【インタビュー】バーチャルイベントの可能性…サーバーメーカー世界シェア2位がバーチャルマーケット出展を決めた経緯とは(提供:INSPUR JAPAN)


世界のサーバー市場シェア2位のサーバーメーカー・Inspurの日本法人「INSPUR JAPAN」が、2020年12月19日から2021年1月10日開催のバーチャルイベント「バーチャルマーケット」第5回のeスポーツ大会の協賛を行うことが発表された。
 
【関連記事】inspur、「バーチャルマーケット5」に出展! 世界シェア2位のサーバーメーカーがVR空間上で行うeスポーツ大会に協賛
 
バーチャルマーケットは、バーチャル空間上でアバターなどの3Dアイテムから洋服やPCといった実物をショッピングできるというイベント。バーチャル空間を利用して、乗り物に乗ったり、ライブや映像を観て参加者同士でコミュニケーションを楽しむこともできるようになっている。
 
INSPUR JAPANが今回協賛を行うeスポーツ大会のタイトルは『ペコペコバトル』。3対3~6対6のチーム戦でおにぎりを奪い合うという、ユニークなタイトルだ。
 
 
世界シェアトップを誇るInspurの日本法人INSPUR JAPANが、何故バーチャルマーケットへの出展を決めたのか。Social Game InfoではINSPUR JAPAN代表の王遠耀氏に、マーケット出展の背景から今後の展開など様々な話を伺った。
 

■バーチャルマーケットに出展するメリットは情報の拡散性にアリ

 
 
――:まずはじめに、自己紹介をお願いします。
 
INSPUR JAPAN代表の王遠耀と申します。Inspurは1945年に設立された会社で、75年もの歴史がある会社です。80年代後半からLinuxベースをしたエックスサーバーの着手を始め、今では会社全体の6、7割を占めるほどのサーバーメーカーに成長しています。特にGPUサーバーとAIサーバー関連には力を入れており、中国の53%ほどのシェアを持っている世界2位のサーバー企業となっています。
 
――:バーチャルマーケットに『ペコペコバトル』という作品を起用したe-sports大会を開かれる経緯について教えてください。
 
中国国内はバーチャル関係もアリババやテンセントなどが大規模なイベントを開催しているのですが、我々Inspurはサーバーのインフラなどがメインの役割となっているため、知名度が高くないというのが現状です。
 
ですが、我々の製品こそが世界のサーバー市場のトップシェアを誇っていることは自負しているわけです。そんなInspurの知名度を高めるべく、今回はINSPUR JAPANとして、新しいマーケットであるバーチャルマーケットを通じて、INSPURのグローバル展開を行う狙いがあります。

 
〇参考動画:Virtual Market 5 会場コンセプト紹介ムービー [日本語版]
 
――:日本市場を足掛かりに、グローバル展開を狙っているということですね。
 
バーチャルマーケットのプロモーションは非常にユニークですし、コロナの影響もあり、宣伝が世界中に広まっていく可能性を秘めています。今後伸びていくであろうVR業界は、新しいビジネスモデルに着目しようとしている業界やアナリスト、ファンドを見込めます。
 
マーケットではアイテムを360度あらゆる角度から確認することができるわけですから、製品の細部まで知ることができるわけですね。バーチャル関係はこれから新しい概念をどんどん産み出してく可能性があります。

 
――:バーチャルマーケットは一般の方はもちろん、企業やクライアントの大きな注目を集めるイベントになりそうですね。
 
例えばバーチャルマーケットの自動車メーカーのブースでは、その車の大きさやスピード、エンジンといった細部まで確認することができます。試乗したような感覚を得ることもできるため、商品の理解が得やすいです。
 
また、マーケットの来場者の方々は、専門知識をお持ちの方が多いです。イベント当日では、そういった方々の興味を引くような製品を展示したいと考えています。

 

●INSPUR JAPANの今後の展望とは

 
――バーチャルマーケットには多くのゲーム企業も出展を予定しています。日本のゲーム業界について、どのような印象をお持ちでしょうか。
 
日本はゲーム・アニメの最先端をずっと走っています。例えば中国の小説『三国志』は、日本で漫画化やアニメ化、ゲーム化され人気が高まりました。中国にはそういったノウハウがなく、任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメントといった日本のゲーム会社が覇権をとっていました。
 
しかし、現在はオンラインゲームをはじめ、中国でのゲーム業界がどんどん発展しています。テンセントやキングソフトといったゲーム会社が有名ですね。

 
――確かに、中国のオンラインゲームの発達には目を見張るものがあります。そういったオンラインゲームのサーバーのインフラ整備を担っているのがInspurということですね。
 
そうですね。例えばソニーさんなど、自社のハードウェアを持っている会社はデータセンターを所有しており、自前のサーバーを使用しているんです。一方、サードパーティと言われるゲーム会社やスマートフォンゲーム事業を中心としている会社など、ハードウェアを持っていない会社は、日本国内のデータセンターを借りて運営することになります。
 
 
その時にAWS グローバルクラウドインフラストラクチャやMicrosoft Azure、Googleなどのクラウドを利用するとなると費用が多くかかるうえに自由度も低いため、オンプレのデータセンターで運営を行うパターンが多いです。さらには、自分のデータセーバーを持つとアプリケーションなどがバージョンアップする際の情報が得られるようになり、自前のエンジニアが成長するという利点もあります。
 
――:なるほど。コロナの影響もあり需要が高まっている今こそ、オンプレのメリットがあると。
 
日本は来年のオリンピック前後から5Gが本格的に普及されるので、今後はより大容量のデータがやり取りされる強みが生きてくると考えています。AIサーバーやGPUサーバーは5Gとの相性が良いため、その先駆けとなれるチャンスが我々INSPUR JAPANにあると見込んでいますね。
 
また、中国企業の国際化という流れもあると思います。以前だと、実態がわからないという方も多かったと思いますが、今では多くの中国企業が日本含め全世界に展開しています。我々もオンラインゲームやオンラインプラットフォームを提供している会社様とご一緒できればと考えています。

 
――:今後の展開についてお聞かせください。
 
このようなバーチャルイベントでの展開は、INSPUR JAPANで初めての試みになります。今回の取り組みが反響ありましたら、より様々な取り組みにて、ユーザーの皆さまとご一緒出来るようになると思います。
 
 
今後力を入れていきたいと考えているのが、日本でもこれから伸びていくであろうAI関係です。ゲームとも相性が良いと思いますので、ゲーム会社の皆様を支援できればと思います。また、ゲーム以外でも監視カメラの画像認識や音声認識、自動車の自動運転なども大きなポテンシャルを感じている分野ですね。
 
――:最後にメッセージをお願いします。
 
バーチャルマーケットはゲーム業界において、新しい需要を獲得する可能性を大きく秘めてます。我々INSPURはサーバーの世界シェアトップとしての知名度と位置付けを確立したいと考えています。数年後にはバーチャルマーケットが1000万人以上のユーザーさんが訪れるような、大規模なイベントになることを期待しています。
 
――:ありがとうございました。
 
 

INSPUR JAPAN 企業サイト