enish、第1四半期は新作貢献で2ケタ増収、粗利黒転も営業赤字続く リストラに伴う費用削減は今後徐々に発現

enish<3667>は、4月30日、2020年12月期の第1四半期(1月~3月)の単独決算を発表するとともに、決算説明資料を公開した。発表した決算を見ると、売上高が10億3100万円(QonQ15.0%増)、営業損益が3億1400万円の赤字(前四半期は3億9900万円の赤字)、経常損益が3億2200万円の赤字(同3億9900万円の赤字)、最終損益が3億2400万円の赤字(同4億円の赤字)だった。新作2タイトルのリリースで2ケタの増収を達成し、売上総利益(粗利益)が黒字転換したが、販売管理費が膨らみ引き続き赤字となった。リストラクチャリングに伴うコスト削減効果については、今後、より大きく出るという。




決算の内容を見ていくと、売上高がQonQで15.0%増の10億3100万円と2ケタの増収を達成した。新作ゲームとして、1月17日に未来型アクションRPG「VGAME」、1月22日にドラマチック共闘オンラインRPG「De:Lithe(ディライズ)~忘却の真王と盟約の天使~」、そして、3月31日に、香港、台湾、マカオで「De:Lithe」繁体字版をリリースしたことが奏功した。四半期ごとの推移を見ると、『欅のキセキ』の貢献で、2017年10~12月に大きく売上を伸ばした後、売上が漸減傾向だったが、新作の貢献もあって下げ止まりの動きが見受けられる。
 


続いて営業損益をみていくと、3億1400万円の赤字となり、前四半期の3億9900万円から赤字幅が縮小した。売上が伸びたことで、売上総利益が黒字に転換した。売上総利益は前四半期は1億9900万円の赤字だったが、この四半期は1600万円の黒字となった。ただ、販売管理費がQonQで66.0%増の3億3100万円と増えたことが赤字継続の要因となった。新作リリースに伴い、広告宣伝費が301.7%増の1億6900万円と大きく伸びた。
 


営業損益の赤字幅が縮小したことで、経常損益と最終損益の赤字幅も連れて縮小した。経常損益は3億2200万円の赤字(前四半期は3億9900万円の赤字)、最終損益は3億2400万円の赤字(同4億円の赤字)となった。

続いて各タイトルの状況を見ていこう。



▲9周年を迎えた「ぼくのレストラン2」「ガルショ☆」は、コラボレーション施策等が好調に推移し、引き続き当社の売上収益に貢献している。よりきめ細やかな対応を図り、ユーザーのの満足度向上に努めていく。



▲既存タイトルについては、欅坂46・日向坂46公式ゲームアプリ「欅のキセキ」は、2020年4月1日からの「欅のキセキ/日向のアユミ」へ改名に向けたカウントダウンキャンペーン等を実施しゲーム内の活性化を図った。



▲「HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD」は、継続率に課題が残ったという。引き続き、魅力的な施策の実施や機能改修コスト削減を図り収益改善に努めていく。『VGAME』も想定より弱いとのこと。



▲『De:Lithe』についてはすでに500万ダウンロードを突破したほか、繁体字版(すでに配信中)に続いて韓国語版、英語版と展開していく予定で、今後の収益寄与が期待されるという。


最後に新作のパイプラインは3~4本であることを明らかにした。いずれもIPタイトルとなっている、自社開発だけでなく、中国企業との共同開発も行っているそうだ。そして、いずれもグローバル配信を行っていくとのこと。IPの内容やリリース時期などについては公開されなかった。



 
(編集部 木村英彦)
株式会社enish
http://www.enish.jp/

会社情報

会社名
株式会社enish
設立
2009年2月
代表者
代表取締役社長 安徳 孝平
決算期
12月
直近業績
売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3667
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