型コロナウイス感染症拡大は、新作位置情報ゲームを含むプロジェクトの優先順位にも影響を与えているという。既存サービスの安定成長を図るとともに、Uniqysトークンマーケットとともに、トークンを絡めた新作位置ゲームを2020年中にリリース予定。新作のリリース時期は、外出自粛要請期間によって決める考えだという。
 
 
(編集部 木村英彦)
株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
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